導入事例とユーザーの声から読み解く!マーケティングオートメーションツールの特徴【リストファインダー編】

導入事例とユーザーの声から読み解く!マーケティングオートメーションツールの特徴【リストファインダー編】

Webマーケティング2021.03.31

目次


こんにちは。[本気ファクトリー株式会社]代表取締役 畠山和也です。Marketing Bankでは、BtoBマーケティングに関する最新情報やノウハウを連載でご紹介しています。


さまざまなマーケティングオートメーションツールのリアルな情報をお伝えできればと思いこの連載をしていますが、最近は「MAツールはもはや生き残り合戦となっている」ように感じています。2014年がマーケティングオートメーション元年と言われ、2014~2015年当時は国内でMAツールが続々と出てきていました。


しかしその後、「MA」としてリリースしたツールの大半は思ったほど話題にのぼっていないようにも感じます。ツール選定にあたるみなさまにとっては、選択するツールが「開発」「サポート」ともに将来に渡って続けてくれる本気度のあるツールなのか見定める、「目利き力」が求められます。


この記事は、そのようなMAツール選択が必要な皆様のために、世の中に数多くある「機能を軸とした比較表」ではなく、そのツールの生まれた背景、実際に導入を決めた企業の事例等の情報から、そのツールの特徴を掴むためにまとめています。皆様の「選択」に少しでも寄与できれば幸いです。


今回は[株式会社イノベーション]が提供する「[リストファインダー]」について掘り下げてご紹介します。


※本記事の内容は2017/10/16時点の情報です。今回のこの連載は特定のツールを宣伝する目的ではなく、かつツールベンダーに取材して得られた情報ではないことを予めご理解いただき、ご覧ください。


リストファインダーの源流


代表は元リクルートの富田 直人氏で、現時点での中心的事業は「オンラインメディア」と「リストファインダー」の2つのようです。リストファインダーはリリースされた2010年当時、「IPでの企業解析ツール」だったようですが、機能追加によってMAツールに変貌しています。


Webサイトのキャッチコピーや事例を見ると、リストファインダーは徹底して「BtoB特化」の雰囲気がうかがえますが、これは企業の事業領域としてBtoBの支援を行っているため、ツールも同じ方向性になっているようです。そして先日より、いくつかリリースが出ていましたが、導入企業数では1位を獲得しているそうです。


価格


初期費用10万円、月額3万円~


最低利用期間は6ヶ月となっています。


月額費用は月間PV数と登録件数によって変動しますが、これまで紹介したMAツールの中では圧倒的に手頃な価格です。しかし、計測ドメインに追加費用が発生するため、サービス単位で複数のドメインを保有し、すべてを計測する場合は高額になる可能性もあります。


また、オプション料金にはなりますが、「PDF閲覧解析」という面白い機能があります。この機能を利用すると、商品カタログなどのPDFファイルをリストファインダーからWeb上にアップロードできるだけでなく、ユーザーがPDFファイルのどのページをどれくらい見ているかを解析できるそうです。


HTMLで作成されたWebページの解析機能がついているツールはありますが、PDFファイルまで解析できるというのはBtoB企業にとってはありがたいのではないでしょうか。すでにあるカタログや商品説明資料のPDFをすぐにコンテンツとして活用でき、かつ解析もできるので、「紙のコンテンツをHTMLページに作り直す」必要がなくなります。少人数でマーケティングを担当しているような企業にとっては非常に有益でしょう。


ほかのMAツールの場合、コンテンツ作成が足りない場合には「外部から雇う」「コンテンツ制作会社に委託する」などの手段を取るのですが、リストファインダーの場合、パワーポイントで資料作成さえできればWebページが作れるということです。MA活用時にどの企業も悩む「コンテンツ不足」に斜め上のアプローチから攻めているなと感じます。


導入事例から見えてくる共通点


Webサイトのあちこちで「BtoB」と記載があるように、BtoB以外の実績はないようです。Webサイトには「ロゴ」と「事例記事」がありますが、ロゴには、大手企業の社名が見受けられ、事例記事は多くが従業員200名以下の企業が中心でした。導入されている業界に大きな偏りはないようです。


すでにご紹介したNexal 社の調査では「2種類以上のMAを導入している企業では、海外製+国内製の組み合わせ利用が多い」「Marketoとの組み合わせ利用で多いのはListFinder」と記載されていますので、恐らく大手企業や、グローバル展開している企業一部では、海外拠点で海外製MAの導入が進み、日本拠点において小回りがきく安価なMAツールを入れているのではと推測します。


費用が安価でシンプルなため、マーケティングの人的リソースも費用リソースも潤沢ではないBtoB企業なら、MAツールとして候補に入れておきたいツールといえます。しかしながら、BtoC用途は実績がないようですし、機能がシンプルですので、高度なマーケティングを行いたい場合は機能不足なこともあるでしょう。また、BtoCでの膨大な顧客データを対象とすると費用が高額になる場合もあるので、他MAツールと比較した際の価格メリットが薄まってしまいます。


利用中ユーザーの声


私は職業柄、マーケティング担当の方々とお話をすることも多いのですが、リストファインダーに関して以下のような声をよく聞きます。


「BtoBではよく聞くツール。長く使っている企業もいるイメージ」


「安価なので、取り組みやすい金額感」


「色々やり始めるとこのツール単体ではできないので、ほかの高機能ツールに乗り換える必要がでてくる」


「機能がBtoBに寄っているので、使わない機能はほとんどなく、金額とのバランスがちょうどいい」


まとめ


今回はBtoBに特化しているMAツールのリストファインダーをご紹介しました。MAの中では金額で他社を圧倒するレベルなので、マーケティング予算の少ない企業や、高機能ツールを導入しても使いこなすだけのリソースが少ない企業にとってはちょうどいいレベルになりそうです。


最近リリースも増えており、シェアナンバー1のリストファインダーが今後、どのような展開をしていくのか、他ツールの首位奪還はあるのか、気になるところです。


畠山和也  [本気ファクトリー株式会社] 代表取締役<br> ソフトバンク・リクルートで営業現場・新規事業の立ち上げ、ラクスルなどでWEBマーケティングの実務を経験し2014年独立。「固定客をつくる根雪マーケティング」をコンセプトにデジタルマーケティングのコンサルティングを提供。