2020年9月1日に国全体のデジタル化を目指し、デジタル庁(仮称)が創設されました。行政の全国規模でのクラウド移行など、政府のDXに対する強い思いが伺えます。
減りゆく労働人口と新型コロナウイルス感染症の流行により、急速に日本も変わろうとしていますが、日本のおかれている状況はどのようになっているのでしょうか。

ここでは日本のデジタル化事情を見てみます。

コロナ禍で浮き彫りになったデジタル化の遅れ

日本のデジタル化は、新型コロナの流行よりも前から遅れが指摘されていました。その遅れの影響がコロナにより、行政や働き方のみならず、生活、教育、医療などさまざまな方面で課題が浮き彫りとなりました。
たとえば、行政や医療ではオンライン手続きの不具合や、国や地方とのシステムの連携ができていない、陽性者の人数をFAXで報告しなければならないなどが起こり、教育現場ではオンライン教育に必要な基盤やノウハウの不足が課題となりました。また会社での働き方に関しても、押印手続きや進まないペーパーレス化がテレワークの阻害要因として顕著化しました。

ガートナーの調査によると、日本企業では2020年にWeb会議やテレワーク、ペーパーレス化などが進み、デジタル化の取り組みは加速したとしています。
また世界のCIOを対象に実施した2021年のCIOアジェンダ・サーベイの結果から、世界の企業の中でDX(デジタルトランスフォーメーション)が成熟した段階にある割合が、2018年の33%から2020年には48%に増加したとしています。
一方、日本企業での割合は、2018年には23%、2020年に37%へと上昇したとしていますが、世界との差は依然として10%以上ある状況にあります。

※CIO…最高情報責任者

参考 「DXの波に乗る!いざ始めるためのゼロからの基礎知識

日本のデジタル化の遅れの原因

なぜ世界の企業と比較して、日本のデジタル化が遅れているのでしょうか。
その決定的な理由はデジタル化の必要性に対する理解不足にあります。特に大手企業は旧時代の基幹システムから脱却できずに、クラウドシステムへの移行がスムーズに行えず、古いシステムに依存する現状があります。
今まではデジタルに頼らずともビジネスを継続することは可能でしたが、労働人口が減少し、新型コロナウイルスの影響で急速に変化する社会の中で、最近になってデジタル化の必要性を企業が感じ始めたというところです。

デジタル化の遅れへの対処法

インターネットの普及により市場の境界線がなくなり、世界に競合が存在する社会になりつつある現代において、デジタル化は企業の存続をかけた最重要課題です。世界に遅れをとっている以上、早急にデジタル化を進める必要があります。

この遅れへの対処には以下の2点が重要です。

デジタル化への意識を明確に

古いシステムに縛られ、変えることが難しくなってしまっている日本の現状において、デジタル化を進めることは容易いことではありません。
基幹システムを根底から変えデジタル化を図っていくには、それを達成するために幾度かの失敗を繰り返し、乗り越えていかなければなりません。
そのためデジタル化を目指す意義を明確にし、強い決意のもと進める必要があります。

企業上層部の理解

企業のデジタル化にあたって、推進力や複数部署との連携など社内を横断するような働きが必要です。
またこの取り組みによってすぐに成果が出るわけではなく、結果がでるまでに時間とコストがかかります。そのため中長期的に見ればデジタル化は避けることのできない必須の課題であると経営層などの上層部が理解することと、デジタル化を推し進める上層部の支援がなければ志半ばで中途半端に終わってしまう可能性があります。
つまり組織のデジタル化において、経営層の理解を得るフェーズにはしっかりと時間を取るべきと言えます。

まとめ

このように日本国内の企業はデジタル化でまだまだ遅れを取っている状況です。
少子高齢化による労働人口の減少と新型コロナウイルスの感染拡大による社会への影響など、いよいよ日本政府もDXへ本腰を入れるようになりました。
インターネットにより市場は全世界へと広がり、今後世界企業との競争が激化することも考えられます。
遅れを取っているからと諦めてしまう前に、先ゆく企業の成功例を参考にうまく取り入れることができれば活路は開けるはずです。

まずはデジタル戦略によって経営力を上げるチャンスと捉え、デジタル化やDX化に取り組んでみてはいかがでしょうか。