昨今、企業におけるWEB活用が盛んであり、社内にWEBマーケティングの専門部署が置かれることも増えてきました。しかし、中には詳しい知識も分からないまま担当者に任命されてしまったという人もいるでしょう。

そこで今回は、新たにWEBマーケティングの担当者になった方へ向けて、基本知識と施策をわかりやすくご紹介していきます。この記事を読めば、今後どう動くべきなのかが見えてくるため、ぜひ参考にしてみてください。

WEBマーケティングとは?

WEBマーケティングはWEB上で商品・サービスの購入や申し込みを促進させるための活動全般を指します。

テレビや雑誌などのマスメディアを通して顧客を呼ぶ集客活動と、来店した顧客に対して商品・サービスを勧める販売活動を、インターネットを活用して行うのがWEBマーケティングとなります。ネットを通して幅広い顧客に対し、自社の商品・サービスをアピールできるのがメリットです。

マーケティングの特徴


WEBマーケティングについて詳しく知る前に、まずはマーケティングについても理解しておかなくてはなりません。マーケティングとは、商品・サービスを大量に、かつ効率的に売っていくための活動全般を指す言葉です。

たとえば、以下の工程で行う活動は全てマーケティングに分類できます。

  1. 市場調査
  2. 商品開発
  3. 製造
  4. 流通
  5. 宣伝
  6. 販売
  7. アフターフォロー

市場調査で多くの人からどんな商品・サービスが求められているのかを調べ、商品・サービスの開発をしていきます。そして企画が練られたら商品を製造し、流通させます。

ただ、そのまま販売してしまうと認知度は低いままで売れなくなってしまう可能性もあるため、宣伝を行ってから販売に入ることが大半です。最後にアフターフォローを行い、より良い商品・サービスを目指します。

WEBマーケティングとデジタルマーケティングとの違い


WEBマーケティングと似ている言葉で、「デジタルマーケティング」があります。デジタルマーケティングとは、ホームページやSNS、アプリなど、デジタルテクノロジーを活用して行うマーケティング方法です。

WEBマーケティングと似ていますが、実際には扱う領域の範囲が異なります。

WEBマーケティングの目的

WEBマーケティングの目的

WEBマーケティングは、WEBサイトが主軸になっているマーケティング方法であることが大きな特徴と言えます。まずは自社サイトのアクセス数を増やし、新たなリード(見込み客)を獲得することがWEBマーケティングの目的です。

そのため、自社が手掛けるWEBコンテンツの内容も充実させ、消費者へ発信するためのオウンドメディアの構築が重視されます。自社のWEBサイト以外にもECサイトやブログなどもWEBマーケティングに含まれます。

デジタルマーケティングとの違い

デジタルマーケティングはWEBマーケティングに比べてより概念が広がっています。WEBサイトへの流入が目的ではなく、マーケティングにデジタルコンテンツやデバイス、デジタルから得られた情報などはすべてデジタルマーケティングに含まれます。

情報というのは、たとえばスマホ・タブレットを通じた消費者の行動履歴や位置情報、IoT商品の利用履歴を用いたデータ活用などです。デジタルマーケティングはより多くのデータを得て蓄積し、分析することで、その人に適した商品・サービスを案内できる確率が高まります。

WEBマーケティングの重要性


1990年代からインターネット、2007年にはApple社のiPhoneによりスマートフォンが普及しました。特にスマートフォンは、2019年時点で保有状況が83.4%と前年に比べて約4%も高くなっており、モバイル端末全体では国民の96.1%はモバイル端末を使用していることが分かります。

こうした中で、「気になったことがあればネットで調べる」行為が当たり前になってきました。

また、現在はBtoC・EC市場も拡大を続けており、2019年の国内電子商取引市場規模(消費者向け電子商取引)は、約19.4兆円で前年より7.65%も増加しています。

2010年から右肩上がりを見せているWEBマーケティングは、多くの顧客から選んでもらうためにも、企業側の取り組みが重要です。

WEBマーケティングに取り組むメリット

企業がWEBマーケティングの取り組みを行った場合、以下のようなメリットが得られます。

  • 広告の配信エリアを問わない(世界中に発信できる)
  • 展開スピードが速い
  • 低予算で始めることができる
  • 細やかなターゲットの絞り込みができる

それぞれのメリットをより詳しく解説していきます。

広告の配信エリアを問わない(世界中に発信できる)


雑誌での広告は基本的に日本全国で販売されますが、広告が届く範囲は国内に限られてしまいます。さらに、地域情報誌ならその地域に限定され、そこに住んでいる人しか得られない情報もあるでしょう。

