Webマーケティング2021.03.31
目次
YouTube広告を使えば動画で商品やサービスのブランディングをすることが可能になるだけでなく、動画内でユーザーを教育し、コンバージョンしやすい状態で遷移先ページに誘導できるというメリットがあります。
しかし、実際に運用したいものの、設定方法や管理はどのようにしたらよいのでしょう? また、効果を確実に得るための方法はあるのでしょうか?
この記事では、企業のデジタル広告を担当する方に向けて、YouTube広告の種類と特徴、設定方法を解説します。YouTube広告の効果を高めるコツも紹介するので、参考にしてください。
YouTube広告とは?
YouTube広告とは、YouTube内に配信される動画形態の広告のことです。ユーザーが視聴する動画の再生前・再生途中・再生後に表示されます。従来の検索広告やディスプレイ広告はテキストや画像がメインでしたが、YouTube広告では動画でユーザーにアプローチができる点が特徴です。
商品の使い方やサービスの流れなどをリアルにアピールできるのがメリットです。写真や文章のみの広告と違い、音や動き、モデルの表情などで商品やサービスのよさを伝えられます。
YouTube広告は数秒から数十秒の長さで構成されており、途中でスキップできる「スキッパブル広告」と、スキップできない「ノンスキッパブル広告」があります。
YouTubeはGoogleが提供しているサービスのため、Google広告内で設定し、出稿することができます。この後詳しく説明するように、今後5Gの到来もあって動画の需要拡大は加速すると予想されています。そんな中でYouTube広告は注目を集めています。
YouTubeの利用者数と年齢層
2020年9月の時点で、YouTubeの国内月間利用者数は6,500万人を超えました。YouTubeの利用者数が多ければ多いほど広告を表示できる対象者が多いことを意味するため、利用者数は重要です。
年代別に見ると若者のほとんどがYouTubeを利用しており、全年代でも72%のユーザーがYouTubeを利用しています。
年代別のYouTubeの利用率 | |
10代 | 93.5% |
20代 | 94.0% |
30代 | 87.4% |
40代 | 80.4% |
50代 | 64.0% |
60代 | 32.2% |
YouTubeは若者向けという印象を持っている方がいるかもしれません。しかし実は、50代以下のユーザーの多くがYouTubeを利用しています。そのためYouTube広告では、幅広い年齢層のユーザーに広告を表示することができるのです。
YouTube広告の種類
YouTube広告には「スキップ可能なインストリーム広告」「スキップ不可のインストリーム広告」「TrueViewディスカバリー広告」「バンパー広告」「マウスヘッド広告」があります。ここでは、YouTube広告の5つの種類について解説します。
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告とは、YouTubeのウェブサイトやアプリで配信される動画の再生前後または再生中に表示される動画広告です。
5秒が経過すると、ユーザーは広告をスキップできます。5秒間は必ず視聴されるため、ブランディングや認知度のアップに有効な広告です。
料金はCPV(Cost Per View)単価性ではユーザーが広告動画を30秒間(30秒未満の広告は最後まで)視聴するか、30秒経つ前に広告を操作した場合に料金が発生します。
また目標インプレッション単価や目標コンバーション単価では、インプレッション数に基づき料金が発生する仕組みです。
スキップ不可のインストリーム広告
スキップ不可のインストリーム広告は、動画の再生前後、または再生中に動画広告が表示される点では、スキップ可能なインストリーム広告と同じです。
しかしスキップ不可のインストリーム広告では動画が15秒以下となっており、スキップすることはできません。
また、スキップ不可のインストリーム広告には目標インプレッション単価制が採用されており、広告の表示回数に基づいて料金が発生します。
スキップ不可のインストリーム広告は、スキップ可能なインストリーム広告と同様にブランディングや認知の拡大に有効です。しかしスキップできないという特性のため、広告が悪印象になる可能性があります。
TrueViewディスカバリー広告
TrueViewディスカバリー広告とは、YouTubeの関連動画や検索結果、モバイル版YouTubeのトップページにも表示される動画広告です。動画のサムネイルとテキストで構成されており、ユーザーがクリックすると再生されます。
インストリーム広告はユーザーが望まない場合にも再生されますが、TrueViewディスカバリー広告はユーザー自身が広告を再生するか決定できます。そのため、インストリーム広告と比較すると、ユーザーに悪印象を与える可能性が低いといえます。
