Facebook広告を出稿した場合、消費税はいくらかかるのでしょうか。そもそもデジタル広告は課税の対象なのか、よくわからないという人も多いでしょう。

この記事では、企業のデジタル広告担当の方に向けて、Facebook広告の費用に対する消費税について解説します。課税対象の有無や、Facebook広告の料金形態も解説するので、ぜひ参考にしてください。

ただし、税務や法律に関する不明点については、運営のFacebook自体もアドバイスできない内容です。自社の税務や経理に関わる詳細については、税理士や税務署へ問い合わせることをおすすめします。

Facebook広告の費用は消費税の課税対象になるか?

Facebookは世界中で利用されているSNSです。2019年の時点における、世界の月間アクティブユーザーは23億人を突破しており、日本国内だけでも2,600万人の月間アクティブユーザーがいます。FacebookやInstagram、Messenger、Audience Networkに配信できるのが、Facebook広告です。

Facebook広告は、かつて国内の取引ではなく、海外の取引に該当したため消費税の課税対象ではありませんでした。

しかし日本の法律が改正し、2015年10月1日からは、海外の企業から得るサービスに対しても消費税がかかることになりました。そのため、現在はFacebook広告も消費税が課税される対象となっています。

そもそも消費税とは、「サービス提供が行われた場所が国内の場合は課税の対象となる」のが原則です。Yahoo!やGoogleは日本法人になるため、広告の費用は課税対象となります。Facebookは海外のサービス提供事業者となるため、消費税は非課税になると思われがちです。

しかし「サービス提供事業者」と「サービス提供を受けた企業」が国境をまたぐ場合は、判断が異なります。新しい法律では「サービス提供を受けた企業が国内の場合は課税対象とする」としています。これにより、Facebook広告の費用も課税の対象となりました。

ただし、Facebook広告はリバースチャージ方式を採用しており、課税売上割合が95%以上の場合は非課税になります。課税売上割合が95%未満の場合は課税対象となります。

「リバースチャージ方式」と「課税売上割合」については、後ほど詳しく解説します。

課税売上割合とは?

課税売上割合を簡単に説明すると「その年の自社の総売上に対して、課税売上高と輸出免除売上高が占める割合」となります。

ここでは、「95%」がポイントとなります。現在、課税売上割合が95%であれば、消費税は従来通り「サービス提供が行われた場所が国内の場合は課税の対象となる」と判断されます。そのため、海外の企業であるFacebookに対する広告費の消費税は非課税となります。

ほかにも、海外の企業となる「Twitter広告」や、Facebookが運営する「Instagram広告」も消費税の対象外となります。

課税売上割合が95%未満の場合は課税の対象となり、消費税を納めることになります。

課税対象となった理由、背景

2015年10月1日より、電子書籍やデジタル広告等に関する「電子通信利用役務の提供」が改正されました。これにより、インターネットを通じて提供されるサービスが、課税対象となりました。

この改正では、インターネットを通じて提供される、電子書籍や音楽などの配信、クラウドを利用したサービス、ゲームソフトを販売するサービスなどが対象となっています。ほかにも、インターネットで行うホテルやレストランの予約サイト、英会話教室なども対象です。

対象外なのはソフトウェアの制作やインターネット銀行といった資産管理などです。また、インターネット回線を使った電話や通信そのものも対象外です。

改正があった背景には、インターネットによるサービスへの課税の不平等さがありました。同じネット通販でも、楽天市場やYahoo!Japanは課税対象なのに、Amazonは海外事業者のため対象外という状況でした。

これらを平等に課税対象とするために、「電子通信利用役務の提供」が改正されました。

リバースチャージ方式とは

広告費を支払うFacebookは海外の企業です。消費税は「販売した企業」が「顧客」から徴収した消費税を計上し、国に納めるものです。課税売上割合が95%以上の場合は非課税ですが、95%未満の場合は消費税が発生します。しかし、海外企業から日本へ消費税を納めさせることは難しいです。

そのため、この場合は「顧客(広告を出稿した企業)」が日本へ消費税を納めるという方法をとることになりました。この方法を「リバースチャージ方式」と呼びます。リバースチャージ方式で支払った消費税は、自社で計上し、申告することになります。

現段階では、リバースチャージ方式は、サービスの提供を受ける企業の住所が、日本国内か海外かがポイントになります。

デジタル広告に対する消費税の今後に注意

自社の売上や税金を申告する際には、「95%のボーダーライン」と「リバースチャージ方式」に留意して計上するとよいでしょう。また、税理士や税務署に相談することも大切です。

