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インバウンド

人口1人分の収入減は訪日観光客8人で補える!?止まらない人口流出への対応のカギはインバウンドにあり

  • 2017年12月19日
  • その他

583_catch.jpg 都市部に人口が集中する一方で、地方では都市部への人口流出が加速しています。人口が減るということはその地域で生活する人が減るということですから、生活や娯楽のためにその地域で消費される金額が減るということです。

消費の停滞は地域経済の停滞につながります。この損失を補うにはなんとかして人口流出を止めるしかないのでしょうか。

実は「訪日外国人観光客を8人誘致すれば人口が1人減った分の収入減は補える」という興味深い調査結果があります。

人口減少による収入減を補うにはどうしたらいい?

総務省の2015年の家計調査によると、定住人口1人あたりの年間消費額は平均で「約125万円」です。つまり、1人人口が減れば「その地域で消費される金額=地域としての売上」が年間125万円少なくなるということです。
この減った分の損失を補うにはどうしたらよいでしょうか。

一つの考え方としては、「新たに定住人口を増やす」というものがあります。1人転出していった分1人転入してくればプラスマイナスゼロです。

もう一つの考え方は、「人口が減るのを防ぐ」というものです。定住人口が減って地域の消費額が減る前に食い止めようという考え方です。

現在人口が減りつつある地域ではいずれか、もしくは両方のアプローチで工夫をこらした人口流出対策が行われていると思いますが、都市部への人口集中に歯止めがかからないのを見ると効果はいまひとつの様子。また、仮に人口流出が抑えられたとしても、少子高齢化のこのご時世、放っておけば人口は自然に減っていきます。

八方塞がりにも思える状況ですが、実は損失を補う方法は「定住者を増やす・減らさない」だけではなく、「定住者の消費支出が減った分、ほかの方面で消費を拡大する」という選択肢もあるのです。

訪日外国人観光客1人あたりの消費額は17万円以上

「定住者の消費支出が減った分、ほかの方面で消費を拡大する」方法のひとつとして挙げられるのが「インバウンドによる訪日外国人観光客」の誘致です。

2015年の訪日外国人による旅行消費額は約3.5兆円、訪日外国人旅行者の数が約1,974万人ですから、訪日外国人観光客1人あたりの消費金額は「17万6,167円」となります(旅行消費額は観光庁の外国人消費動向調査、旅行者数はJNTOの発表による)。

単純計算で言えば、訪日外国人観光客が1年間に8人訪れて地域でお金を使ってくれれば、定住人口1人が1年で消費する金額125万円をまかなえるということになります。もちろんすべての訪日外国人観光客がこの金額を使うわけではありませんし数字どおりにはいかない面もありますが、1年間に8人観光に来てもらうだけでいいというならば十分現実的な目標と言えそうです。

ちなみに、日本国内の旅行者の1人あたりの消費額は泊りがけで5万0,520円、日帰りで1万5,758円となっています。125万円を消費してもらうには泊りがけの旅行者25人、日帰りの旅行者なら80人が必要な計算です。

インバウンドへの取り組み事例

訪日外国人観光客の誘致には「訪れたい」と思ってもらうための施策が必要です。ここで、観光庁発行の『観光地域づくり事例集2015~日本を元気にする地域の力~』から、いくつかの事例をご紹介します。

浅草寺のある東京都台東区では、外国人観光客の利便性を高めるために観光センターをリニューアルしました。窓口では常時4ヶ国語(日本語・英語・中国語・韓国語)での観光案内を行い、無線LANの提供、外貨両替、観劇や大相撲等のチケット販売も行っています。このリニューアルにより、JNTOから外国人観光客として最高ランクのカテゴリー3に認定されました。

長野県白馬村の白馬五竜観光協会では、2013年から「ムスリムフレンドリープロジェクト」としてイスラム教を信仰している外国人観光客向けに祈祷室や礼拝マット、メッカの方角を示すコンパスの貸し出しや「ハラル」対応を行っています。ホテルが少なく民宿・ペンションが主流の白馬村はベッドを好む欧米人から敬遠されがちでしたが、このプロジェクトにより現地旅行会社との商談会を行うなど実績を上げ始めています。

福岡市では、国際泌尿器科学会のアフターパーティを市内の川端商店街で行いました。国際会議のパーティ会場に商店街が使用されたのは初めてのことです。関係機関と協議の上で公道である商店街をパーティ会場にし、そぞろ歩きをしながら地元の人達が普段食べている料理を食べられたり、伝統文化に触れられたりするようにしました。日本の日常生活を知ってもらう良い機会になったといいます。観光地以外の地域でもインバウンドへの取り組みができるという事例です。

観光による地方創生

都市部への人口集中、少子高齢化というこれからの大きな流れの中で、地域としてできることをインバウンドの視点から考えてみました。

観光庁も「観光は地域の交流人口を拡大させる」として地方創生の大きな柱と位置づけており、関係省庁への仲介などで地域の取り組みを支援する「観光地域づくり相談窓口」も設けられています。

一人の力、一地域の力だけでは大掛かりな施策を行うのはなかなか難しいかもしれませんが、国・関連省庁・地方自治体を巻き込んだ総合戦略も考えてみてはいかがでしょうか。

※制作協力:訪日ラボ(https://honichi.com/news/2017/10/31/chihousouseibyinbound/

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