Webマーケティング2021.03.31
目次
Webサイトに訪れたユーザーは、サイト内を巡回して、やがて離脱していきます。この「訪問から離脱」までの動きのことを、Googleアナリティクスのセッション数といいます。
広告の効果を高めるためには、この離脱をできるだけ抑えることがポイントですが、そのためにはセッション数を数値化することが大切です。
この記事では、企業のデジタル広告担当者の方に向けて、Googleアナリティクスのセッション数の特徴やセッション数を知るための方法などをご紹介します。
Googleアナリティクスのセッション数とは
「セッション」には「訪問」といった意味があります。デジタル広告の世界では、ユーザーがWebサイトに訪問し、離脱するまでのことを「セッション」といい、この回数を集計した数値をセッション数と言います。ユーザーがサイトを訪問し、離脱したら「1セッション」とカウントします。
セッション数は、ユーザーが検索エンジンや他サイトのリンクから該当するWebサイトを初めて訪問したときにカウントされます。
Googleアナリティクスのセッションには、以下の特徴があります。
・ユーザーごとにWebサイトの訪問回数がカウントされる
・1日単位で区切られ、午前0時にセッション数がリセットされる
・Webサイトを表示して無操作のまま30分経過すると、セッションが切れる
無操作のまま30分経過し、セッションが切れてから改めてWebサイトを操作すると、新しいセッションが始まってセッション数が1追加されます。
なぜセッション数が重視されるのか
セッション数は、実店舗でいうところの来店者数です。セッション数が多ければ集客に成功している証となります。逆に少なければ、集客が上手くいっていないということなので、ビジネスチャンスを逃していることになります。
リアルな店舗であれば、来店者数は可視化できるため、「今日はお客様が少ない」「今日はよく売れている」ということがすぐに把握できます。
しかしWeb広告の場合はこうした動きが見えないため、実際にユーザーからどのような反応を得ているのかが分かりづらく、改善につながりにくいという課題があります。そのため、セッション数というかたちで可視化することが重要なのです。
Webサイトを使って売上アップや資料請求などのコンバージョンの獲得を目指すなら、セッション数の増加はWebサイト運営における最優先事項と言えるでしょう。
Googleアナリティクスとは
Googleアナリティクスとは、Googleが提供しているアクセス解析ツールのことで、世界中で利用されている最もメジャーな解析ツールです。基本的に無料で利用できますが、機能が追加された有料版もあります。
Googleアナリティクスを利用すれば、これらの内容について把握できます。
・Webサイトが何回訪問されたか
・スマートフォン・タブレット・パソコンなど、どのデバイスからのアクセスが多いか
・どの言語でWebサイトが表示されたか(日本だけでなく、外国からのアクセスはあるのか)
・検索エンジン・広告・SNS・外部リンクなど、どの媒体を経由してアクセスされているのか
・Webサイトのどのページが多く見られているのか
・Webページの表示スピードは最適化されているか
・どれくらいコンバージョンを獲得しているか
Googleアナリティクスでできないこと
Googleアナリティクスでアクセス解析できるのは自社サイトのみで、他人が管理するWebサイトを解析することはできません。競合他社のサイトを分析比較したいと思っても、Googleアナリティクスでは解析できないので注意しましょう。
また、Googleアナリティクスはヒートマップ分析には対応していません。ヒートマップ分析とは、Webサイトを訪れたユーザーのマウスの動きを集計し、どのような動きを取ったか色の強弱などで可視化する分析のことです。
ヒートマップ分析もツールを使って実施します。Googleアナリティクスには、今のところ連携できないので、自社サイトのヒートマップ分析を行うときは、別途専用のツールを導入する必要があります。
セッションが切れるタイミングと条件
Webサイトは、基本的に無操作状態で30分経過すればセッションが切れます。例外のパターンも含めて、この項目ではセッションが切れるタイミングや条件について解説します。
30分間操作しない(計測データが送られない)
Googleアナリティクスのセッションは、ユーザーがWebサイトを表示してから30分間操作を行わなければ自動的に切れます。そして、同じWebサイトを表示したまま改めて操作すると、別のセッションが新しく始まります。
セッションが切れる基準は、ユーザーから送信されるデータをGoogleアナリティクスの集計サーバーが受け取れるかどうかで決まるのです。