現在の法律はインターネットを通じたサービスに対して整備が遅れている面があります。今後もサービスの変化に応じて、消費税をはじめとした法律は改正されていくことが予想されます。

なお、Google広告はかつて海外企業としてリバースチャージ方式が適用されていましたが、2019年4月1日より、「Google合同会社」という日本法人に契約が変わりました。そのため、現在では日本国内の企業へ消費税が発生しているとなるため、料金は消費税込みの金額となっています。

このように、Facebook広告も今後は取引先が変更になる、法改正があるなど、現在の方式から変わる可能性があります。納税の処理は税理士や税務署の管轄となりますが、デジタル広告の担当者の方も情報は逐一チェックしておくことをおすすめします。

Facebook広告の課金方式

Facebook広告の料金は基本的に「クリック課金(CPC)」と「インプレッション課金(CPM)」の2種類です。動画広告は動画の再生時間で課金が発生し、ほかにも「いいね」などのリアクションで課金される広告もあります。

ここでは、それぞれの課金方式の特徴について解説します。広告費に対する消費税や予算など、料金全般の参考としてお役立てください。

クリック課金(CPC)

広告が1回クリックされるたびに料金が発生する課金方式です。ユーザーにクリックされない限り、広告が何度表示されても料金は発生しません。ユーザーが広告に引かれてクリックしたことがわかるので、効果の有無を確実に調べられるのが特徴です。

自社のFacebook広告の効果があったかどうか、分析もしやすい課金方式といえるでしょう。自社の商品やサービスを購入につなげるための広告を運用する場合に適しています。

インプレッション課金(CPM)

広告が1000回表示されるごとに料金が発生する課金方式です。ユーザーが広告をクリックしたかどうかに関わらず、表示がされたら課金されます。何回表示されたかがわかるので、ユーザーがどれだけ注目してくれているかが調べられるのが特徴です。

自社の商品やサービス、ブランドを認知拡大させたい場合に適した課金方式です。

動画広告の課金方式

Facebookの動画広告における課金方式は「インプレッション課金(CPM)」と「CPV課金」の2種類です。

インプレッション課金(CPM)は動画広告が1000回表示されるごとに料金が発生する課金方式です。画像やテキストを使った広告と同じく、表示回数で効果を判断できるのが特徴です。動画広告が多く表示されたということは、それだけ多くの人に認知されているということになります。

CPV課金は動画を1回視聴するごとに料金が発生する課金方式です。「動画広告を視聴した」とみなす時間は「2秒以上の継続視聴で課金」、「15秒間すべてを視聴で課金」など自社で設定することができます。

その他の課金方式

Facebook広告には、ほかにも課金方式があります。自社のFacebookページで「いいね!」が押されると料金が発生したり、アプリをインストールされたら課金が発生したりする仕組みもあります。これらはFacebook広告を出稿する際の「目的」により設定できます。

Facebook広告のメリット・デメリット

Facebook広告のメリット・デメリットを簡単に解説します。Facebook広告の特徴について参考にしてください。

メリット

Facebook広告は100円という低予算で出稿できるのがメリットです。デジタル広告をはじめて出稿する場合でも、運用しやすいでしょう。

また、Facebookは実名登録制であり、アカウントの登録時には年齢や性別、居住地なども入力します。これらのデータにもとづいたターゲティング精度の高さはFacebookならではの強みです。自社がターゲットとしたいユーザーに、的確にアプローチできるのがメリットです。

デメリット

Facebook広告のデメリットは、Facebookユーザーにしか配信できない点です。Facebookを利用していないユーザーには配信できない仕組みです。幅広いユーザーにアプローチしたい場合は、ほかの広告媒体を運用することも検討してもよいでしょう。

まとめ

Facebook広告は現在、リバースチャージ方式による消費税の申告が適用されています。Facebook広告の課税売上割合が95%未満の場合は課税の対象となるので注意しましょう。

また、同じデジタル広告でもサービスを提供する企業の住所によって課税の対象も変わります。Facebook広告だけでなく、Google広告やYahoo!広告なども運用する際は、そのあたりも注意しながら運用するとよいでしょう。

税金や法律の仕組みは複雑であり、専門知識も必要です。不明点については自社の税理士や税務署へ相談することをおすすめします。