新型コロナ感染症の流行により、テレワークやサテライトオフィスなど、できるだけ出社日数を減らす動きがある中、今までよりいっそう直面するようになった問題が「ペーパーレス化」です。
ペーパーレスについてなんとなくはイメージできているとは思いますが、ペーパーレスがどういう目的を持っていて、実際どういった書類がペーパーレス化できるのでしょうか。

ここでは、あらためてペーパーレスについて基本的な部分をご紹介いたします。

ペーパーレスの言葉の意味は?

ペーパーレス(paperless)とは、紙(paper)と少なくする(less)という単語の構成の通りですが、「企業や官庁などで、紙を使わずに情報や資料をコンピューターなどによって処理・保存すること」という意味です。
つまり、ペーパーレス化とは紙を使わないことによる「コスト削減」とデータ化による「効率化」です。

ペーパーレスの歴史

ペーパーレスというと最近の言葉のようですが、実はその歴史は古いです。今当たり前のように使用されている交通系のICカードなども以前は紙の切符がメインだったので、技術の開発により見事にペーパーレス化された例と言えます。

紙のみの世界に変化をもたらした台頭は、コンピューターです。加えて1980年代にワープロが全盛期となり、ワープロや文章作成ソフトがオフィスに導入されるようになりました。時を同じくして環境運動への取り組み(エコブーム)が始まり、ペーパーレスの言葉が広く知られるようになりました。

そこからペーパーレスが進むかと思いきや、日本の紙の消費量の推移は1990年から2005年まで増加していきます(日本製紙連合会の需要推移の資料による)。これは多機能なコピー機やプリンター機の普及などで印刷が手軽になり、オフィスの紙利用は減少するどころか増え続けるという現象が起きたためです。その後、リーマン・ショック後の2009年に紙の需要は大きく減少し、現在まで大きく変わることなくほぼ横ばいの状態で推移しています。

ペーパーレス化はIT化に比べるとやや後回しにされ、実行しようとしても失敗するケースも少なくないようです。

参考 日本製紙連合会

あらためて考えるペーパーレスの目標

ペーパーレス化を進めるにしても、今ある大量の資料や次々やってくる新しい書類たちをどうするのか…と途方に暮れたことはないでしょうか。そんなときはまずペーパーレス化をすることの意味を改めて考えてみてください。

ペーパーレスだからと言ってすべての紙をなくさなければならないわけではありません。紙には視認性の高さや、書き込みをしやすいというメリットもありますし、紙での保管が必要なものもあります。まずは紙を使用することによって生じているオフィス内での非効率な部分を洗い出し、何をペーパーレスにして、どれを紙のままにするかを考えてみましょう。

無駄を省き、効率化して働きやすいオフィスにすることがペーパーレス化の最大の目標です。

ペーパーレスの対象書類

紙類はオフィスのあらゆるところで使用されています。
・契約書、見積書
・請求書、納品書、領収書
・社内申請書類
・提案資料、パンフレット
・会議資料、報告書
・マニュアル
・履歴書、職務経歴書
・FAXで受信した書類
この他にもまだたくさんあると思いますが、ペーパーレスはこの中の多くが対象となります。ポイントは、ペーパーレス化することによって、この紙類の保管場所が削減されるということです。つまり保管場所に使われていた収納庫もペーパーレス化の対象物ということになります。

一方で、一部の契約書(不動産関係で多い)では書面化義務があり現時点では電子化できない文書や、書面電子化に相手の承諾等が必要な文書もあります。しかし、このコロナ禍で法的規制の緩和に向けた改革が進んでいるため、今後も対象が広がっていくと予想されます。

目標が定まったらオフィス内でペーパーレスにできる対象書類を確認しましょう。

参照 「電子契約の導入に注意すべき法律とは

まとめ

ここでは基本に立ち戻ってペーパーレスの意味や歴史をまとめました。ざっくりとペーパーレスと言っても、曖昧なまま始めてしまっても余計な手間が増えるだけで、一向に業務の効率化には繋がりません。ペーパーレスを行う意味や、目標をしっかり定めて取り組むことをおすすめします。

ペーパーレス化のメリットやデメリットについてはこちらの記事でご紹介します。
DX推進を後押しする「ペーパーレス化」のメリット・デメリットとは