リスティング広告は自然検索結果の上部に表示することで、特定の商品やサービスに関心を持つ相手へ効果的にアプローチできる広告です。そんなリスティング効果を運用するにあたり、キーワードの選定方法がわからない人は多いのではないでしょうか。

運用し始めたけどなかなか成果が出ていないのは、キーワード選びが適切ではない可能性があります。

そこで今回は、リスティング広告でキーワードが重要になってくる理由や、キーワードの選び方などの基礎知識を解説していきます。この記事を読めば、リスティング広告を運営する上で適切なキーワード選定や出稿が可能となるので、ぜひ参考にしてみてください。

リスティング広告のキーワードとは

リスティング広告のキーワードとは

リスティング広告は、自然検索の結果ページ上部に表示される広告です。検索ユーザーの目に留まりやすく、時間とお金をかけてSEOするよりも即効性があるため、多くの企業で活用されています。

ターゲットに向けて効果的にアプローチできるのが利点ですが、成功するかどうかはキーワード選びが鍵を握ります。まずはリスティング広告のキーワードの重要性や選び方、マッチタイプについて解説します。

リスティング広告のキーワードの重要性

リスティング広告は、検索エンジンに入力されたキーワードと連動して広告が表示される仕組みとなっています。自然検索の結果と関連付けて表示されるため、特定のターゲットに効率よくアプローチできます。

検索ユーザーに向けて広告を表示するためには、一致条件として特定のキーワードを出稿しなければなりません。しかし、出稿したキーワードが検索されないとターゲットに広告が表示されないため、キーワード選定はリスティング広告の効果を大きく左右する要素になります。

キーワードは適当に選ぶのでなく、どんな言葉で検索するのか、ユーザーの検索行動を考えて選んでいく必要があります。ユーザーのことをどれだけ理解しているかが、キーワード選定では問われます。

リスティング広告のキーワード選定の基本

SEOにおいてもキーワードの選定が必要ですが、「1ページに1ワード」が基本です。一方、リスティング広告は1つのキーワードを設定するのではなく、複数のキーワードを「抜けなく漏れなく」設定することがポイントです。

複数のキーワードを設定することで、様々な一致条件に対して柔軟に対応でき、リスティング広告が検索ユーザーに向けて表示されやすくなります。

キーワード候補を知る方法として、Google広告のキーワードプランナーなどの無料で使える関連キーワードツールの活用がおすすめです。

Google広告のキーワードプランナー

ラッコキーワードツール(旧:関連キーワードツール)は、1つのキーワードから派生するサジェストキーワードを取得し、一覧で表示できるWebツールです。さらに、検索ボリュームも把握できるのでキーワード選定に役立ちます。

ラッコキーワードツール

キーワードのマッチタイプについて

リスティング広告は出稿したキーワードと検索されたキーワードが一致した時に表示されるものと思われがちです。しかし、実際には検索されたキーワードに対して、広告が表示される範囲を決定できます。その設定をマッチタイプと呼び、以下の4つのタイプに分かれます。

完全一致

表記方法:[KW1 KW2]
完全一致は、出稿したキーワードと検索語句が完全に一致した時に広告が出るタイプです。キーワードの前後に未設定の語句が入っているとリスティング広告は表示されないので、4つのタイプのうち最も出稿範囲が狭くなります。

そのため、検索ユーザーのニーズを読み間違えると、上手くアプローチできないので注意が必要です。設定したキーワードが全て一致すればいいので、語順が違っていても広告は表示されます。

フレーズ一致

表記方法:”KW1 KW2″
元々は出稿したキーワードと同じ語順の検索語句での検索されることで広告が出るタイプで、出稿範囲は完全一致よりも少し広くなります。マッチタイプの仕様変更により、2021年7月以降は語順に関係なく意味が合っていれば広告の表示対象になりました。

さらに、語順が一緒であれば、キーワードの間に別の語句が入っていても広告が表示されます。たとえば、「長袖 シャツ」で出稿した場合、「レースシャツ 長袖」や「長袖レースシャツ」と検索してもリスティング広告が表示されます。

絞り込み部分一致

表記方法:+KW1 +KW2
絞り込み部分一致とは、出稿したキーワードを含んだ検索語句に対して広告が出るタイプで、キーワードの頭に「+」を付ければ設定できます。

たとえば、キーワードを「+ケーキ +渋谷」に指定すれば、この2つの語句を含んで検索すれば広告は表示されますが、「ケーキ 銀座」と検索しても「渋谷」が抜けているので広告が表示されません。

仕様変更により絞り込み部分一致は廃止され、2021年7月以降は新規で追加できないため注意しましょう。

すでに追加されている絞り込み部分一致キーワードは、新仕様のフレーズ一致と同じ仕様で引き続き機能します。語順が変わることで出稿したキーワードと検索語句の意味が異なると広告の表示対象にならない場合があり、従来の仕様と比べてトラフィックが減る可能性が考えられます。

