事例から学ぶ、SNS運用で成功する投稿のコツ【後編】

事例から学ぶ、SNS運用で成功する投稿のコツ【後編】

Webマーケティング2021.03.31

目次


企業のSNS運用者の多くにとって、「結局、どんな投稿内容にすれば効果が出るの?」ということは永遠の課題。試行錯誤を繰り返しているものの、なかなか効果が実感できないという企業も多いと聞きます。


そこで今回、前編・後編の2回にわたって紹介しているのが「SNS運用で成功する投稿のコツ」。前編では理論的な成功法と、企業の成功事例を3つお伝えしました。後編では引き続き、様々な企業の成功事例をひもときたいと思います。


成功するSNSコンテンツ事例(4) 伊藤ハム(Facebook)


次に紹介する事例は、投稿する情報そのものではなく、「情報の発信者」を工夫するというもの。「発信者の顔を見せることで、ユーザーに親しみを持ってもらう」という考え方です。


伊藤ハムがそのためにとった手法は、「ハム課長」というマスコットキャラクターを作り出すこと。SNS上での企業の投稿はどうしてもとっつきにくいものに見えがちですが、ゆるい画風のキャラクターが語りかけているというスタイルにすれば、ユーザーにとって共感しやすくなります。特に日本は世界でもまれに見るキャラクター大国。魅力的なキャラクターひとつで、企業イメージがガラリと変わる可能性もあります。


成功するSNSコンテンツ事例(5) ヒルトン東京(Twitter)


次の事例も、「情報の発信者」に親しみを持たせる手法で成功したコンテンツ。ヒルトン東京のTwitterでは、ホテルコンシェルジュが顧客向けの情報を日々発信しているのですが、そこでポイントとなっているのが「中村&佐藤」と名前を公開していること。名もない「広報担当者」よりも、こちらのほうがぐっと親近感がわきます。


さらにこのTwitterでは非常に口調がフランクで、中村さんが「甘党」を自称するなど、人物像が見えやすいよう文面に工夫を凝らしています。発信している情報そのものにさほど新奇性がなくとも、着実にファンを増やす手段といえるでしょう。


成功するSNSコンテンツ事例(6) ヤマキ株式会社(Facebook)


お次に紹介するのは「だし」などの商品で知られる食品メーカー、ヤマキ。こうした消費者に近い商品がある企業の場合、「ユーザーの五感へダイレクトに訴求するコンテンツ」が使えます。ヤマキがFacebookコンテンツでよく投稿しているのが、自社商品であるめんつゆなどを用いた料理の写真。無条件で食欲がそそられるおいしそうな写真の数々は俗に「メシテロ」とも呼ばれ、食に関心を持つユーザーのハートをわしづかみにしています。


また、同社のFacebookコンテンツの巧いところは、写真だけでなく文章にも力を入れていること。「ふわっと漂うめんつゆ×バターの香り」など、料理の香りや味を想像させ、ユーザーの味覚・嗅覚に訴求する表現はお見事。ファンをとりこにする充実した投稿内容となっています。


成功するSNSコンテンツ事例(7) D.fesense/DADWAY社(Instagram)


ベビー服ブランドD.fesenseは、DADWAY社がプロデュースするベビー服ブランド。赤ちゃん×ベビー服という組み合わせは非常に「絵になる」組み合わせですが、そのビジュアルのパワーを最大限に引き出したSNS展開をしています。


同社が中でも力を入れているのはInstagramによるキャンペーンです。たとえば「子どもに自社のベビー服を着せた写真をとるモニターモデル」を募集し、当選者の子どもたちのかわいい写真をInstagramにアップ。こうした写真を多数掲載することで、幼い子供を持つママたちから圧倒的な注目を集めています。


成功するSNSコンテンツ事例(8) ママスタ(Facebook)


「プチ情報を提供することでアクセスを稼ぎ、ファンをつなぎとめる」というのも、ネットメディアではよく使われる手法の一つ。たとえば、家事・育児についての相談などができるママ専用コミュニティ「ママスタ」も、そうした手法で人気を獲得しています。


ママスタのFacebookでは、若いママが気になりそうな「小ネタ」を精力的にアップしています。たとえば、「スタバのコーヒーの2杯目を100円で飲む裏技」など、日常に密着した情報が満載。また、「知らなきゃ損するスタバの裏技クイズ8選」のように「読まないと損するかも」と思わせてユーザーの目を引きつけるタイトルの付け方も秀逸。ちょっとした小ネタでユーザーの心をつかむ技術がつまった投稿内容となっています。


成功するSNSコンテンツ事例(9) セメダイン(Twitter)


接着剤メーカーのセメダインも、「プチ情報」を活かしたTwitterでアクセスを稼いでいます。特によくできていたのが、2016年10月13日の投稿。「瞬間接着剤がよくつく条件」として「適度な水分」「人肌温度」「張り合わせた後もギューと密着する柔らかい素材」の3つを挙げ、ラストに「つまりこれです」と人差し指と親指をくっつけた写真を掲載。


「プチ情報」を紹介するだけでなく、Twitterらしいウィットにとんだ「オチ」を用意したところに工夫が見られます。ちなみに翌日のTwitterでは「指をはがす方法」についてつぶやかれており、フォロワーとの親密度を深めることに成功。人間の「知りたい欲求」を刺激した、よい投稿内容でした。


まとめ


前編・後編と2回にわたり、効果の出るSNSコンテンツの作り方を実例とともに見てきました。ご覧いただいた通り、SNSマーケティングを成功させるセオリーは一つではなく、企業の持つ商品・サービスの種類や、「ユーザーとの間にどのような関係性を構築したいか」によってやり方は様々。今回の記事で自社のブランディングにつながる手法を見つけ、実践していただければ幸いです。