例えば、
1.30分間無操作のためデータ送信なし
2.セッションが切れる
3.再度操作を行ってデータ送信
4.新しいセッションが始まる
といった具合です。
Googleアナリティクスのcookieを削除する
cookie(クッキー)とは、Webサイトを訪問したユーザーの情報を一時的に保存しておく仕組みのことです。Googleアナリティクスも、cookieを使ってユーザーのさまざまなデータを収集しています。
cookieが削除されるとWebサイトからログアウトすることになるので、削除と同時にセッションも切れることになります。
別サイトを経由して同じWebサイトを訪問する
Webサイトへの流入元が切り替わることで、新しいセッションが始まります。
たとえば、検索結果画面の広告からAサイトを訪問すると、広告を流入元としたセッションが新たに始まります。この状態で新たにBサイトのリンクからAサイトを訪問すると、新たにBサイトを流入元とするセッションが始まるのです。
例えば、
1.広告からAサイトを訪問
2.広告を流入元としたセッションが始まる
3.新たにBサイトからAサイトを訪問
4.広告を流入元とするセッションが切れる
5.Bサイトを流入元とするセッションが始まる」といった具合です。
このとき、セッションが切れるときの条件である30分ルールは適用されません。
Googleアナリティクスでのセッション数の確認方法
セッション数を確認する方法として、大きく分けて3つの方法があります。実際に運用する際の参考にしてください。
Webサイト全体のセッション数を確認する場合
Webサイト全体のセッション数は、ユーザーメニューを開いて「概要」をクリックすれば確認できます。「セッション」と書かれた下に数字が表示されます。
どの媒体からWebサイトを訪問したか
流入元別のセッション数は、集客メニューを開いて「すべてのトラフィック」を表示し、「チャネル」をクリックすれば確認できます。画面には「organic search」「Direct」「Social」といった、どの流入元からどれだけ訪問されたかを表示します。
新規ユーザーとリピーターの数を確認する場合
新規ユーザーとリピーターの数は、ユーザーメニューを開いて「行動」を表示し、「新規顧客とリピーター」をクリックすれば確認できます。新規ユーザーを示す「New Visitor」と、リピーターを示す「Returning Visitor」が表示されます。
セッション数と他の指標との違い
Googleアナリティクスのセッション数とよく間違われる指標に、「ユーザー数」と「ページビュー数」「ページ別訪問数」があります。ここでは、それぞれの指標の意味と特徴を解説します。
ユーザー数
Webサイトを訪問したユーザーの数のことをユーザー数と言います。これは、訪問回数をカウントするセッション数と混同しやすいので注意しましょう。
集計期間内にWebサイトを訪れたユーザーの数が、ここでカウントされる数値です。例えば、1ヵ月に3人のユーザーがWebサイトを5回訪問した場合、ユーザー数は3、セッション数は15です。
ページビュー(PV)
Webサイトの各ページがどれだけユーザーに見られたかを示す指標が「ページビュー数」です。ページビュー数は、略してPV数と呼ばれることもあります。単純に、Webページが表示された数と覚えておけばいいでしょう。
例えば、Webサイトを訪問してトップページ・コンタクトページ・商品ページを閲覧した場合、セッション数は1でページビュー数は3です。あくまでも閲覧されたページの合計数がページビュー数になるため、Aページが3回繰り返して表示された場合でも、ページビュー数は3です。
ページ別訪問数
ページ別訪問数とは、Webサイト内のページが閲覧された数のことです。ページビュー数とのちがいは、カウントされるのは1セッションにつき1回のみという点です。
例えばユーザーがAサイトを訪問して商品ページを計3回閲覧した場合、セッション数は1・ページ別訪問数も1・ページビュー数は3となります。
まとめ
今回は、Googleアナリティクスのセッション数について解説しました。
Googleアナリティクスのセッション数は、Webサイトの集客が上手くいっているかいないかを把握する上でとても大切な指標です。
セッション数を稼ぐには広告出稿やSNS運用が効果的ですが、最も必要なものは良質なコンテンツです。コンテンツの質を高めつつ、広告やSNSで露出して集客すれば、多くの新規ユーザーとリピーターを獲得することが可能です。
Googleアナリティクスのセッション数を活用すれば、広告をさらに改善して効果を高めて行くことが可能です。これからの広告運用に、ぜひGoogleアナリティクスのセッション数という指標を役立ててください。