B to B企業によるSNS(Facebook等)の活用状況【後編】

B to B企業によるSNS(Facebook等)の活用状況【後編】

Webマーケティング2021.03.31

目次


 近年、Webマーケティングの世界では「いかにも広告らしい広告」がユーザーに敬遠される傾向にあり、ソーシャルメディアを通じて顧客とつながりを持つことが重視されつつあります。特にB to C企業はFacebook、Twitter等のソーシャルメディアを使ったマーケティングを積極的に推進しており、今や企業がなんらかのソーシャルメディアを使っているのはごく当たり前のこととなりつつあります。


しかしB to B企業においてはまだソーシャルメディアの活用が遅れており、前編でご紹介した通り「企業のWeb担当者330名に聞いたマーケティング実態調査(2015年 ガイアックス)」によるとソーシャルメディアを利用しているB to B企業は全体の68.9%にとどまりました。しかし、現状でこれだけ少ないということは、裏を返せばソーシャルメディア活用の「伸びしろ」はまだまだあるということ。前編では今後期待されるソーシャルメディアとしてLINEを使ったマーケティングの状況について説明しましたが、今回の記事ではこれに続き、Instagram、Pinterestといった比較的新しく登場したソーシャルメディアの活用状況について考察してみたいと思います。


Instagramを活用したB to Bマーケティング


「ソーシャルメディア活用で効果の高かったものを教えてください」という質問に対する回答で、第5位・12.5%を獲得したInstagram。念のために説明しておくと、InstagramとはiPhoneやAndroidから投稿できる写真共有サービスで、写真の見栄えをおしゃれにするフィルタなどが用意されており、若い年齢層を中心に多くの人が利用しています。国内外の芸能人・有名人が多くの画像を投稿していることでも知られ、最新のファッションやデザインに興味を持つ感度の高い人にとって、重要なツールとなりつつあります。


このInstagramがB to B企業に利用されていると聞くと、意外な感じがするかもしれません。しかし、B to B企業の中にもデザイナーやクリエイター、デザインに敏感な人を対象に情報を発信したいという企業はあります。そうした企業にとってはInstagramは他のツールと比べて「差別化」がしやすいといえるでしょう。また、ハッシュタグをうまく利用すれば海外からのアクセスを狙うことも可能ですし、テキストではなく画像がメインであるぶん、海外のユーザーに受け入れられやすいという特性があります。


Pinterestを活用したB to Bマーケティング


Pinterest(ピンタレスト)は比較的新しく登場したソーシャルメディアですが、アンケート調査では9%のB to B企業が「マーケティング上効果があった」と回答しています。日本ではまだ知名度がさほど高くありませんが、実はPinterestはかなりB to B企業に適したツールであるとも言われています。


まずPinterestの特徴について説明しましょう。Pinterestとは一言でいうと「ネット上の画像を自分の"ボード"に"ピン"して集めたり、他の人のボードに張られた画像を"リピン"できるツール」。いわば、画像をブックマークとして集めることができるツールです。集められた画像はスマートフォンの画面に合わせて縦長に配置され、非常に見栄えのよいレイアウトで表示されます。


このPinterest上のコンテンツのうち、実は3分の2以上が企業コンテンツで成り立っているというデータがあります。また、Pinterestの機能はただ画像を見栄え良く表示させるだけではありません。「ピン」に位置情報を加えたり、リンク元記事の見出しや概要を加えたりできますし、さらに「プロダクトピン」を利用すると商品画像にリアルタイムの価格や在庫状況、購入先などの情報を加えることができます。これを活用すれば、商品を販売しているB to B企業にとっても有効なマーケティングツールとなるのは間違いありません。特に、デザイン性を強みとする商品を扱っているなら、Pinterestを使う価値はあるでしょう。


その他のメッセージアプリを活用したB to Bマーケティング


アンケート調査の結果ではSnapchatなど、日本ではあまり一般的ではないメッセージアプリも下位ながらランクインしています。Snapchatは、アメリカで広告配信が開始されるなどビジネス向けの活用が進んでいるといわれています。海外の顧客に商品を販売するB to B企業にとっては、競合が少なくチャンスの大きいツールといえるかもしれません。同じく9%のマーケティング担当者が効果があると答えたWhatAppも、海外市場を視野に入れた活用がなされているのでしょうか。このあたりは、今後の追加調査の結果が待たれるところです。


まとめ


2回にわたってお伝えしてきたB to B企業によるソーシャルメディアの活用状況、いかがでしたでしょうか。まだまだ日本では「企業が使うならFacebookとTwitter」というイメージが強いですが、商品の特性、企業イメージ、顧客層などによりツールを使い分けることで、これまでにない成果を出すことも可能となります。これからは複数のソーシャルメディアを使い分けるマーケティング手法も、より一般的になっていくでしょう。そうした時代に備えて今のうちに各ソーシャルメディアの特性を押さえ、少しずつ試してみてはいかがでしょうか。