BtoB企業がネットを活用した直販に挑戦するメリットとは?

BtoB企業がネットを活用した直販に挑戦するメリットとは?

Webマーケティング2021.03.31

目次


前後編2回にわたってご紹介している今回の記事のテーマは「FBO」。「Face Book Optimization」の略で、「Facebook最適化」という意味を持つ言葉です。これまでのWebマーケティングの主流は「SEO(Search Engine Optimization)」、つまり「検索エンジン最適化」でした。


しかし近年はFacebookユーザーが世界規模・全世代で拡大し、Googleに代わってFacebookで情報収集をする人が増えてきたため、企業もFacebookに最適化されたマーケティングに注目しているというわけです。


前編ではこうしたFBO勃興の背景について解説してきましたが、後編ではFBOの有効性についての考察と、実際にFBOを実施している企業の実例についてご紹介します。


Facebookでニュースを読む人が急増中


現代のネットユーザーの多くは自分に適した情報を見せてくれるレコメンド機能を持ったメディアを好んでいます。その点でユーザーの属性や行動パターンに合わせて情報を表示するFacebookは圧倒的な支持を得ているわけですが、これに加えてもう一つFacebookの重要性を示すデータがあります。


それは、近年多くの人がソーシャルメディアでニュースを読んでいるということ。アメリカを中心とした人々の意見・傾向を調査するシンクタンク「Pew Research」の最新調査によると、なんとアメリカ人の62%がソーシャルメディアでニュースを読んでいます。さらに、この調査によるとFacebookユーザーのうち3人に2人が、Facebook上でニュースを読んでいるというのです


従来、Facebookをはじめとするソーシャルメディアでは、細分化された趣味趣向を持つ人向けのコンテンツが効果を発揮すると考えられていました。一方ニュースのように一般性の高い情報は、あくまで主要なマスメディアが握るものであるというのが常識でした。ところが、ここに来てニュースのような公共性の高い情報までソーシャルメディアが取り込みつつあるのです。


Facebookへの歩み寄りが必要な理由


全世界、全世代のネットユーザーが「名刺代わり」に、あるいは「趣味のつながりのため」に広く利用しているFacebook。そのユーザーの多くが、ニュースまでもFacebook上で読むようになったということは、もはやネットを使ったマーケティングにおいてFacebookは絶対に無視できないものになったということを意味します。


これからのメディア企業がユーザーからのアクセスを増やすためには、「Facebookで自社コンテンツを閲覧してもらう」ことが欠かせません。そのためには、Facebookのシステムを知り、Facebookに最適化されたコンテンツ展開を行う必要があります。


では、具体的にどのようにFBOを実施すればよいのでしょうか。


Facebookのアルゴリズムに対応するために


SEOがGoogleのアルゴリズムに対して行われてきたように、FBOではFacebookのアルゴリズムに対応する必要があります。ところで2016年に入ってから、Facebookは重要なアルゴリズムの改善を2点発表しました。1つ目は、「ユーザーがモバイルブラウザからFacebookの記事を読んだり、ニュースフィードからクリックされたInstant Articleを読んだりする時間を予測する」というもの。そして2つ目は、「友人や家族の情報を優先的に表示する」というものです。


これらのアップデートは、ユーザーにとって重要度の高い情報を優先的に見せる環境を整えることで、ユーザーのFacebook離れを防ぐ目的で行われていると考えられています。集客メディアとして強大な力を持つようになったからこそ、質の低いコンテンツが増えるのを防ごうとしているともいえます。


逆にいうと、Facebookでコンテンツを配信するメディア企業は、こうしたアルゴリズムに対応していけばよいわけです。たとえば、


・ページ滞在時間が長くなるよう、オリジナル性が高く、「読ませる」記事を増やす


・Facebookに直接アップロードされるオリジナル動画を配信する


といったものです。


FBOに取り組む企業事例


FBOの成功例の一つとして注目されているのが、バイラルサイト「[リトル・シングス(LittleThings)]」です。このメディアは立上げ2年余りで、月間2億8,500PV、ユニークユーザー数は5,000万にのぼります。そして、このトラフィックの3分の4はFacebook経由のものといわれています。


国内のメディアでもFBOに取り組んでいるメディアは多くあります。若い女性向けのメディア「[MERY]」は、以前はFacebookに自社記事へのリンクを投稿していましたが、現在はよりリーチが伸びやすい動画コンテンツをメインで投稿しています。Facebook上で情報を発見し、消費するというユーザー行動に合わせてアプローチ方法を変えていることが予想できます。


まとめ


前後編、2回にわたってご紹介してきたFBOの最新知識、いかがでしたか? 記事でご案内した通り、先進的なメディア企業はFBOを重視したアプローチをしています。日本は海外と比較してまだ遅れている印象がありますが、近い将来にはFacebookによるマーケティングがWebマーケティングの主流となると予測されます。メディア企業のみならず企業アカウントにとってもFBOの重要性は増すことでしょう。そうした流れに取り残されないためにも、引き続きFacebookの動向に注目することは、大きな意味を持つといえると思います。