ディスカバリー広告は、ユーザーが自ら広告を視聴した場合にのみ課金されます。商品やサービスに興味がないユーザーは広告を視聴しないため、見込みの高いユーザーに絞り込んだ宣伝が可能で、高いROIが期待できます。
バンパー広告
バンパー広告は、6秒以内で再生され、視聴者はスキップすることができない広告です。YouTubeのウェブサイトやアプリで配信される動画の再生前後、または再生中に動画広告が表示されます。
バンパー広告では目標インプレッション単価制が採用されており、ブランディングや認知の拡大に利用されることが多いことから、スキップ不可のインストリーム広告のショートバーションと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
マストヘッド広告
マストヘッド広告とは、パソコン上では、YouTubeホームフィードの上部で最大30秒間音声なしで自動再生される広告です。
新しい商品やサービスの認知度を高めたい場合や短期間で大規模なオーディエンスに宣伝したい場合に使用することができ、Googleの営業担当を通じて予約することでのみ利用できます。
マストヘッド広告では、ミュートのアイコンをユーザーがクリックすることで、動画の音声が有効になります。モバイル上では、ホームフィードの上部に音声なしで自動再生されます。
パソコン上では最大30秒間という時間の制約がありましたが、モバイル上では時間の制限はありません。
YouTube広告の設定方法
YouTube広告は、次の5つのステップで設定が可能です。
- YouTubeからアカウントをリンクする
- YouTube Studioに動画をアップロードする
- Google広告に動画を設定する
- CTAを設定する
- 広告配信を開始する
YouTubeチャンネルとGoogle広告をリンクさせる必要があるため、YouTubeチャンネルもしくはGoogle広告のアカウントを持っていない方は、作成する必要があります。
また、リマーケティングやキーワード・アフィニティカテゴリなど、Google広告で利用できる機能はYouTube広告でもそのまま利用可能です。ペルソナや目的に合わせて設定を行いましょう。
YouTube広告の効果を高める設定のコツ
ここでは、YouTube広告の効果を高めるための3つのコツをご紹介します。
ペルソナを明確化する
YouTube広告を配信する以前に、ペルソナを明確化しましょう。商品やサービスを利用するターゲット像を明確化し、まずは「YouTube広告を利用するべきなのか」という点から検討するとよいでしょう。
例えば、50歳以降のユーザーのYouTubeの利用率は低いため、50歳以降がペルソナであれば、YouTube広告以外の媒体を利用した方が得策かもしれません。
もしYouTube広告を利用するのであれば、どのような動画であればペルソナにアプローチできるか、どのような遷移先ページであればコンバージョンにつながるのかを慎重に検討しましょう。
カスタムインテントを活用する
カスタムインテントとは、商品やサービスに関連するキーワードやURLなどを入力することで、関心があると推測されるユーザーを対象に広告配信を行うシステムです。カスタムインテントを活用して、ユーザーに飽きられない広告配信を目指しましょう。
カスタムインテントは設定後もGoogleが学習を続けるため、対象ユーザーが常に入れ替わり、ユーザーの鮮度を保つことができます。
動画広告は静止画と比較して印象に残りやすい一方で、飽きられたり嫌われたりすることも多いという特徴があります。適切に運用を行えば好印象を与えられるはずの動画広告で悪印象を与えないように、カスタムインテントを活用しましょう。
適切なクリエイティブの作成
広告の目的や広告の種類に合わせて、適切なクリエイティブを作成しましょう。
例えば、スキップ可能なインストリーム広告における最初の5秒間は、ユーザーがスキップするかを判断する重要な5秒間です。そこで、最初の5秒間は広告色を抑えてユーザーを楽しませるコンテンツを制作しましょう。
比較的長い広告の場合には、ストーリー性を出してユーザーに「続きが気になる」と思わせられれば、その後も継続して視聴される可能性が高まります。
6秒間のバンパー広告などであれば、ユーザーの印象に残るようにターゲットを固有名詞で呼んだり、感情に訴えかけるBGMを使用したりするなど、インパクトのあるクリエイティブを作成しましょう。
まとめ
YouTube広告を利用することで、テキストや静止画を利用した広告よりもユーザーにより強い印象を与えることが可能です。
動画でユーザーを教育できれば、高いコンバージョン率が期待できます。しかし印象が強いため、飽きられてしまったり、嫌われてしまったりする可能性もあります。
ペルソナを明確化し、適切なクリエイティブを制作するためにも、カスタムインテントを利用し、効果的な広告を作成するとよいでしょう。