ECサイトでのリピーター育成方法(初級編)

ECサイトでのリピーター育成方法(初級編)

Webマーケティング2021.03.31

目次


ECサイトはリストビジネスです。


どれだけファンを集め、良きタイミングで既存顧客とコミュニケーションを取って行けるかがリピーター育成の重要な鍵となります。


そして、*ECサイトの一番の財産は顧客リストでありリピーター*です。


広告で新規顧客獲得に力を入れるのもスタートアップ時は大切ですが、ファンを作りリピーターに購入してもらう方が、


費用対効果がよく利益率も向上します。


また、お店のファンであるリピーターは、価格競争にはまらず適正な価格でコンスタントに利用をしてくれる上に、


客単価を上げてくれるという効果ももたらしてくれます。


いかにファンを増やしてリピートしてもらうかで、ECサイトは成功へ導くことができます。


リピーターのメリット


1. 集客コストがかからない


2. 利益率が向上する


3. 価格競争に陥らない


4. 客単価を上げてくれる


5. 第3者に紹介をしてくれる(口コミ)


それでは、これだけ素晴らしいファンを獲得していくためにはどうすればよいのでしょうか。


リピーターを育成しましょう


リピーターといっても、はじめからリピーターとして訪問してくれていたわけではありません。*リピーターは探すものではなく、自分たちで育成していくという意識が重要になります。*


リピーター=ファンを作ると言うことは、他店にはないオリジナリティを作り上げる必要があります。


他店に無いオリジナリティを作る方法


1. 相手(お客さま)具体的にを知る


マーケティングでペルソナという手法があります。ペルソナを使うことでお客さまを想定しながら、ニーズを予測することができます。


また、サイトへのレビューや同梱するハガキなどで感想をもらうことで、リアルな意見や相手のことが徐々に見えてくるため、そのお客さまに何をして上げたら喜ぶかということを実現できるようになります


2. 全てのお客さまに受け入れられるのではなく特定のお客さまに絞る


数多くのお客さまに知ってもらい、買ってもらうことができればお店の売上も大きくなります。


しかし、色々な人をターゲットにすることによって、お客さまのニーズが広がりすぎてしまうため、誰に何を伝えたいのかがぼやけてしまい、それがお店にも反映されてしまうため、どっちつかずになり、お店の個性が消えてしまします。


特定のニーズを持ったお客さまに対象を絞ることで、やるべきことが明確化し、誰に何を伝えたいかが明確なメッセージとしてお客さまにも感じ取ってもらえるようになります。


3. お客さまとの接点を増やす


多くのECサイトが存在する状況で、自分の運営しているサイトや商材をしっかりと覚えてもらえるようにしましょう。


そうすることで、何度もサイトに訪問してくれるようになり、タイミング次第ではリピーターとして購入してもらえるきっかけとなります。


4. 特別感を演出する


「○○様だけへの情報です。」や「○○様だけにご連絡しました」など、人は自分のために動いてくれるということで、そのお店のことが気になり始めます。


もちろん全ての人がそうではないですが、少なくともそういったアプローチでファンになってくれる人も存在します。


わたしが以前コンサルをしていたショップでは、*8割がリピーターによる売上というショップがありました*。


そのショップでは注文があったお客さまに対して、商品や各お客さまごとにコメントを手書きで一人一人に入れており、それがユニークであったためにファンが急増しそのような結果につながりました。


*ファンを作ると言うことはそれ程深くお客さまの心に深く刺さらなければいけない*のだなと実感した事例でもあります。


リピーター育成のためのコミュニケーション


ECサイトにおいて、お客さまとコミュニケーションをはかれるツールは限られてしまいます。


基本的には定期メールマガジン、ステップメール、DM、フォローコールなどです。


限られたコミュニケーションツールの中でいかにお客さまに接触してファンになってもらうかがCRM対策になります。


CRMとは?


顧客関係管理(こきゃくかんけいかんり、CRM:Customer Relationship Management)とは、顧客満足度を向上させるために、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法のこと。


では、ECにおいてはコミュニケーションツールを使いCRMを実現していくにあたりどうすればうまくいくのでしょうか。


顧客リストを整理してグループ分けをしましょう


一度でもお店を利用したことのある既存顧客をリスト化したものとなります。


現在では、主にRFM分析(※1)やCPM分析(※2)などのマーケティング手法が使われており、一定の属性によって顧客をグループで分類します。


分類した顧客は、それぞれニーズやお店へ対しての理解度が変わってくるため、コミュニケーションツールを使って配信する情報を区別します。


ちなみに、RFM分析やCPM分析を機能として持っているレンタルショッピングカートや、CRMツールも多く提供されておりますのでこの部分は、そういったウェブマーケティングツールを利用しましょう。


お客さまとの接触する機会を増やそう


コミュニケーションツールで、購入後はサンクスメールや商品発送連絡、商品到着確認やレビュー促進など、メールを送る理由が存在しますが、この時期を過ぎるとメールを送る絶対的な理由が無くなってしまうためコミュニケーションが薄くなってしまいます。


それでは、*どうやって顧客とのコミュニケーションを行っていくのかと言うと、接触する理由を作ればいいのです。*


例えば、


・来月まで使えるクーポンを発行しました


・新商品入荷しました


・○○様の気に入りそうな商品があります


・一部のお客さまだけにキャンペーンを開催しますので○○様へご連絡しました


特にファンになる角度の高い顧客は、何度も利益をもたらしてくれる顧客であるため、ある程度予算を割いた内容でアプローチしてもよいかと思います。


(※1)RFM分析


顧客の購買行動を「最終購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの指標から分類し、顧客リストを管理すること。それぞれの頭文字を取って、RFM分析と呼ばれています。RFMの結果の数値が高い程優良な顧客と判断される。