WEBマーケティングの場合、基本的に日本全国、さらに世界中どこからでも様々な情報を配信できます。広告の配信エリアが問われないということは、これまで企業側が想定していなかったユーザーにもハマる可能性があります。

最初から世界に向けた販売活動なども容易にできる点は、WEBマーケティングのメリットと言えるでしょう。

展開スピードが速い

情報を配信するための展開スピードが速い点は、WEBマーケティングのメリットです。WEBマーケティングを実施する場合、まずは自社サイトの作成や、運用するためのメルマガ・SNSなどを開設する必要があります。

しかし、これらの手段はオフラインで展開されるマーケティング方法に比べ、非常に手軽です。しかもすぐ情報を発信できる状態になれるので、展開スピードが速くなります。

現在はWEBサイトの制作会社なども多いため、利用すれば高品質なサイトをより素早く提供してもらえるでしょう。

低予算で始められる


WEBマーケティングを行う上で、以下の費用がかかると言われています。

  • ホームページ制作費用
  • サーバー費用
  • ドメイン料金(年費)

ホームページ制作費用は制作会社に依頼した時に発生する費用で、質によって異なりますが数十万円で作成可能です。また、サーバー費用は毎月数千円、ドメイン料金は1年間に5,000円未満で抑えられます。

他のマーケティングを利用するとなると、これ以上の費用がかかる可能性が高くなります。WEBマーケティングは低予算で始められ、なおかつ多くの消費者に向けて商品・サービスを紹介できます。

ホームページ制作費用10万円~200万円程度
サーバー費用1,000円程度/月
ドメイン料金(年費)5,000円程度/年

細やかなターゲットの絞り込みができる

WEBマーケティングは多くの人に商品・サービスを紹介できますが、実は細やかなターゲットの絞り込みも可能です。

たとえば、キーワードに地域性の高い言葉を取り入れたり、ロングテールキーワードを使って一定の層に向けての集客ができます。自社が考えるマーケティングの目的に合わせて商品・サービスを売り込める点は、WEBマーケティングならではのメリットです。

このように、WEBマーケティングには様々なメリットが見られます。

WEBマーケティングのメリットを活かしつつ、自社商品・サービスのターゲットに向けて、最適な戦略を立案できるかどうかが成果につながってくるでしょう。

WEBマーケティング戦略の立案

WEBマーケティング戦略の立案

WEBマーケティング戦略を立案する際には、「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」を定めることが重要です。

誰に

自社の商品・サービスを訴求する上で、誰に向けて売り出したいのかを明確にする必要があります。この時に使えるのが、セグメンテーションという方法です。

セグメンテーションとは自社の商品・サービスがどの顧客層が購入・利用しているのかを考慮しつつ、需要や価値などをセグメント(細分化)していきます。

セグメント化したら、次にターゲティングを図って商品・サービスの強みが活きるところを探していき、ターゲットを絞ります。

こうして誰に売り出すかを決めれば、より消費者の姿が明確になり、訴求しやすくなります。

どんな価値を

ターゲットに対して、競合他社よりも自社の商品・サービスを手に取ってもらうためにはどんな価値を与えられるかが重要になります。

ターゲットが考える価値観と、企業側が考える価値観に違いがあれば、せっかくの商品・サービスも意味のないものとなってしまいます。

そのため、商品・サービスの価値を顧客がどのように感じているのか調査・分析していかなくてはなりません。

どのように提供するか

差別化を図るためには、どのように提供するかもポイントとなってきます。自社商品・サービスを認知してもらうための手段を考えましょう。

WEBマーケティングの代表的な取り組み施策


WEBマーケティングにはいくつか主要とされる取り組み施策があります。どのような取り組みがあり、どのような効果が期待できるのか解説していきます。

SEO

SEO対策

SEO(検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからサイトに訪問する人を増やすための取り組み施策です。

たとえば、ユーザーがあるキーワードで検索した際に、上位10件に入った方がアクセス率は高くなります。これは、ユーザーは検索結果の2ページ目、3ページ目までサイトをチェックしないためです。

そのため、自社サイトの表示順位が上がるように、サイト内や外部から調整していくことでPV数アップを狙います。サイト内ではドメイン名変更や、クロール性や情報構造などを加味しながら最適化していきます。

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リスティング広告

リスティング広告


リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を、検索結果の画面に表示させることを言います。

SEOと共に検索エンジンで商品やサービスを探している顧客に向けて、狙い撃ちのような形で広告を表示できるため、高いアクセス数と認知度向上を狙えるでしょう。

ただし、競合他社もリスティング広告を出稿しており、オークション制であるため、固定金額はないものの他者の入札額によっては相場が変化してきます。 

リスティング広告について>>

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングは、主にSNSなどを活用し、情報発信や価値の提供に取り組む施策です。顧客との距離感が近くなるSNSを活用することで、直接コミュニケーションを取れることもメリットと言えます。

