リスティング広告のメリット・デメリットを解説|仕組みを理解して効率よく運用しよう!

リスティング広告のメリット・デメリットを解説|仕組みを理解して効率よく運用しよう!

Webマーケティング2021.03.31

目次


リスティング広告とは、検索エンジンでキーワードを検索した際に表示されるデジタル広告で、検索連動型広告とも呼ばれています。リスティング広告を運用したいものの、仕組みやメリット・デメリットがよくわからないという方もいるでしょう。


この記事では、リスティング広告の仕組みやメリット・デメリット、運用のコツを解説します。企業でデジタル広告の運用を担当される方は、ぜひ参考にしてください。


リスティング広告とは


リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した際に掲載されるデジタル広告のことです。検索結果の一覧の最上部または最下部に「広告」の文字とともに表示されるのが特徴です。


検索結果に応じて広告が表示されるため「検索連動型広告」とも呼ばれています。なお、日本国内の検索エンジンの9割以上がGoogleとYahoo!がシェアを占めています。


リスティング広告の課金方式は「クリック課金制」が一般的です。クリック課金制は、広告がクリックされるたびに費用が発生する仕組みであり、広告が表示されただけでは費用は発生しません。1クリックあたりの単価は、自社で設定できます。


クリック単価は競合他社との入札制のため、単価が高いほうが広告も表示されやすいです。「1クリックの単価×実際のクリック数」が広告費として請求されます。


リスティング広告の仕組み


リスティング広告は、「入札価格」×「品質スコア」で広告掲載順位が決まります。広告主が自社の広告に対して「1クリックごとにいくら払う」という金額を入札します。入札価格は「上限クリック単価」と呼ばれます。


この上限クリック単価に、品質スコア(品質インデックス)が広告掲載では重要になります。


品質スコアとは、掲載する広告の内容が設定するキーワードと一致しているのか、ユーザーのクリックが高いかを検索エンジンがAI判定で評価したスコアです。この評価は10段階にわけられ、10に近いほど広告ランクが高くなります。


たとえば、あるキーワードを設定した企業が4社いたとします。



品質スコア上限クリック単価広告ランク掲載順位
A社8100円8×100円=8001
B社6120円6×120円=7202
C社2320円2×300円=6403
D社4150円4×150円=6004


広告掲載順位は、広告ランクが高い順に広告が表示されます。4社の中では最も上限クリック単価が高かったのはC社でしたが、品質スコアが一番低かったため掲載順位は3番目となっています。


一方、上限クリック単価が低く設定していたA社は、品質スコアが高く他社より広告ランクが高かったことで、掲載順位が1番という結果になります。


上限クリック単価を高く設定するだけでは掲載順位が高くなる保証はありません。広告のクオリティが高くなければ、いくら入札の金額を上げても掲載順位は低くなる可能性もあります。


リスティング広告を出稿する際は、入札額を上げるだけでなく、広告の品質も上げる工夫が必要です。


リスティング広告の7つのメリット


リスティング広告には出稿から運用、効果までさまざまなメリットがあります。ここでは、リスティング広告がもつ7つのメリットについて解説します。


1.顕在層に広告をアプローチできる


リスティング広告を見るユーザーは、自分で知りたい情報のキーワードを検索しています。すでに興味関心があるユーザーのため、購入に対するモチベーションも高いです。「顕在層」と呼ばれるユーザーへアプローチできるので、コンバージョンへ至りやすいのがリスティング広告のメリットです。


2.すぐに始められいつでもやめられる


リスティング広告の出稿に必要なものは、主に「広告アカウント・キーワード・広告文・説明文・リンク先・入札単価」です。予算とリソースを確保し次第、すぐに始められるのもリスティング広告のメリットです。


また、新聞広告や雑誌広告、チラシなどのマス広告と違い、出稿の停止も簡単です。広告の効果が芳しくないと感じたら、すぐに広告を停止できます。


3.リアルタイムで確認できる


出稿したリスティング広告は、リアルタイムで状況を確認することができます。いくら費用がかかっているのか、クリック数はどれくらいあるのかなどを常に把握することで、臨機応変な対応ができ、より正確に効果を狙えます。デジタル広告の運用ツールを導入すれば、ツール上で分析やレポートを確認できます。


4.SEOより即効性がある


SEO(Search Engine Optimization:検索エンジンへの最適化)は、検索エンジンの自然検索結果からユーザーを流入させる施策です。リスティング広告と比べて費用はかからない分、コンテンツを検索結果の上位に掲載するには時間がかかります。また、狙ったキーワードで必ず効果が得られるかどうかもわかりません。


リスティング広告は、あらかじめ自社で決めておいたキーワードで出稿できます。ターゲティングも可能なので、SEOに比べて効果に即効性があるのがメリットです。


5.効果が可視化できる


リスティング広告は、予算としている広告費用に対して、どのくらいコンバージョンが得られたかを計算することで、費用対効果が算出できます。手動で計算する方法も、分析ツールを使って自動計算する方法もあります。ツールでは広告のクリック数、インプレッション数、クリック単価、コンバージョン率などをデータとして可視化できます。