部分一致

表記方法:KW1 KW2
部分一致とは、出稿したキーワード以外に関連する検索語句に対しても広告が出るタイプです。たとえば、「フィットネスジム 東京」で出稿した場合、「スポーツジム 東京」でもリスティング広告が表示されます。

関連する語句以外に類義語や直近の検索内容も含んでおり、さらにキーワードの語順と間の語句も問わず表示対象となるので、4つのタイプの中では最も出稿範囲が広いのが特徴です。

キーワードの一部単語に絞り込み部分一致を適用させることが可能でしたが、仕様変更により併用できません。すでに併用して追加されたキーワードには部分一致の拡張が適用されなくなり、どちらの語句もフレーズ一致と同じ仕様でリスティング広告の表示が適用されます。

リスティング広告のキーワードの設定手順

ただ関連するキーワードを設定しても、ユーザーが検索するとは限りません。リスティング広告のトラフィックを増やして本来の効果を得るためにも、ここからはキーワードの設定方法を順番にご紹介します。

軸となるキーワードを決める

まずはリスティング広告の軸となるキーワードから決めていきます。軸となるキーワードとは、単体で検索される可能性があるキーワードのことです。

たとえば社名やブランド名、商品名などの固有名詞、商品やサービスが属するカテゴリーなどやや広い範囲のキーワードが該当します。リスティング広告により宣伝したいキーワードが、一般的にどのような単語で検索されるのか考えると選定しやすいでしょう。

ただし、商品やサービスの知名度が低い場合は、固有名詞よりも商品が属するカテゴリー名をキーワードにした方が良いでしょう。

また、軸となるキーワードの類義語も調べておくと有効です。検索ユーザーによっては類義語で検索しているケースも多いので、検索される可能性があるキーワードは可能な限り多く洗い出しておきましょう。

キーワードプランナーで確認する

キーワードプランナーの使い方

キーワードプランナーでは、1つのキーワードから関連する語句や指定URL先からキーワードを取得し、リストアップできます。そのため、軸となるキーワードから掛け合わせる語句の選定まで活用できます。

また、リストアップしたキーワードと一緒に、検索ボリューム・競合性・推奨入札単価の3つの指数も確認できます。

検索ボリューム

検索ボリュームは、各キーワードが1ヶ月のうちに何回検索されたか、平均値が分かる指標です。検索ボリューム数が多いキーワードはビックワード、少ないキーワードはスモールワードと呼びます。

ビッグワードはその語句で多くのユーザーが検索に使っていることが分かり、ニーズが高いと言えるでしょう。しかし、広告内容とユーザーが必ずしも一致するとは限りません。逆にスモールワードは検索数が少ないキーワードなので、広告とユーザーのマッチ率は高めです。

ただし、ニッチでニーズの低いキーワードとなるため、多くのユーザーを集客したい時には不向きです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、どちらの方が戦略的に有利なのか考えてキーワードを選定していきましょう。

競合性

自社サイトの競合サイトがどれだけあるのか視覚化した指標です。リストアップしたキーワードでどれだけの広告主が出稿しているのか、またどれだけの予算をかけているのかといった要素から算出しています。

競合性が高いということは、広告費を支払っても出稿しているライバルが多いことが分かり、それだけ集客に期待できるキーワードと判断できます。その分、ライバルも多くなりますが、広告は費用や競合性によって掲載順位は変動するので競合性が高いからといって上位に表示されないわけではありません。

推奨入札単価

リスティング広告は入札式となっており、クリック数に応じて費用が発生します。そして、1回のクリックで発生する費用の上限を入札単価と呼びます。

キーワードプランナーでは、キーワードごとに推奨される入札単価の表示が可能です。一般的にどれだけの入札単価が設定されているのか目安を把握できるので、予算や設定の参考になります。

マッチタイプを設定する

マッチタイプはどの範囲まで広告を表示させるのか決めるための設定であるため、リスティング広告の出稿では重要な要素です。それぞれの性質を知り、戦略に合わせて設定していきましょう。

たとえば、ピンポイントで集客したい時や予算が限られている時は、完全一致が適しています。ただし、想定していないキーワードで検索したユーザーにはアプローチがかけられないデメリットもあります。

より範囲を広げたい時はフレーズ一致が最適です。ある程度は範囲が限定されるので、部分一致と比べてターゲットユーザーにリスティング広告を配信しやすいのがメリットです。

ただし、仕様の変更により広告が表示される対象が増えたため、広告とユーザーのマッチ率は下がる可能性があります。それでもクリック率やコンバージョン率の上昇には期待できるでしょう。

