世界中で利用されているショッピングサイトのAmazonでは、企業が自社の商品やサービスを広告にして掲載することができます。

Amazonの広告は、商品の販売に直結します。しかし、果たしてどのような仕組みになっているのでしょうか。ECサイトを運営している方の中には、どのような効果があるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業のデジタル広告担当者の方に向けて、Amazon広告のメリットやデメリット、各タイプについて分かりやすく解説した上で、Amazon広告がどのような商品に向いているのかをご紹介します。

Amazon広告とは

Amazon広告とは、Amazonに出店しているネットショップが商品を宣伝するものと、Amazonが持っているビッグデータを基に商品を宣伝するために使うものの2種類に分かれます。主に使われるのは、Amazonで売っているものをAmazon内部で宣伝するタイプです。

さらにその中でも、商品を個別に宣伝するタイプと、ネットショップやブランドを宣伝するタイプに分かれます。Amazon内部という限られた範囲での宣伝になるため、広告の単価はGoogle広告などに比べると安いのが特徴です。

広告はAmazonのページの上部や下部です。商品画像とともに、商品名や価格が掲載されます。ユーザーが検索したキーワードにもとづいて表示されるので、コンバージョン率が高いというメリットがあります。

Amazon広告の仕組み

Amazon広告は、Amazonで検索されたワードや購買履歴をもとに、広告主の商品を買ってくれそうな人に対してアプローチする仕組みです。

広告主が、出品している商品を欲しがっている人が検索するであろうキーワードをあらかじめ予測して広告を設定します。そして、そのキーワードが検索された時に、検索上位に表示されます。たとえば「バスケットシューズ メンズ 27cm」で検索したユーザーには、男性用で27cmのバスケットシューズの広告が表示されます。

広告の方が通常の商品よりも上部に表示されるのでユーザーの目にとまりやすいのが特徴です。目立つところに表示されれば、それだけ商品を購入してもらえる確率も上がります。

課金方式は、クリックされた時にのみ広告費用が発生する「クリック課金制」です。広告が見られただけでは料金は発生しません。また、クリック単価は競争入札によって決まります。入札単価が高いほうが優先的に広告が表示されます。

単価は自社で設定できるものの、表示優先で金額を上げすぎてしまうと、クリックされたときの費用も上がります。単価の相場は業界や業種ごとに異なるので、事前に調べてから入札するとよいでしょう。

Amazon広告のメリット

Amazon広告のメリットは、なんといっても費用対効果が極めて高いことです。

GoogleやYahoo!などの検索エンジンでも検索ワードに応じて広告を出すことができますが、Googleなどで検索する時の目的はさまざまです。しかし、Amazonで検索する時は、何かを買おうとしている時です。

ショッピングをしようとしている時に欲しい商品の広告が現れるわけですから、そのまま買われる可能性は高く、広告に対しての費用対効果は特に大きいといえます。

Amazon広告のデメリット

Amazon広告のデメリットとしてまず考えられるのが、広告を出さなくても買ってくれていたはずの人が一定数いるということです。Amazonにはすでに何かを買おうとしている人が訪れているからです。Amazon広告は費用対効果が高い一方で、この点はデメリットと言えるかもしれません。

広告を出していなくても、もともとその商品を買うつもりでAmazonを訪れた人が多ければ、他のWeb広告にしておいた方が効果的である可能性があります。

また、すでに興味を持って購入を検討している人に向けての広告になるため、新規顧客が呼びにくいのもデメリットと言えます。広告を出した時と出さない時で比較してみると、Amazonの広告が本当に効果的なのかどうか判断できます。

Amazon広告の種類

Amazon広告には、Amazon内部の商品の宣伝と、Amazonが今までに蓄積した顧客データを利用して出す広告があります。

Amazon内部の広告は、既に購入を検討している人に対してアプローチするため、費用対効果は非常に大きいといえます。しかし、本当に広告を出さなければ購入してもらえなかったのかどうかは慎重に検討する必要があります。

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクトは、特定のキーワードでユーザーが検索したときに、Amazonのストア内で販売している商品が上位表示される広告です。これは、各メーカーが似ているタイプの商品を出している場合には効果的です。

