ディスプレイ広告で広告を入稿する際には、バナーの画像を入稿するのが基本です。バナーに使われる画像形式の多くはJPEGとJPGです。この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、広告運用者が知るべき画像形式について解説します。インターネット画像の90%以上が「JPEG」「PNG」「GIF」で構成されているため、広告担当者は知識として覚えておくことをおすすめします。

冒頭のJPEGについての解説でしっかりと理解することで、その後に続く「デジタル広告で画像を作成するときのポイント」を実践に役立てられます。ぜひ参考にしてください。

JPEGとは?

JPEGは静止画画像の圧縮形式の1つです。正式名称は「Joint Photographic Experts Group」で、一般的には「ジェイペグ」と呼ばれます。写真などの自然画像の記録に向いています。1994年に登場した規格で、BMPより容量が軽く、GIFよりも色数が多いのがJPEGです。

デジタル広告では、バナーやロゴなどの作成に使われています。広告を出稿する媒体の入稿規定もJPEGに対応しているところは多いです。

以下では、JPEGの詳しい特徴を解説します。

拡張子について

ファイル名の末尾に「.jpeg」とついている場合、そのファイルはJPEG形式のデータであるとわかります。「.jpeg」のような文字列は拡張子とよばれ、ファイルの種類を区別するために使われています。たとえば、PDFファイルは「.pdf」、wordファイルは「.doc」、音楽ファイルは「.mp3」です。

バナー制作においては、JPEG形式の画像を使用することが多いため、「.jpeg」は一番よく使われる拡張子といえます。画像形式としては、JPEG以外にもPNGやGIFがあります。これらについても後述します。

JPEGの特徴

画像ファイルの多くはJPEG形式で保存されているため、仕事や趣味で画像を扱う人はもちろん、一般の人にも「JPEG」という用語はよく知られています。

JPEG形式の保存時には、画像サイズを50%~70%縮小する「非可逆圧縮」が行われます。例えば、デジタルカメラで風景や人物を撮影した際に、人間の目では判別しにくい部分の情報を大幅に減らして最適化します。容量を抑えられる反面、保存のたびに劣化するため、元の画像データを残しておくことをおすすめします。

JPEGとJPGの違い

「JPEG」と「JPG」の違いは表記のみで、機能や利用方法などは同じです。両者とも頻繁に使われているため、なぜ2種類の表記が存在するのかを理解しておくとよいでしょう。

なぜ2つの表記が存在するのか?

2通りの表記が存在する理由は1980年代までさかのぼります。1980年代に普及していたMS-DOSというOSでは、ファイルの拡張子は3文字までという制限がありました。そのため、MS-DOSの流れを引き継いでいるWindowsにおいては、ファイルの拡張子を「.jpg」と3文字であらわす習慣が残っていました。しかし、現在使われているWindowsのバージョンにおいては拡張子の文字数制限はなく、「jpeg」と表記されるようになりました。どちらも同じ画像形式を意味するものとして、現在に至るまで両方が使われています。

機能的にはJPEGもJPGのどちらも同じであり、データを扱う上で問題はありません。しかし、入稿の際に、ファイル格納先の拡張子の名前が違うとエラーになる場合があります。JPEG形式の画像データを扱う際には、「.jpeg」と「.jpg」のうち、どちらの拡張子が使われているのかを必ず確認しましょう。

JPEGのメリット

JPEGは、もっとも多く使われている画像形式です。なぜそのように多く使われているのかを、メリットの面から解説します。

高画質で保存ができる

JPEG形式のメリットは、1677万色のフルカラーの画像で、繊細なグラデーションや自然色を再現できることです。再現性が高いことから、人物や風景写真に向いています。また、高画質の状態での保存も可能であるため、写真を印刷する場合などにも適しています。

容量を小さくして保存もできる

JPEG形式は、高画質のままで保存すると大容量になりますが、圧縮することで、小さい容量で保存することもできます。画質にはこだわらずに大量の画像データを保存したい場合などに役立つといえるでしょう。ただし、JPEG形式は、いったん圧縮をして小さいサイズで保存をすると、元の高画質のデータに戻すことはできません。この点については、デメリットとして後述します。

汎用性が高い

JPEG形式の画像は、パソコンやスマートフォン、タブレット、デジタルカメラなど、機器を選ばずに扱えるのも大きなメリットです。さらに、ほとんどの画像編集ソフトに対応しているため、編集がしやすいのもメリットといえるでしょう。