例えば、


「最終購買日(Recency)」


・3ヶ月以内の場合には5点


・3~6ヶ月以内の場合には4点


・6~12ヶ月以内の場合には3点


「購買頻度(Frequency)」


・一定期間内に5回以上購入した場合には5点


・一定期間内に3~4回の場合には4点


・一定期間内に2~3回の場合には3点


・一定期間内に1回の場合には1点


「累計購買金額(Monetary)」


・一定期間内に5万円以上購入した場合には5点


・一定期間内に3~5万円未満の場合には4点


・一定期間内に1~3万円未満の場合には3点


・一定期間内に1万円未満の場合には1点


<b>「購買頻度(Frequency)」の点数×「累計購買金額(Monetary)」の点数と「最終購買日(Recency)」のスコアリングで顧客ランクが決定します。


尚、RFM分析は優良ではない顧客を切り捨て効率よく運営を行うという考え。上記の期間や金額、点数の付け方などは、ショップによって異なった数値でよい。


(※2)CPM分析


Customer Portfolio Management(顧客ポートフォリオマネジメント)の頭文字をとってCPM分析と言われています。顧客を10パターンの属性で管理し優良顧客へ育て上げる分析方法。やずやが導入し、飛躍的に売上を伸ばした分析手法。


CPMの顧客属性


※合計購入金額の7万円は客単価10,000円のショップの場合であり(客単価×7)の金額が当てはまります


尚、CPM分析はRFM分析とは異なり、*「顧客を育成する」という考えにもとづいた分析*です。<b>RFM分析で今まで切り捨ててしまっていた顧客をしっかりと優良顧客へ育てる手法のため、RFM分析よりも売上が上がりやすい</b>と言うことでしょう。


また、累積購入金額はショップの顧客単価によって変動しますが、それ以外の数値はどのショップも同じ数値で分析するのが特徴です。


まとめ


わたしはコンサルをしながら「メルマガって迷惑がられるんじゃないの?だから送りたくないよ。」ということをよく言われます。


この時、ファンになりえるであろう顧客は、不思議にもメールマガジンやDM、電話などのコミュニケーションをほとんど嫌がりません。


自分に必要であれば、積極的に情報を探しに行っている方もいらっしゃいますので、商品やお店自体を気に入ればむしろ、「いい話があるのに何で伝えてくれなかったの!?」ということになり得る場合もある位ですので。


ただし、中身が薄かったり、コミュニケーションツールのクオリティが低い場合は、必ずしもその限りではありませんので、その点も考慮してお客さまとコミュニケーションを行ってください。


 また、ECのCRMはメールマーケティングと思われがちですが、今のところメール以外のコミュニケーションツールが発達していないためメールに頼らざる終えない状況です。


顧客 にとって、よりよいコミュニケーション方法があればどんどん試してみることもオリジナリティが生まれ、CRMの一環として顧客育成につながるかと思います。


オススメのマーケティングツール


MakeRepeater


レンタルショッピングカート流通額No1のMakeShopが提供するCRMツール。業界大手のEC運営のノウハウが詰め込まれたマーケティングツール。


低価格から利用可能で、顧客管理にはCPM分析を用いており、自動で顧客を育成して売上を上げられるツール。HTMLメールも無料で利用できるエディタを利用することでHTMLがわからない人でも簡単に作成できるため、店舗ごとに合わせたHTMLメルマガを配信することが可能。


多店舗カートやモールにも一部対応しており、MakeShopで多店舗展開しているショップでも安心して利用できます。


初期費用 無料(キャンペーン中につき)


月額利用料 金30,000円〜(0円プランもあり)


※システムで管理する顧客数によって月額利用料金が変動


Synergy!360


メールマーケティングの大手であるシナジーマーケティング株式会社が提供するCRMツール。


キャンペーンやアンケート、SNS連携などの分析も行うことができるため、メール以外にも施策として実行できるCRMとして幅が広がるマーケティングツール。


初期費用 150,000円


月額利用料 25,000円〜


※システムで管理する顧客数によって月額利用料金が変動


うちでのこづち


EC専用のCRMツール。RFM分析やLTV分析をもとに顧客分析を行い改善施策を実行してくれるマーケティングツール。


対応していないレンタルショッピングカートも存在するため、導入時は確認が必要。


※価格非公開


たまごリピート


CRMカートの代表的存在。CRMツールとショッピングレンタルカートが一体になったツール。定期購入はじめるならまずはたまごリピートに打診を!という立ち位置になっているCRMカート。


初期費用69,800円、月額利用料金49,800円のスタンダードプランの「たまごリピートASP」と初期費用99,800円、月額利用料金79,800円の専用サーバを利用できる「たまごリピートGOLD」の2プラン


から利用できます。


初期費用 69,800円〜


月額利用料 49,800円〜


侍カート


2013年からサービスを提供しはじめた業界的には後発のCRMカート。CRMツールとショッピングレンタルカートが一体になったツール。


初期費用20,000円〜、月額利用料金9,800円〜でショップの用途に合わせた3プランを提供。月額10,000円で定期購入機能を使える料金設定から、LP一体型フォームを月額の利用料金に含めるなど、CRM業界への一石の投じかたはまさに侍。今後も侍カートから目がはなせないでしょう。


初期費用 20,000円〜


月額利用料 9,800円〜