SNSが発達したことで、企業のマーケティング展開は自社サイトだけではもはや力不足になりました。情報の発信はもちろん、ユーザーとのコミュニケーションや宣伝活動などあらゆる企業活動においてSNSは欠かせないツールです。そこで、今回はSNSの中でも尖った方向に成長したInstagramに焦点を当てて、それを用いたマーケティング戦略について解説していきます。

他のSNSとの比較でみるInstagram

Instagramの他だとFacebookやTwitterなどが有名です。それぞれで違う特徴があり、アカウント名が自由設定できる点やタイムライン表示、フォロー承認制といった基本的な仕様はTwitterと似ています。文章メインの他2種とは違い、Instagramは写真に特化したSNSです。ユーザーの増加率で見るとInstagramは最も高い成長速度を誇ったSNSと言えます。全世界で見ると月ごとのアクティブユーザー数は4億人もおり、これはTwitterよりも多い数字です。ユーザーは若い世代が多く、10代から30代の割合が高めとなっています。スマートフォンユーザーが非常に多く、女性の利用者割合が他のSNSに比べてとても多いのが特徴です。写真投稿は他のSNSでも可能ですが、Instagramでしかできない表現もあります。例えば写真のフィルタリング機能ですが、これはスマートフォンで撮影したものを専用アプリで色彩やコントラストを調整するものです。

Instagramをマーケティングで活かすために

写真に特化しているSNSなため、ビジュアル重視でのクリエイティブな戦略が必須となります。その特性上、写真からの視覚情報がそのままブランドイメージに直結するのです。写真に求められる要素はブランドイメージの向上、世界観の共有、広告効果などです。つまり、何を目的としているかやターゲット層はどの層なのかを明確にした写真である必要があります。また、文字主体ではなく写真主体なので、企業などの公式アカウントでは方針にブレのない一貫したテーマ性が求められます。

Instagramのマーケティングにおける注意点

Instagramの仕様はTwitterと似ている部分が多いですが、マーケティングに利用する上では大きな違いが出てきます。Twitterとの一番の違いは拡散性の乏しさです。知名度のない一般人や会社などはフォロワーを増やすことが難しく、増やすためには外部からの誘導が必須となってきます。そして仮にフォロワーが増えたとしても、公開範囲がフォロワーとその関係者のみになってしまうので、広範囲の宣伝効果はさほど望めません。TwitterもInstagramも検索機能やハッシュタグで目当てのものを探す機能が充実していますが、Instagramには分析機能がありません。また、目の肥えたユーザーの興味関心を引くためにはクリエイティブ性の高いコンテンツが必要であり、専任のチームや組織運営などを想定すると高コスト化が予想されます。

Instagramでの広告配信と注意点

一部の大手企業に限り2015年5月からInstagramでの広告配信が開始されていましたが、同年10月よりセルフサーブ型広告が解禁となり、これにより全ての企業で広告配信が可能になりました。Instagramの広告には3種類あり、リンク型とアプリインストール型と動画型がそれに当たります。課金形態やターゲット機能などの主な仕様はFacebookと同様です。Facebookで用いられているターゲティング機能をそのまま利用でき、地域や年齢、職業といった細かいユーザー情報を用途に合わせて細かく設定することが可能となっています。それ以外にも趣味や関心をジャンル別にしたり、誕生日やお祭りといったイベントごとのターゲティングをしたりも可能です。広告画像を画面いっぱいに表示することで印象に残りやすくすることが可能で、iTunesStoreやApplestoreへのリンク誘導もスムーズです。しかし、露骨な広告は一般的には嫌われます。画面いっぱいに表示するのは確かに印象に残りますが、それは悪い意味でも残りやすいのです。つまり、広告らしさを感じさせない工夫が必要なのです。そのためには一瞬でその広告の意図を伝える必要があり、ユーザー目線で共感しやすいものが求められます。

より効果的な写真構図

文字ではなく写真でイメージを伝えることがメインなので、より高いセンスを求められるのがInstagram広告の特徴です。しかし、意識すべきポイントはいくつかテンプレート化されています。まずはテーマ性です。正方形を意識し、色調や構図で統一感を出すことでわかりやすく印象に残りやすいものにするといった手法は基本となるものです。具体的でわかりやすい例だとクロースアップ手法(中央の対象のみにピントを合わせる)や三分割構図(画像を縦横で3×3に分割し、線のクロスする部分に被写体を置く)、放射線構図(画面の1点に被写体のラインを集める)、S字構図(前後にS字になるように配置して奥行きを出す)やC字構図(食器などを一部カットして写すことで広がりを出す)などがあります。これらの手法はとても種類が多いため、真似すれば比較的容易にセンスのいい写真を撮影することも可能です。

まとめ

Instagramは正しく利用することでマーケティングに大きく貢献できるのは間違いありません。しかし、画像のみで意図を伝えなければならない難しさや拡散性の乏しさといった注意点があるのも事実です。そういった点を鑑みると、多くの人に見てもらうための土台作りと共感してもらうためのセンスの両立ができて初めて効果的なツールと言えるでしょう。