除外キーワードを設定する

候補のキーワードの中には、自社のリスティング広告にふさわしくないキーワードも含まれているので除外する必要があります。

たとえば、「バッグ グッチ」や「バッグ エルメス」など、商品とブランド・メーカー名で掛け合わせたキーワードがリストにあったとします。このようなキーワードで検索されている場合、他社商品を購入したり、広告をクリックしたりするユーザーはまずいないでしょう。

検索ボリューム数が多くても、自社のリスティング広告のキーワードとしては的外れとなり成果に結びつきません。競合他社以外にもネガティブワードや広告とは無関係なキーワードは除外の対象です。

ユーザーがどういう意図や目的で検索しているのか理解し、不適切なキーワードを排除していきましょう。

入札単価のチェックも必要

候補キーワードの入札単価を確認することで、単価が高いキーワードと低いキーワードが分かります。入札単価の高いキーワードは集客のニーズがあり、多くの広告主が予算をかけていると判断できます。

ただし、競合性や入札単価が高く検索ニーズの高いキーワードであっても、サイトとユーザーのマッチ率が低いと、想定していた成果に至らないこともあります。

ライバルが多いキーワードだと上位の自分のリスティング広告を表示させるためには、高い広告費をかけなければならず、単価の高騰で費用対効果が釣り合わなくなる可能性も高くなります。そうならないためにも、予算と入札単価のバランスも考えてニーズのあるキーワードを精査していきましょう。

予算に応じたキーワード設定の考え方

入札式のリスティング広告は運用にコストがかかるので、予算を決めておく必要があります。毎月の予算が多いほど狙えるキーワードも増えますが、リスティング広告にかけられる予算は人それぞれ異なります。

無理なく運用していくためにも、予算と目的に応じてキーワード選定を行うことが重要です。

指名系や業界キーワード

月の予算が30万円以下となる場合は、指名系+業界キーワードでの出稿が最適です。

指定系キーワードとは、社名やブランド名、サービス名など会社を示すキーワードのことで、リスティング広告においては特にユーザーからの反応が良好です。業界キーワードとは、ユーザーがすぐにでも検索と行動を起こそうとするキーワードを指します。

たとえば、「新宿 レストラン 予約」や「新宿 ファミレス 営業時間」というキーワードなら、新宿で食事がしたくて検索しているユーザーを想定できます。つまり、業界キーワードではすでに行動を意思決定している顕在層をターゲットにアプローチできます。

予算30万円で運用するのであれば、ターゲットはすぐ成果に結びつきやすい顕在層に効果的なキーワードを設定すると良いでしょう。

業界キーワードの興味・関心

月の予算を31万円以上にすると、指名系+業界キーワードに加えて業界キーワードの興味や関心にまで広げられます。

興味・関心のキーワードは今すぐに実行する予定ではないものの、近々実行しそうなキーワードを指します。飲食店で例えると「新宿 ランチ 値段」や「新宿 フレンチ 口コミ」などのキーワードは、食事の予定は立っていないけど興味や関心を持っている準顕在層ユーザーへのアプローチに最適です。

情報を求めているユーザーなので、リスティング広告の内容と条件がマッチすればコンバージョンにつながります。予算を31万円以上にできるのであれば、顕在層と準顕在層の両方を狙えるキーワードを設定してみてください。

近しい業界のキーワードを狙う

毎月の予算を50万円以上にできる場合は、上記2つのキーワードに加えて近しい業界のキーワードも狙えます。

近しい業界のキーワードでのターゲットは、情報次第でコンバージョンにつながる可能性のある潜在層です。たとえば、飲食店がリスティング広告で近しい業界キーワードとして、「新宿 デート」・「新宿 接待」などの語句を設定したとします。

ユーザーは特に食事を目的に検索したわけではなくとも、リスティング広告の情報が魅力的に感じれば、予約や来店につながる可能性があるでしょう。予算50万円以上にもなれば広告費にも余裕があるので、顕在層から潜在層まで包括的にアプローチできるキーワードを選定できます。

リスティング広告のキーワード設定は慎重に

リスティング広告は自然検索の結果と馴染みやすく、ユーザーの検索ニーズとも合っているケースが多いため成果につながりやすい広告です。上手く効果を発揮させるためにもユーザーの検索意図や行動を理解し、抜けなく漏れなく適切なキーワードを設定していきましょう。

選定では始めからキーワードを絞り込む必要はありません。キーワードプランナーなどを活用して幅広く候補を抽出し、検索ボリュームや競合性、入札単価、予算などに配慮して決めることが重要です。
また、ターゲットに向けて広告が表示されるように、戦略に合わせてマッチタイプも決めていきましょう。リスティング広告のキーワードは削除も追加も可能なので、定期的な見直しも必要です。上手くキーワード選定ができないと悩んでいる時は、リスティング広告の専門家に相談してアドバイスを受けるのも良いでしょう。