ソーシャルメディアマーケティングの目的は、WEBサイトへの集客以外にファンを増やすことも挙げられます。SNSを通じて役立つコンテンツを提供し、そのコンテンツに共感できるユーザーが増えれば自社商品・サービスへのファンも増えていくでしょう。

SNSマーケティングについて>>

SNS広告


SNS広告は、ソーシャルメディアマーケティングとは異なり、各SNSのプラットフォームへ配信するための広告施策です。各SNS広告はどれも同じではなく、それぞれに異なる特徴が見られるため、うまく活用するためにも把握しておきましょう。

Facebook

Facebook

Facebookは実名で登録する必要があり、氏名や年齢、地域、勤め先、趣味・関心に至るまで、登録された情報を元に高精度のターゲティングを可能にしています。

配信先も豊富で、InstagramやMessenger、その他提携するアプリ・WEBサイトへの出航も行えるので、幅広いコンテンツへの出稿が可能です。

ポイントとしては、Facebookを利用するユーザーの年齢層は高めであることを理解しておきましょう。

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Instagram

Instagram

InstagramはFacebook広告と同様に管理画面からキャンペーン設計を行い、さらにFacebookと同じプラットフォームで管理を行える点が非常に魅力的です。利用率が高いのは10代~20代の女性であるため、若い女性に向けた商品・サービスとの相性が良いでしょう。

また、配信場所はフィードと呼ばれる一定の枠内に表示される広告と、ストーリーズと呼ばれるフルスクリーンで表示され、24時間以内に削除される広告の2種類があります。

24時間以内に削除されてしまうため、宣伝効果は期待できないのではないかと思われるかもしれません。しかし、2018年10月時点でデイリーアクティブアカウントの約7割がストーリーズを利用していることが分かっています。つまり、多くのアクティブユーザーが積極的にストーリーズを見てくれているため、認知度向上につながります。

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LINE

LINE

LINEは国内だけで8000万人ものユーザーを抱えるSNSプラットフォームです。他のSNSをやっていないユーザーにもLINE広告ならアプローチしやすいと言えます。

LINEにはTwitterやInstagramのようなシェア・リツイートなどの拡散性は少ないものの、近い存在とコミュニケーションを取り合うために活用されていることからアクティブ数が非常に高く、広告をリーチさせやすいメリットがあります。

また、LINEにはコミュニケーションツール以外にも、「LINE NEWS」や「LINEマンガ」、「LINEポイント」、「LINE BLOG」など、様々なプラットフォームが用意されており、ユーザーをより限定して広告をリーチすることも可能です。

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Twitter

Twitter

TwitterはFacebookのように実名登録は行っていないものの、ユーザーの趣味・関心をメインにターゲティングを行えます。特に10代~30代の若年層はTwitterの利用率が高く、自社商品・サービスによっては広告に目を向けてもらいやすいかもしれません。

配信場所は主に、

  • プロモツイート
  • プロモアカウント
  • プロモトレンド

などが挙げられ、フィードや各セクションに自然な形で表示されます。

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リターゲティング広告


リターゲティング広告とは、ユーザーが過去に閲覧したことがあるWEBページに基づき、離脱後も追跡する形で関連広告を表示させる広告施策を指します。

なぜ一度離脱した後にわざわざ追跡して関連広告を表示させるのかというと、実はWEBサイトを訪れてもほとんどのユーザーは離脱しているためです。

初めて訪れたサイトで商品・サービスを購入するユーザーはほとんどおらず、一度離脱しても追跡して広告表示させることで、もう一度訪れてもらう必要があります。 

リターゲティング広告について>>

ランディングページ最適化


ランディングページ最適化(LPO)とは、ランディングページ(LP)を活用し、CV率(サイトを訪れた人で購入・申し込みにつながった人の割合)を高める目的で行う施策です。制作したLPをそのまま放置するのではなく、よりユーザーが使いやすい形へ改善していきます。

実は一般的なポータルサイトと比較し、LPは直帰率が8割も高いとされています。LPOはそんな直帰率を下げ、最後まで読んでもらうために必要な施策です。

メールマーケティング

メールマーケティングは、ユーザーに対しメールを配信することで来店・購入を促す手法です。この手法で利用されているマーケティングは主に4種類挙げられます。

ステップメール

ユーザーの行動(資料請求や商品購入など)から事前に作成しておいたメールを順番に配信していきます。

リターゲティングメール

ユーザーの行動を追跡しつつ効果的にアプローチしていく方法です。

休眠顧客発掘メール

一度接点が合った顧客に対して有用な情報を提供し、リピーターになってもらうことを目指します。

メールマガジン

販売促進や教育・啓蒙、ファンの育成など、様々な目的にも使えるマーケティング方法です。 

WEBマーケティングに必要な効果測定の基本

WEBマーケティングには様々な施策があり、それに合わせて効果測定・成果指標を行う必要があります。続いては、WEBマーケティングに必要な効果測定について解説していきます。

