PNGとは、画像を保存するときの画像形式(画像ファイルフォーマット)の一つです。画像形式にはいくつかの種類があり、それぞれが得意とする場面は異なります。PNGの特性や画像形式の違いについてよく理解していないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業のデジタル広告を担当する方に向けて、PNGの特徴やメリット・デメリット、ほかの画像形式との使い分けを解説します。広告のクリエイティブを制作する際の参考にしてください。

PNGとは

PNG(ピング)は比較的新しくできた画像形式で、Portable Network Graphicsの略称です。画像を保存すると、拡張子は「.png」と表示されます。フルカラーの約1677万色を反映でき、透過ができるほか、圧縮後に解凍をしても元の画質を保持できるという特徴をもちます。

PNGにはさらに3つの種類があり「PNG-8]「PNG-24」「PNG-32」にわけられます。数字が少ないほどファイルサイズは軽いですが、表現できる色の数も少なくなります。数字が多い方が扱える色の数も多く、ファイルサイズも大きくなります。

バナー広告などの画像でPNGを使う際は、色数やファイルサイズの大きさなども意識してみるとよいでしょう。また、デジタル広告を出稿する媒体によって、扱える画像の形式は異なります。PNGで入稿できるのかどうかも、事前に調べてから制作するようにしましょう。

このほか、JPEGやGIFといった画像形式もあります。一般的には、デジタル広告に風景や人物の写真を用いる場合はJPGを、動きのあるアニメーションを広告に用いる場合はGIFを、企業のロゴやイラストなどを用いる場合はPNGを選択します。

詳しい特徴や他の画像形式との違いは、後ほど詳しく解説します。

拡張子とは

拡張子とは、コンピューターがそのファイルがどの種類かを判別するために必要な文字列です。画像を保存する際ファイル名の最後に表示される「.gif」「.jpg」などが拡張子で、これによって開かれるアプリケーションが変わってきます。PNGの拡張子は「.png」です。

拡張子を手動で書き換えると、保存した形式に合わせていたものが別の情報に書き換えられるため、情報がうまく引き継がれずにバグが発生したり、ファイルが壊れたりする場合があります。画像形式を変更したい場合は、ファイルを一度開いて再度別の画像形式で保存するか、専用の変換ツールを使う必要があります。

PNGの特徴

PNGには可逆圧縮という圧縮方法が採用されています。解凍された画像の画質がもとの画像と同じになるように圧縮される方法です。非可逆圧縮と呼ばれる圧縮方法もあり、解凍後の画質は低下しますが、その分高圧縮が可能で、JPEGはこの圧縮方法が採用されています。

PNGは、ファイル内で何種類の色を使うかによって、さらに8bit、24bit、32bitなどに分かれます。8bitは通常Webサイトのアイコンなどに用いられ、最大256色で表現することができます。24bitはJPEGと同様のフルカラー(約1677万色)を扱うことができ、写真やグラデーションなども表現可能です。32bitは、24bitの特性に加えて、256段階の透明度を記録できます。

PNGのメリット

PNGはフルカラーを表現でき、可逆圧縮をもつため品質のよい画像を保存できます。以下でそのメリットを詳しく解説します。実際にデジタル広告を制作する際の参考にしてください。

データが可逆的に保存できる

可逆圧縮ができるため、ファイルを送る際に圧縮しても、解凍後の画質を保持できます。画像のやりとりを頻繁に行う場合、何度も圧縮するとJPEG形式などでは画質がどんどん低下してしまいます。しかし、PNGの場合はその心配はありません。

透過処理が可能

画像の透過処理とは、通常の画像の色に透過性の情報を追加できる機能を指します。PNGは透明な処理だけでなく半透明などの調整も可能です。たとえば、ロゴなどの画像を重ねているファイルを扱う際に、縁取りの違和感を消し、なじませることができます。透過処理ができるのは32bitの場合ですが、24bitのPNGでも透過性をもたせることは可能です。

透過処理が行えることで、Webサイトでアイコンを使いまわしたい場合にも違和感をなくすことができ、背景が変わる際も柔軟に対応することが可能です。

PNGのデメリット

画質はよいものの、場合によってはPNG形式で保存すると問題が起こることもあるため、デメリットも理解する必要があります。ここではPNGがもつデメリットについて説明します。