6.低予算から出稿可能


基本的にリスティング広告は、最低出稿単価が設定されていません。数百円から出稿できるので、スモールスタートで運用したい、デジタル広告の出稿が初めてといった場合にも着手しやすいでしょう。クリック課金型はクリックされない限り費用が発生しません。コストが抑えられる上に手軽に広告を出稿できるのがリスティングのメリットです。


7.PDCAサイクルを回しやすい


リスティング広告は、現状や結果をデータで可視化できます。分析が容易なため、PDCAサイクルも回しやすいのが特徴です。出稿後に得たデータを使い、効果が得られた部分は現状を維持し、効果が低い部分は改善して次に活かします。


リスティング広告の3つのデメリット


メリットが多いリスティング広告ですが、デメリットも存在します。メリットとデメリットを比較して、実際に運用すべきかを検討しましょう。


1.広告の運用に手間がかかる


リスティング広告は、広告出稿の手間や時間はかかりませんが、出稿後の改善や管理が必要です。広告を出稿しただけ終わりではなく、トレンドの動向であったり、売り上げ状況を確認したりして、広告の変更や改善を行います。


自社にリソースや知見が不足している場合は、この手間がデメリットになり得るかもしれません。リソースが切迫している場合は、作業を自動化できるツールを積極的に導入したり、リスティング広告を取り扱う広告代理店への依頼を検討したりするのがよいでしょう。


2.リスティング広告に対する専門知識が必要


リスティング広告の運用の知識やスキルを持つ人がいなければ、いきなり担当に任せても成果は出しづらいでしょう。予算に見合った効果を確実に得るためには、ある程度の専門知識が必要です。


デジタル広告全般の知識や、リスティング広告の管理画面に鳴れている人材が不足している場合は、人材の確保や教育が求められるでしょう。


3.競合が高いキーワードを選ぶとコストがかかる


リスティング広告には、ジャンルや業種関係なくキーワードごとに競合が存在します。そのため、競合するキーワードで出稿するとクリック単価が高くなり予算が肥大することです。


予算の肥大化を防ぐには、競合性の低いキーワード(スモールキーワード)を見つけ出し、広告出稿する必要があります。


リスティング広告を効率よく運用するコツ


リスティング広告の仕組みや特徴、メリット・デメリットを理解したら実際に運用をはじめてみましょう。ここでは、効率よく運用するコツを3つ解説します。実際にリスティング広告をはじめる際の参考にしてください。


品質スコアの改善


リスティング広告の品質スコアが高ければ、単価を下げることができるうえ、広告の掲載順位も高くなります。なお、品質スコアは7以下であると修正が必要です。


品質スコアを向上、維持するにはキーワード・広告文・リンク先がポイントになります。キーワードは広告のタイトルと広告文に含めることをおすすめします。ユーザーはそのキーワードを検索して、広告に辿り着きます。実際にユーザーが検索するであろうキーワードを、広告文の中に自然に入れましょう。


広告文と広告の内容があっているかもポイントです。広告文を読んでクリックしたら、まったく違う内容のページに遷移してしまったら、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。また、過剰な表現をしている誇大広告になっていないかも注意しましょう。


広告にリンクするURLは、正しいものを設定しましょう。リンク切れを起こしてページが表示されない、ページの読み込みに時間がかかりなかなか表示されないという場合もスコアが下がるので気を付けましょう。


キーワードの改善


キーワードがビッグワードの場合、競合が多すぎて自社の広告が掲載されにくくなっている可能性があります。この場合は競合の少ないスモールワードとの組み合わせを検討するとよいでしょう。


また、広告でアピールする商品やサービスとかけ離れたキーワードになっていないかもチェックします。キーワードが広告とずれていると、ターゲットではないユーザーが集まることになります。


リスティング広告の運用では、自社の商品やサービスと、ターゲットユーザーに共通する言葉をキーワードに選ぶことが大切です。


広告を配信する曜日や時間帯を設定する


リスティング広告は、配信する曜日・時間帯・地域などを設定することができます。効果的に配信するには、コンバージョンが取れそうな曜日や時間帯を指定することが重要です。


自社の商品やサービスがビジネスパーソンに向けたものであれば、平日の日中に配信するより、夕方や土日に配信した方が見てもらえやすいです。地方に暮らすユーザーに向けた商品やサービスであれば、都心部よりも地方のエリアに集中して配信されるように設定するとよいでしょう。


まとめ


リスティング広告は、簡単に始められるうえ、短期間で顕在層のアプローチができる広告です。数百円という低予算から始められるうえ、即効性のある効果が得られることも魅力です。


デメリットとして競合性が高く、専門知識を要することがありますが、慣れていくとリスティング広告を最大限の効果を発揮することができます。まずは、失敗してもいいのでPDCAサイクルを意識して、継続した運用を目指しましょう。