WEB広告の効果測定と出稿時のポイント

WEB広告を出稿させる場合、まずはターゲットを明確にすることが大切です。ざっくりと「20代女性」と決めるのではなく、「なぜ悩んでいるのか」「どうすれば悩みが解決できるのか」など、設定を細かく決めましょう。

また、広告を出稿する時は成果指標も明確にすることで、目標も見えてきます。効果を測定する際によく活用されているのは、以下の3つです。

  • インプレッション数
  • クリック数
  • コンバージョン数

それぞれの意味を簡単に解説します。

インプレッション数

インプレッション数は広告表示が行われた回数を指しており、この数値が高ければ高いほど、多くのネットユーザーに広告が認知されたと判断できます。認知拡大を目的にしている場合は、インプレッション数が大事な指標となります。

クリック数

クリック数は表示された広告に対してクリックの回数を指します。クリック数が高ければユーザーに興味を持ってもらえる広告であると判断できるでしょう。

コンバージョン数

コンバージョン数はユーザーがサイトを訪れ、商品購入や資料請求などのアクションを行った回数を指します。コンバージョン数を上げることがWEBマーケティングの最終目標となりやすいです。

WEBマーケティング担当者の仕事内容

自社商品・サービスから得られる価値を最大化させることを目的とした、WEBマーケティング担当者の仕事内容をご紹介していきます。

WEBマーケティングは未経験から独学で学べるもの?

WEBマーケティングでは、集客するために何をすればよいかを考え、施策を構築し実行することが求められてきます。最初はほとんどの方が未経験であり、実務の中でも学んでいけるものです。

そのため、WEBマーケティングは独学でも問題なく始められます。業務以外に知識や情報を得たい場合は、WEBマーケティングに関する書籍を読んだり、関連セミナーに参加したりしてみましょう。

特にセミナーは同じくWEBマーケティングについて学ぶ仲間も揃っており、人脈を広げられる場合もあります。

取得しておくとよい資格とは?

WEBマーケティングは施策を構築する以外にも、成果を検証するためのレポート作成や分析も行う必要があります。この時に役立つ資格としておすすめなのが、以下の3つです。

  • マーケティング・ビジネス実務検定
  • ウェブ解析士
  • Google Adwords認定資格

全般知識が得られる「マーケティング・ビジネス実務検定」

マーケティング・ビジネス実務検定
サイト:マーケティング・ビジネス実務検定

マーケティング・ビジネス実務検定は、特定の業種に限らず、幅広いマーケティングの共通知識を学べる検定です。A級・B級・C級の3種類があり、初心者はC級合格を目指して勉強してみましょう。

WEBサイトのアクセス解析など、データ解析力がつく「ウェブ解析士」

ウェブ解析士
サイト:ウェブ解析士

ウェブ解析士はマーケティングで成果を出すための解析スキルを身につけるために設立されたもので、実務に役立ちやすい点がメリットです。無料体験講座も実施されているため、興味がある人はぜひ体験してみてください。

WEB広告に特化した知識が身につく「Google広告の認定資格」

取得可能な認定資格
サイト:Google 広告の認定資格について

Google広告の認定資格はGoogle広告の基礎から各広告の特徴について学べる資格です。
世界共通のテストとなっているため、難易度は高めに設定されているものの、取得しておくとGoogle広告をより効果的に利用できます。

ただし、常に最新の情報にアップデートされていることから、取得して1年で資格が切れてしまうので注意が必要です。 

適切なやり方でWEBマーケティングを取り入れよう


今回は、新たにWEBマーケティングの担当者になった方へ向けて、基本知識と施策をわかりやすくご紹介してきました。

WEBマーケティングはWEBサイトを軸にしつつ、自社商品の購入やサービスへの申し込みを促す活動を指します。インターネットやスマホが普及した現代において、WEBマーケティングの取り組みは企業にとって重要度が高いと言えます。

SEOやリスティング広告、SNS広告など、様々な施策の中からより効果的なものを選択し、効果測定によって検証・分析を行うことでさらなる効果につながるでしょう。

WEBマーケティングを担当するのが初めてでも、実務の中で経験したり、独学で書籍やセミナー、資格取得から学んだりしていけば、プロフェッショナルも目指せます。ぜひWEBマーケティングを実務や独学で覚えていき、会社の軸として活躍していきましょう。