JPEGのデメリット

さまざまな用途で使用頻度の高いJPEG形式ですが、デメリットもあります。ここでは、JPEG形式のデメリットについて解説します。画像データとしてJPEG形式のものを扱う際の注意点として参考にしてください。

保存により劣化する

JPEG形式のデメリットは、画像の圧縮を繰り返すと劣化していくことです。圧縮が1回だけであれば高画質を維持できますが、サイズを変更するリサイズ保存や上書き保存を繰り返し行うと画像が劣化します。また、劣化にともない、白飛び、黒潰れ、ホワイトバランスの調整幅が狭いといった現象が起きる場合もあります。

元に戻せない点を考慮して、JPEG形式の画像については、オリジナルの画像データを保存しておくことをおすすめします。

圧縮をすると元に戻せない

JPEG形式のデータの保存においては、容量を小さくするために、肉眼では判別できない程度に不要なデータを削除します。そのため、いったん容量を圧縮したデータは、元の画質に戻すことはできません。このような圧縮方式を非可逆圧縮といいます。

なお、JPEG以外の画像形式であるPNGやGIFは、元の画質に戻せる可逆圧縮方式です。

デジタル広告で画像を作成するときのポイント

一般的によく使われているJPEG形式について理解したうえで、ここからはデジタル広告において画像を作成する際のポイントを解説します。

デジタル広告に使われる画像は、おもに「JPEG」「PNG」「GIF」の3種類です。JPEGについては先述のとおり、人や風景などの繊細な画像に適しています。自然物の画像作成にはJPEGを使うのが基本といえるでしょう。

「PNG」「GIF」については、以下でくわしく解説します。

図やイラスト向けのPNG

PNGは、図やイラストなどの保存に適しています。背景を透明にできるという特徴があり、概要図やイラストレーターの制作物などに使われることが多い画像形式です。また、境界がはっきりしたロゴ画像やグラデーションなどにも使われています。

JPEGの場合は保存すると劣化して画像が荒くなるため、特に図やイラストなどはPNGで保存するのがおすすめです。

動的画像に使われるGIF

JPEGやPNGが静止画像のファイル形式であるのに対して、GIFは動的画像の形式です。PNGと同様に背景を透明にできるという特徴があります。静止画では表現できない動きやストーリー性を表現したい場合に用いられます。

アニメーション画像を入れた広告を作成したい場合には、GIFの拡張子を使用します。ただし、YDAではGIF形式のアニメーション画像の登録は終了しており、GDNのみが対象です。

画像のファイル形式の使い分け

GoogleやYahoo!のレスポンシブ広告やバナーの容量は、150KB以内という規定があります。広告において150KBという数値は、気を付けていないとすぐにオーバーしてしまう数値であるため、広告担当者は画像ファイルの容量について理解をしておかなければなりません。

特にPNG形式は容量オーバーになりやすいため、注意が必要です。PNG形式で制作したものが150KB以上になり、審査に落ちてしまった場合には、画像を圧縮して容量を小さくできるJPEG形式に変更するとよいでしょう。JPEGは保存により画像が劣化しますが、PNGからJPEGへの変換については、肉眼で判別できるほどではありません。

画像形式の使い分けとしては、静止画を使う場合に色が多ければJPEG、色が少なければPNG、アニメーションを含めた広告制作にはGIFを利用するのが一般的です。

各広告の出稿先には、必ず入稿規定が設定されています。既定の中に対応可能な形式や容量、サイズなどが記載されているので、よく確認してから広告を制作しましょう。

まとめ

デジタル広告の担当者が、画像の形式について知っておくべきポイントは3つです。

1つは写真などの自然物をバナーにする際は「JPEG」、図の作成の際は「PNG」、アニメーションを利用する際は「GIF」を使用します。JPEGは画像の圧縮が可能であるため、PNGで容量が大きすぎる場合などには、変更をするとよいでしょう。

2つ目はPEGは保存のたびに劣化します。上書き保存やリサイズを繰り返すと劣化が進み、画像が荒くなる可能性があります。編集を行う際には、必ず元画像を保存しておきましょう。

そして、最後は動的画像の形式であるGIF画像に対応しているのは、現時点ではGDNのみです。YDAは2019年に対応が終了しているため、GIF画像形式によるアニメーションを含む広告の出稿はできません。

デジタル広告において画像は重要な役割をもっています。広告を制作する際には、さまざまな画像形式のなかから、自社の広告にあうものを選ばなければなりません。どの形式が適切であるかを判断するために、画像形式についての知識を身につけましょう。