DX推進を後押しする「ペーパーレス化」のメリット・デメリットとは

DX推進を後押しする「ペーパーレス化」のメリット・デメリットとは

業務効率化2021.03.08

目次


近年日本の労働人口は減少を続け、経済競争が激化する中、発達するITの力を最大限に活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に進める企業が増えています。テクノロジーの発達やツールを提供する企業の増加により、今後さらに実施できるペーパーレス施策も増えることが予想され、優位性を確立したい企業ほど、ペーパーレス化も積極的に取り組んでいくでしょう。


ここでは、実際にペーパーレス化を取り入れるメリットとデメリットについてご紹介します。


参考 「DXの波に乗る!いざ始めるためのゼロからの基礎知識


ペーパーレスのメリッ


まずはメリットについてご紹介します。


コストを減らす


最初にイメージできるメリットは、ペーパーレスという言葉からも印刷する紙の削減が浮かんでくると思います。さらに印刷する紙の使用量を減らすだけではなく、印刷するために必要なコスト、たとえば複合機やそのインク代、複合機のメンテナンス代などから、さらには印刷する、印刷物を保管・管理する従業員の人件費も削減が期待できます。


また、契約書や領収書などは紙で発行すると印紙税がかかりますが、電子契約で交わされた契約書や電子上で発行された領収書の印紙税は非課税となります。企業間取引においては、1通あたり何千円単位の印紙が必要になる場合もあるので、これらをペーパーレス化するだけでも大きな経費削減につながります。


共有を簡単に


ビジネスを円滑に進めるために、コミュニケーションと情報の共有は必須です。
情報を必要とするメンバーと、いかに早く共有できるかがビジネスの進行速度に影響を与えます。紙で管理されている資料は、それを手にしている人にしか見えません。必要な情報を電子データで共有することで、印刷作業や印刷物を届けるというステップを省略して、迅速に共有することが可能になります。


情報検索を素早く正確に


いつか買った商品のレシートを探したり、自分が書いたメモが手帳のどこの部分に書かれているか探したり…。このような経験がある方は多いのではないのでしょうか?


これらの経験はすべて紙という媒体であるがゆえに起こることです。紙は持ち運びが自由なので保管場所を忘れる可能性があります。そして、時間をかけて探したのに結局は欲しい資料が見つけられなかったり、その紙の資料を保管したりする作業にも時間を取られてしまいます。


電子データ上であれば、検索機能で目的の資料やキーワードを一瞬で探すことができます。


ポータビリティ


紙の資料は持ち歩く量に限度がありますが、電子データは厳重なセキュリティ管理を前提に、持ち出す準備さえすれば持ち出す量の制限はありません。またクラウド上に保管されていれば、外出先で急遽必要になった資料や書類の取得も比較的簡単です。


環境への配慮


紙は木からできています。世界的にCO2の削減が叫ばれている中、森林伐採は極力避けるべき事柄です。
また企業としてペーパーレス化をすることで環境保護への取り組みを、社会へアピールすることにもつながります。


ペーパーレスのデメリット


続いてデメリットについてご紹介します。


システム導入や業務改革がともなう


ペーパーレス化は先を見据えるとメリットが大きいですが、ペーパーレス化を進めるためには、必要なツールを導入したり、今までの資料を電子データに変換したり、さらには業務フローを変更する業務改革も必要です。そのためペーパーレス化を失敗しないように進めるためにも、目標とすることや何を電子化するのか、どのように進めていくのかを予めしっかりと定め、準備時間と費用がかかることを理解しておく必要があります。


ITリテラシーに依存する


紙をめくって開くだけで見られる紙媒体とは違って、データが保管されているシステムによっては、閲覧や検索、共有などがシステム化されていて、ITに馴染みのない社員にとっては使いづらいと感じさせてしまうかもしれません。こうした社員に使い方のトレーニングをする必要があります。


システム・ネットワークの安定性が必要


電子データ化した資料はパソコン内、またはファイルサーバ―上で管理することになるので、システムやネットワークの安定性が大切にです。故障やネットワーク障害の発生で、資料の元データ自体が消失する可能性もあるので、バックアップなどの対策を考えておく必要があります。


まとめ


ここでは、ペーパーレス化によるメリットとデメリットをご紹介しました。


ペーパーレス化を進めることで、コストや作業工程を簡略化し作業時間も削減できるうえに、働く場所を問わない新しい働き方を生み出すきっかけにもつながります。ペーパーレス化を進める前に、デメリットに対する解決策を出しておくことで、ペーパーレス化への成功につなげることができます。


実際にペーパーレス化を実現するための手順の説明はこちらをご覧ください。
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