若者だけでなく、もはやネットが苦手な高齢者さえも利用している世界最大手のECサイト「Amazon」。Amazonは、ネットショッピング以外にも様々な事業を展開し、10年前に企業向けに作られたクラウドサービスのプラットフォーム「AWS(アマゾンウェブサービス)」も好調である。その勢いは様々な業界の企業から年々注目を浴びているようです。 

ほとんどの日本人が、一度は使ったことのあるネットショッピングサービスと言っても過言ではないでしょう。その「Amazon」が近年力を入れているサービスの一つが「Amazonプライム」です。

豊富なコンテンツでプライム会員を魅了

年額たったの3900円で様々な特典サービスを受けることが出来る「Amazonプライム会員利用者」サービスは昨年から充実されてきており、その勢いは目を見張るものがあります。

年額を払って利用できるAmazonのサービスは、「プライムビデオ」「プライムフォト」「プライムナウ」など多種多様です。例えば、無制限で動画を見ることができる「プライムビデオ」は、タブレットやiPhoneなどのスマートフォン向けのダウンロード再生にも対応しています。また、容量無制限で写真を保存できる「プライムフォト」は、競合ともいえる容量無制限・無料のオンラインストレージ「グーグルフォト」と比べても引けをとらないという情報もあります。

さらに、配信されている無料の専用アプリから注文し、届け先が対象エリア内であれば早朝から深夜までの間、1時間以内に商品が届くサービス「プライムナウ」も非常に魅力的なサービスです。 これらのどのサービスも、年額3900円(月々で計算すれば325円)!しかも追加料金無しで利用することが出来るとは破格のコストパフォーマンスです。さすが”ほとんどの利益を投資に使うベンチャー企業”といえるでしょう。

すでにアメリカ本国ではこれらのサービスに加え、ゲームの遊び放題サービスや書籍の読み放題サービスがスタートしています。日本の場合は出版社の力が強く、導入は難航しているものと思われますが、早晩日本にも導入されるでしょう。こうして、自社サービスを使うことで得られた「顧客ID」ベースの行動分析がまたサービス開発に活かされているというのは想像に難くありません。

日本ではTポイントカードと組んだ「Yahoo!Japan」や国内最大のECサイト「楽天市場」、Pontaと組んだ「リクルート」など顧客ID囲い込み競争が激化していますが、ECで圧倒的な会員数を誇る「Amazon」が豊富なプライムサービスを背景にこの市場に割って入ろうとしていると見ることもできます。

絶好調のAmazon、次の一手はリアル市場に拡大?

さて、インターネット上では確実にサービスと会員数を増やしているアマゾンプライムですが、どこかのタイミングで、またどのような形かでリアル市場に打って出てくることは間違いないでしょう。楽天カードと比べるとまだまだ知名度の薄い「AmazonMastarCard」との連携強化は確実に行われることでしょうし、仮にSuicaやPasmoといった鉄道会社のICカードと連携が実現した場合、顧客や購買行動のデータのみならず、ICカード利用による駅間の行動履歴のデータまで利用することが可能になります。ネットのみならずリアルの情報まで把握した時、今話題になっている「OtoO」とは別の形の「OtoO」が完成することになります。そのとき、アマゾンプライムIDは行動履歴を完全に捕捉することを目的とした「民間版マイナンバー」ということができるかもしれません。

国内EC最大手でクレジットカードのシェアも高い「楽天」陣営、現在最大会員数をもつ「リクルート=Ponta」陣営、圧倒的な提携店舗数をもつ「Tポイント=Yahoo!Japan」陣営。すでにいずれも一定以上のシェアを獲得していますが、ポイントではなく、アマゾンプライムの圧倒的なサービス力を背景に、新たにこの戦いに加わろうとしている「Amazon」がどのような戦いを展開していくのか、そして今後どのようなサービスを提供していくのか、目が離せません。