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本当にあったマーケティングオートメーションの失敗例「必要な人員、作業工数を確保できていない」

  • 2017年02月28日
  • 営業支援・顧客データ管理

432_catch.jpg 「マーケティングオートメーション元年」と言われた2014年から2年が経ち、マーケテイングオートメーション(MA)というキーワードも当たり前のように使われるようになりましたね。

昨年までは、マーケティングオートメーションツールというと、関東の大手企業を中心にアーリーアダプター層で導入が進んだように筆者は感じていますが、今年は、中小規模や関西圏の企業でも導入が進むことが見込まれます。

成功事例も多く紹介されているマーケティングオートメーションですが、その影にはじつは数々の失敗例もあります。

今回は、その失敗例を一つご紹介したいと思います。
これからマーケティングオートメーションに取り組みたい企業様や、すでに取組中の企業様、また、マーケティングオートメーション関連でビジネスを展開したい方々にとって、マーケティングオートメーションツール導入を成功に導くヒントになれば幸いです。

自動化で「取りこぼし案件」を無くしたかったB社の事例

B社の情報

B社は法人向け、特にある限られた業界(ターゲットは数十社)の製造過程で用いる機械を販売するメーカーです。機械1台が数千万円からカスタマイズのレベルによってはさらに高額になる場合もあります。営業部門では一人一人がいくつかのクライアントを担当しており、定期的にクライアントにお伺いし、ご状況を伺っていました。

「取りこぼし案件」の発生が課題に

営業部門で課題になっていたのが、他社に先を越されてしまった「取りこぼし案件」が目立ってきたという点でした。
ターゲットの業界が盛り上がっていた時期には自社の売上も順調に伸びており、この「取りこぼし案件」に目をつける人はほとんどいませんでした。しかし近年はターゲット業界が成熟してしまい、自社の売上が横ばいとなりました。そこで「取りこぼし案件」が目立つようになってきたわけです。

「取りこぼし案件」はなぜ生まれていたのか

営業マンはなぜ「取りこぼしてしまう」のでしょうか。
最も多い原因は、営業マンの見込み顧客とのコミュニケーション不足でした。すでに競合製品でほぼ確定の状況で急に相見積もりの依頼が来たり、営業が1年ぶりに声をかけたときには別会社と話が進んでいることを知らされたり、営業マンが普段接触していない企業が競合に流れていたのです。

そこで営業部長はマーケティングオートメーションツールの存在を知ります。営業人員が限られているなかで訪問回数を増やすのは難しいため、営業マンが直接コミュニケーションを取らなくてもよい場面をアシストしてくれる「何か」を求めていました。本来はマーケティング部が担当する部分かもしれませんが、社内には該当する部門はありません。そこで営業部長が自ら数社のベンダーのセミナーに参加し、個別に相談もしてみました。そしてそこで見えてきたものがありました。

マーケティングオートメーションツールはその仕組みづくりが大変だと知る

マーケティングオートメーションツールベンダーの話を聞いて2つの感想を持ちました。それは......

「シナリオ設計や見込み顧客データベースの整備には膨大な作業が必要になりそう」
「マーケティングオートメーションは片手間ではできない。専任が必要だ」

というものです。

まず、マーケティングオートメーションツールを導入する場合、自社で保有する見込み顧客の情報はすでにデータ化され、整理されている必要があります。営業マンが個々人で名刺を紙で持っている状態であれば、これを回収してデータ化することはとても大変な作業です(営業が名刺を見せてくれない場面が多いためです)。

データが揃ったとしても、シナリオを設計し、見込み顧客ごとの最適なコミュニケーションを設計するところがまた大変な作業になります。

例えば、これまでは営業がクライアントごとに最適な情報を考え、最適なタイミングで提供するのが通例でした。マーケティングオートメーションツールにその仕事の一部を担わせようとすると、そのツールへ命令する必要があるのです。
つまりこれまで属人的に行ってきたことを整理し、顧客をタイプ別に分け、それぞれに必要なコミュニケーションを考えていくのです。これはとても大変な作業です。

さらに抜け漏れがあっても、ツールは人間と違って臨機応変には対応してくれませんので、事前にあらゆるケースを想定したシナリオ設計が必要です。

これらの作業を営業活動と並行してできるでしょうか。実際にはかなり難しいと思います。だからこそ、営業部長は「専任が必要だ」という感想を持ったわけです。

今回のポイント

今回のケースでは、導入直前に踏みとどまり失敗にはなりませんでしたが、以下のポイントにもし気づけていなければ、失敗していた可能性が高いです。

・ツールを動かすための準備(顧客データの整理、シナリオ設計んど)を甘く考えてはいけない
・マーケティングオートメーションツール運用には専任が必要不可欠

「オートメーション」という言葉を聞くと自動化の夢が広がりがちです。しかしあくまで人間の設計したシナリオに則って自動化するだけですから、そのシナリオを考える作業が必要なことは、少し考えてみれば分かります。また、この作業が大変だからこそ、マーケティングオートメーションツール導入支援サービスを展開する企業があるわけです。

最後に

今回は、マーケティングオートメーションに関して、「人員」「作業工数」ともに甘めに考えていた例でした。
ただし、これは導入前に気づけたので十分です。何より良かったことは、自社の課題を認識し、それを解決するために部長クラスが動いていたことです。マーケティングオートメーションツールは現場寄りだけで話を進めても決裁者の理解を得られなければ動きが鈍くなりますし、中途半端な結果で終わってしまいます。その点、この企業は人の動き方はまずまずの良い例でした。

マーケティングオートメーションツール導入は、会社の中でもインパクトのあるものとなります。しっかりと必要な人員、作業工数などを考えて、導入を検討してください。あくまでツール導入有りきではなく、自社のやるべきことを考えた上でのツール選定が必要になります。

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