B to B企業のためのFacebook活用法【事例あり】

B to B企業のためのFacebook活用法【事例あり】

Webマーケティング2021.03.31

目次


今や世界中の人が活用しているFacebookは、企業のマーケティングツールとしても不可欠な存在となりつつあります。とりわけB to C企業では、公式Webサイトと並ぶ重要な「企業の顔」としてFacebookページを活用し、顧客とのコミュニケーションを積極的に図っているケースも多いようです。一方、日本のB to B企業はまだFacebookを使ったマーケティングに対する意識が低く、「企業向けのサービス・商品をFacebookを通じて訴求するのは難しいのではないか」と考えている人も少なくありません。しかし、実際にはFacebookを使ってマーケティング効果を上げているB to B企業も数多くあります。今回の記事では、3つの企業の成功事例を紹介しながら、Facebookの上手な活用法について説明したいと思います。


Facebook活用例(1) MKS Pedal/株式会社三ヶ島製作所


最初にご紹介するのは、三ヶ島製作所。自転車のペダルを主に製造しているB to B企業であり、競輪(MJS)の認定を受けている同社のペダルの性能は世界的に高い評価を得ています。


同社のFacebookページの特徴は、日本のみならず世界の自転車マニアに対して積極的に情報を発信していること。1週間に1回ほどのペースで投稿されるすべての記事は日本語と英語の両方で読めるようになっており、写真・動画を駆使した自転車ペダルの紹介は非常に充実した内容になっています。このため、同社のFacebookページは三ヶ島製作所の取引先のみならず、世界中の自転車ファンから厚い支持を獲得することができており、そのことが同社のビジネスを後押ししているわけです。


このように、Facebookは海外の顧客に対するPRに強いというメリットがあります。すでに海外との取引がある企業、またはこれから海外市場を開拓したいと考えている企業にとって、Facebookページを活用したマーケティングは今後欠かせないものとなるに違いありません。海外のファンも読めるよう英文を併記するなど、ひと手間かけるだけで海外からの注目をぐっと集めやすくなります。


Facebook活用事例(2) シュワルコフプロフェッショナル


続いてご紹介するシュワルツコフプロフェッショナルは、1903年にドイツで創業されたヘア・コスメティックブランドです。現在はドイツのみならず世界中の美容室で評価され、日本でも業界のトップブランドとして浸透しています。


シュワルツコフプロフェッショナルの主な顧客は美容サロンやその経営者、ヘアスタイリスト等。つまり同社はB to B企業ということになりますが、Facebookページを展開しています。インターナショナルアカウントということもありファン数は100万件以上。1~3日に数回更新されており、特に写真の投稿が多いことが特徴となっています。ちなみに、投稿内容は国別にローカライズされています。


このアカウントの特徴は、企業理念の周知や製品紹介といったいわゆる一般的な「広告」の要素が薄いことです。美容現場で働いているヘアスタイリストや経営者等を対象に、ファッショントレンドのシェア、ヘアスタイルの提案、主催イベントの情報、社会活動のPRといった情報を発信することで、美容業界のトレンドを牽引しています。「美容業界情報のプラットフォーム」のようなイメージを確立しているといってもよいでしょう。そして投稿の多くは、オウンドメディアの「シュワルツコフオンライン」への誘導としての役割を果たしています。


同社のFacebookページのポイントは、自社のブランディングにとどまらない「業界全体の啓蒙や活発化」という理念を体現しているところ。SNSではいわゆる「広告らしい広告」や「ストレートな自社のPR」が嫌われる傾向があります。その点、同社のページは「読者にとって有益な情報」と「製品のPR」が非常によいバランスで発信できていると思われます。


Facebook活用例(3) ローズファームケイジ(Rose Farm KEIJI)


最後にご紹介するのは、滋賀県にあるローズファームケイジ。同社はバラ農園を運営しているB to B企業であり、和バラと呼ばれるオリジナル品種のバラを栽培しています。ファン数は6,000名あまりにのぼり、地方のバラ農園としてはかなりの数。ひとつの投稿に対する「いいね!」が数100件にのぼることもあります。


同社のFacebookページでは、農園で栽培しているオリジナルの「和バラ」の知名度アップに向けた投稿が中心。さらに、「和バラアレンジメントのワークショップ」や展示会といったイベントに関する情報発信も積極的に行っており、和バラに関心を持つユーザーにとっては貴重な情報が満載のコンテンツとなっています。


同社はB to B企業ではありますが、エンドコンシューマーである「和バラファン」が増えればそれだけ和バラ市場が広がり、和バラを取り扱いたいと考える小売店も増えることになります。そうした効果を見込み、Facebookページもエンドコンシューマーを意識したものとなっていることがわかります。


たとえB to B企業であっても、生花のように娯楽要素や装飾性の高い商材を取り扱う企業の場合は、Facebookページでエンドコンシューマーに直接訴求することが有効なケースもあります。ローズファームケイジのFacebook活用例は、その好例といえるでしょう。


まとめ


いかがでしたか? 今回紹介した3社はすべてB to B企業ですが、それぞれのビジネスモデルや顧客層に合わせたFacebookページを作ることで、ブランディングや販促に成功しています。どんな広告にも共通することですが、うまくいくFacebookページの秘訣は「ターゲティングをしっかり行い、ターゲットの目線に立ってバランスのよい情報を発信すること」。今回の記事がそのご参考になれば幸いです。