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インバウンド

中国のITサービス BIG4「BATS」に迫る

  • 2016年11月05日
  • その他

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そもそも「BATS」とは何か

現在、中国では国民のほぼ半数である7.1億人がインターネットを利用しています。 ここ数年の中国国内のインターネット市場の凄まじい進化を「BATS」抜きにして考えることはできません。 「BATS」とは、百度(Baidu/バイドゥ)、阿里巴巴(Alibaba/アリババ)、腾讯(Tencent/テンセント)、新浪(Sina/シナ)の頭文字を取ったものです。「BATS」は中国SNS・EC市場で、それぞれ数億規模のユーザーを有しています。

各社の最初の事業ドメインと元々の代表的なサービスは以下の通りです。「BATS」の日本との関わりについても触れています。

百度(Baidu/バイドゥ)

最初の事業ドメイン:検索エンジン
元々の代表的なサービス:百度検索(中国版のGoogleやYahoo!)
日本との関わり:意外なことに、最初の海外拠点は日本でした。しかし検索エンジン事業自体は2015年3月の時点で日本から撤退しています。ですが、バイドゥは日本市場を諦めたわけではありません。現在はトレンディエンジェルが出演するCMで話題の、スマートフォンの日本語入力アプリ「simeji」が好調です。

阿里巴巴(Alibaba/アリババ)

最初の事業ドメイン:EC 
元々の代表的なサービス:タオバオ(C2Cのネット通販)
日本との関わり:アリババの創業者兼会長のジャック・マー氏は日本のソフトバンクとの関係が深いです。2000年頃にソフトバンクの孫正義氏から200万ドル(約2億円)の投資を受け、これを契機にアリババはビジネスが好転しました。ソフトバンクはアリババの筆頭株主であると同時に、ジャック・マー氏も社外取締役としてソフトバンクの経営に参画しています。

腾讯(Tencent/テンセント)

最初の事業ドメイン:メッセンジャー 
元々の代表的なサービス:QQ(オンラインメッセージサービス)
日本との関わり:2015年7月にテンセントが提供する決済サービスが本格導入されることが決定しました。その名も「WeChat Payment」。購入の際に、店舗に設定されているタブレットのQRコードをWeChat(テンセント社のインスタントメッセンジャーアプリ)をダウンロードしたスマートフォンで読み取るだけで決済可能です。QRコードを用いた決済サービスが日本に初進出したことになります。現在はロフト(特定の店舗のみ)や大丸松坂屋百貨店などで実際に導入されています。

新浪(Sina/シナ)

最初の事業ドメイン:ウェブメディア
元々の代表的なサービス:sina.com(ニュース中心のポータルサイト)
日本との関わり:シナのグループ企業が日本のアライドアーキテクツ株式会社と2016年4月に国内初の販売代理契約を締結しました。これによりWeibo(中国版Twitter)上のインフルエンサーを活用した世界唯一の広告配信プラットフォームのサービスを在日本企業に向けて、提供を開始しています。

アリババ VS テンセント、「BATS」内の激しい競争

それぞれの領域で代表的なサービスを持っている「BATS」ですが、互いに自社の領域を広げようと激しい競争を繰り広げています。特にアリババ VS テンセントの構図が顕著に見られ、各市場でサービス開発や出資を争っています。 各市場でのアリババ、テンセントの展開を見てみましょう。

SNS市場

アリババ:2013年、微博(Weibo:シナの子会社)に30%出資を実施しました。これにより天猫(ティエンマオ:BtoCオンラインショッピングモール)との連携強化を図っています。

テンセント:2011年に微信(WeChat)をリリースしました。元々強みであるスマートフォン領域で展開しています。

EC市場

アリババ:B2Bのアリババドットコム、C2Cの淘宝(タオバオ:掲載商品点数8億点以上、会員数5億人以上のショッピングサイト。)、B2Cの天猫(ティエンマオ:約5万の出店者、中国国内外の約7万のブランドを取り扱うオンラインショッピングモール)を軸に展開しています。淘宝と天猫は、2012年の11月11日に、1日の流通総額191億元(約2500億円)の最高記録を達成し、2012年の年間流通総額は1兆元(19兆円)を突破しました。

テンセント:B2C強化のため京東に25%出資。京東(Jing Dong)は中国のネット通販サイト。2013年の時点の取引総額3,233億元(約5.5兆円)。

決済市場

アリババ:2004年に支付宝(Alipay)をリリース。利用者数は2.4億人、1億人がモバイル決済利用者。決済額は年間約15兆円。市場占有率は72.9%。第3者決済サービスのため、中国版paypalとも呼ばれています。

テンセント:2013年に微信決済(WeChat Payment)をリリース。利用者は2億人を超えています。1万円以下の少額決済に用いられることが多いです。市場占有率17.4%。

次の注目市場は「越境EC」。「BATS」と新興勢力の関係性

このように各市場でしのぎを削り合っているBATS。次なる注目市場は越境ECだと言われています。海淘(ハイタオ:中国で急激に普及しているインターネットショッピングの方法。個人消費者が海外サイトで販売されている商品情報をインターネット上で検索し、それを専門業者に代理で購入依頼して輸入する仕組み)ブームに押されて越境EC市場が盛り上がっており、BATSだけでなく新興勢力も多く参入しています。

依然として競争は激しいものの、アリババが圧勝しているEC市場に対して、越境ECの市場は圧倒的な存在はまだいません。 新興勢力は400を超えおり、ユーザー獲得競争が激しく繰り広げられています。中国のスタートアップの多くはBATSへの売却を現実的なイグジットの手段としており、多くのユーザーを獲得できた企業がBATS傘下に収まるのではないかと目されています。

今後も中国国内で存在感を強めていくであろうBATS。世界最大の人口を誇る中国で圧倒的なシェアを獲得し、収益基盤を安定化させた各社が、市場を広げて世界を席巻するのは、そう遠くない未来かもしれません。

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