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中国当局が韓国への団体旅行を禁止し、韓国は大打撃 日本のインバウンドへの影響は?

  • 2018年02月05日
  • その他

601_catch.jpg 2017年12月、中国当局が韓国への団体旅行を再び禁止したという報道がありました。中国では2017年3月から韓国への団体旅行が禁止されており、11月に一部解除が報じられたばかりです。

これにより韓国を訪れる中国人旅行者は激減しています。中国当局は、このように他国への渡航に制限をかけることがあり、インバウンド担当者としては目が離せません。日本のインバウンドへの影響も含めて見ていきます。

参照:https://jp.reuters.com/article/southkorea-china-tours-idJPKBN1EE07Y

発端はTHAAD配備による関係悪化

そもそも2017年3月に中国当局が韓国への団体旅行を禁止したのは、韓国が米軍の高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)の配備を決定したことによる中国との関係悪化が原因です。THAADの高性能レーダーで中国の軍事機密が韓国や米軍に把握されてしまうことへの懸念や韓国がアメリカ側についたことへの報復措置と見られています。

11月に団体旅行禁止の一部解除が伝えられ、制限は緩和の方向へ向かうのかと思われましたが、今回再禁止が報じられたという状況です。再禁止の理由は判明していませんが、やはり韓国のTHAAD配備に対する中国側の不満が解消できていないのではないかという見方があります。

この報復措置によって中国から韓国への旅行客は激減しており、シートリップによる国慶節期間の人気海外旅行先ランキングでは、韓国は2016年の1位からトップ10圏外へ転落しました。THAADの配備決定による中国から韓国への報復措置は団体旅行禁止以外にも行われており、THAADの配備場所を提供した韓国ロッテグループの店舗は中国国内ではほぼ営業停止に追い込まれています。

実は日本への団体旅行も制限されている

韓国へ行けない中国人旅行者が増えるのならば、その分日本へ流れてくるのではないかと考えるのは早計です。なぜなら、中国から日本への団体旅行も中国当局から制限するよう通達がされたことがあるからです。

2017年9月中旬、中国当局が地元の旅行会社に対して日本への団体旅行の取り扱いを減らすよう通達したという報道がありました。地元の旅行会社に対する聞き取り取材により「口頭で指導があった」という証言が得られたとのことです。

中国当局はこの件について公にはしておらず制限の理由は不明ですが、10月1日から中国最大の旅行シーズン「国慶節」が控えていたことから、日本への資本流出を懸念したのではと言われています。以前から中国当局は関税の引き上げや海外でのカード利用の報告義務化で日本への資本流出を牽制しており、今回もその流れではないかとの見方が有力です。

なお、日本への団体旅行制限は10月〜12月の3ヶ月との通達を受けた旅行会社もあるようですが、韓国の例のように再度制限がかかる可能性もありますし、自粛ムードが続く可能性もあります。

また日本・韓国以外では、2017年11月のトランプ米大統領訪中を前に北朝鮮への旅行も禁止されています。中国政府にとって旅行の禁止・制限は他国への圧力や牽制のためによく用いられる手段のひとつのようです。

今のところ個人旅行は制限の対象外

韓国の場合も日本の場合も、中国当局によって制限されているのは今のところ団体旅行のみで、個人旅行は対象外となっています。実際に団体旅行がダメならば個人旅行で、と考える中国人旅行者は少なくないようで、日本への団体旅行制限が通達された2017年10月の訪日中国人観光客の数を前年と比較してみると、むしろ30%以上伸びているほどです。

中国からの訪日旅行は他国からに比べると団体ツアーの割合が多いのが特徴ですが、それでも年々個人での旅行の割合が増えてきています。中でもFIT(Foreign Independent Tour)と呼ばれる団体旅行やパッケージツアーを利用しない個人手配の旅行の割合が大きく伸びており、観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2017年10〜12月期の訪日中国人観光客のうち51.0%と半数以上が個人手配の旅行で日本を訪れています(観光・レジャー以外の全目的を含めると58.6%)。2016年の同時期には40.7%だったので、10%以上も増えていることになります。

FITの割合は今後も増えていくと予想され、今後中国からの訪日観光客誘致を考えるならば団体旅行を扱う旅行会社に働きかけるよりも個人で手配しやすい仕組みづくりが重要になってきます。

まとめ:中国当局の動向には今後も注視が必要

日本で暮らしているとピンとこないかもしれませんが、中国では、政府の政治的思惑によって行動が制限されることはよくあることです。今回の団体旅行制限もそのうちのひとつです。

また、今回の措置では個人旅行は対象外となっていますが、今後も対象外なのか、もしくは個人旅行も対象となるのかは分かりません。中国人観光客をターゲットに入れたインバウンドの担当者は、旅行業界だけではなく中国政府の動向にも関心を払う必要があります。

※制作協力:訪日ラボ(https://honichi.com/news/2017/12/28/chinadantai/

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