ファイルのサイズが大きくなる傾向にある

多くの情報をもつため、PNGのファイルサイズは大きくなる傾向にあります。ファイルのやり取りが頻繁に必要な場合は、送信に時間がかかる可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。また、Webサイトなどで画質が重要でない場所でPNG画像を挿入してしまうと、読み込みのためにサーバーの負荷が大きくなり、反応速度や表示されるまでのラグが長くなってしまいます。

例外として、線画や色数が少ない画像に関しては、JPEG形式よりもサイズが軽く画質がよいこともあります。

比較的新しい形式のため、古いブラウザで表示されないことがある

PNGは、1996年から利用されるようになった新しい画像形式です。そのため、古いブラウザやバージョンアップデートが行われていないシステムを利用しているWebサイトなどでは表示できない可能性があります。

このようなケースはごく稀にしか起こりませんが、通常のWebサイトで表示するときはJPEGにしたり、問題が起こらないように事前に検証したりすることをおすすめします

PNG以外の画像形式

PNG以外にも、さまざまな画像形式があります。それぞれの画像形式の特性を理解し、シーンによって使い分けができるとよいでしょう。

JPEG

JPEGはJoint Photographic Experts Groupの略称で、Webサイトでよく使われている画像形式です。拡張子は種類が多く、「.jpg」・「.JPG」・「.jpeg」などがあります。注意点として、大文字と小文字はWindows環境では区別されませんが、UNIX環境では別物として扱われるので、「.jpg」が使われることが一般的です。

JPEGは不可逆性であり、一度圧縮すると一部のデータが不要な情報として切り捨てられてしまい、解凍後は画質が低下してしまいます。しかし、圧縮率はPNGよりも高くすることができるため、ファイルの送付などに便利という利点もあります。

GIF

GIFはGraphics Interchange Formatの略称で、拡張子は「.gif」です。データ容量を減らすために開発されたフォーマットで、表現できる色の数は256色のみと、PNGなどに比べ少ないです。細かい色の表現が必要になる写真には不向きですが、Webサイトのちょっとしたアイコンなど、色数にこだわらない画像の保存に最適です。

透過性もあり、背景を透過したいときや、画像の切り抜きにも向いています。可逆圧縮もできるため、解凍後の品質は保持できます。

GIF形式の最大の特徴は、アニメーション画像が作成できることです。最近では簡単に無料でGIFのアニメーションを作成できるサービスもたくさんあるため、作りやすくなりました。

ここでは実際にどの画像形式をどのようなときに選べばよいのかをまとめています。明確な基準はないため、臨機応変に拡張子を変えてみることも必要ですが、事前に指標として参考にしてみてください。

PNGがよいとき

24bit以上の場合、フルカラーの写真が保存でき、32bitでは透過色も表現できます。画像のやり取りやWebサイトでの表示を想定せず、画質を保ちたい場合はPNGが向いています。また、透過性の程度を調整できるため、画像の加工を行う際にも向いています。イラストや線画などでPNGはよく利用されています。

デジタル広告でバナーなどを制作する際、自社のロゴマークやキャラクターなどを画像で表現したい場合に適しているといえるでしょう。

JPEGがよいとき

ファイルサイズが軽いため、Webサイトに画像を挿入したいときにJPEG形式は適しています。また、JPEGはPNGと比べてファイルのサイズが軽いので、ファイルの送信など頻繁にあるときは、JPEGがおすすめです。しかし、圧縮を繰り返してしまうと画質が荒くなってしまうため、画質が重視される場面ではPNGのほうが向いています。

デジタル広告では、風景や人物、商品などの写真を用いるときに適しています。

GIFがよいとき

単色のイラストやアニメーションを使いたい場合は、GIFがおすすめです。容量も軽く、アニメーションがつけられるのはGIFのみのため、Webサイトの動的なボタンなどに使う画像はGIFがよいでしょう。

アニメーション広告を制作する場合に適しています。動きのある広告は、静止画やテキストだけの広告にはない訴求力があります。

まとめ

今回はPNG形式について、どのような機能をもつのか、JPEGやGIFとはどう違うのかなどを解説しました。PNGは、JPEGとGIFのよい部分をもち合わせていますが、ファイルサイズが大きいというデメリットもあります。

画像がきれいだからPNGを使い続けるのではなく、サーバーの負荷を軽減するためにJPEGを採用するなど、使い分けることが大切です。今回の内容を参考にして、使用するシーンにあわせて最適な画像形式を選んでみてください。