例えば「マスク」はさまざまなメーカーが商品を出品していますし、商品自体に大きな違いはありません。そのため、検索結果で上位に表示されれば非常に有利です。

あるいは有名ブランドのバッグなど、製品の質は分かっていて、どこで買っても物自体は同じというようなものも検索結果で上位に表示されれば有利となるでしょう。

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告も、商品を販売しているAmazon内のストアで表示される広告です。ブランドが強い商品を出す場合は、こちらの方がよいかもしれません。

スポンサーブランド広告では、ユーザーの検索結果に基づいてストア名と商品が3種類表示されます。どのキーワードで表示させるのかAIが決める「オート」というモードもあります。

Amazon内部の検索のため、Googleなどで効果的なキーワードが通用しないこともありますので、最初はオートにしておくとよいでしょう。

スポンサーブランド広告で特に気を付けなければならないのが在庫切れです。在庫がないからという理由で自動的に広告が止まることはないので、広告を見た顧客が商品を手に入れられるよう、在庫は充分に用意しておく必要があります。

スポンサーディスプレイ広告

スポンサーディスプレイ広告では、これから何かを買おうとしている人や買ったに対して「これもよいな」と思ってもらえることで購入を促す宣伝手法です。スポンサーディスプレイ広告は、トップ画面や決済ページなど、Amazonページ内部の色々な場所に表示されます。

関連性の高いユーザーに広告表示させることができるので、Amazonでお酒を購入した人に対しておつまみを表示するなどのアプローチが可能です。

ストア広告

ストア広告を使うと、Amazon内に自社のWebサイトを持つようなイメージで広告することができます。実際に独自のURLも付与されるので、Webサイトとして使うことも可能です。Amazonと直結しているので、そのまま商品が購入できるのも強みのひとつです。

ストア広告の作成は無料ですが、広告として出稿するには費用がかかります。スタンダートランディングページの最低出稿料金は500万円からとなっており、制作費や誘導費も含まれますが、かなり高額です。

カスタム広告

カスタム広告とは、Amazonで購入した商品が届けられた段ボールの中に入っているチラシなどの広告です。新聞に同封されているチラシと同じような仕組みです。

このチラシはAmazonで販売している商品である必要はありません。例えば、ワインを購入した人に対してワインを使った有料イベントのお知らせを同封したり、ワインに合う料理が美味しい飲食店のチラシを同封したりする事もできます。

Amazon DSP

Amazon DSPは、Amazonが保有しているユーザーデータを基に、Amazon以外のWebサイトで広告を表示するものです。ディスプレイ広告と動画広告のどちらでも可能で、すでに商品の購入を検討している人に対してのアプローチという部分を補完する広告といえます。

Amazon DSPはAmazon以外のサイトで商品に興味を持ちそうな人に対してアプローチするので、購買意欲を刺激することが可能なのです。

ちなみに、Amazonで売っている商品を宣伝するのが一般的ですが、Amazonに出品しているもの以外も広告を打つことができます。

Amazon DSPでは審査が人の手によって行われるため、審査に時間がかかるてんがネックです。

Amazon広告を運用する際の注意点

さまざまなメリットがあるAmazon広告ですが、運用する際は注意も必要です。ここでは注意点を解説します。実際に運用する際の参考にしてください。

有名ブランドだとキーワードを絞る

商品によっては、ジャンルではなくブランドまで決めてからAmazonを訪れる人もいます。

例えばアルコール類をAmazonで検索している段階では、既にどの銘柄のお酒を買おうとしているのかまで決めている場合も考えられます。そこで広告を表示したいのであれば、キーワードは「お酒」にせずに、その銘柄名にした方がよいでしょう。

独自の有名ブランドだと宣伝効果は疑問

その一方で、ブランドがしっかりしていて独自色の強い商品や個性で勝負するタイプの商品には、あまり効果が期待できないかもしれません。

例えば、他では売っていないハンドメイドのアクセサリーや、ネット通販限定の有名飲食店のインスタント食品などがこれにあたります。このような商品は、すでにその商品を買おうと決めてAmazonを訪れている可能性が高いため、ここで広告を出す事に本当に意味はあるのか慎重に検討しなければなりません。

まとめ

Amazon広告についてご紹介しました。

Amazon広告は、売上に直結する費用対効果の高い広告です。しかし気をつけなければならないのは、あまり価格が安い商品を積極的に宣伝すると利益が出ないおそれがある点です。

知名度を上げることが目的であれば問題ありませんが、広告で直接利益を増やしたいということであれば、ユーザーの動きをチェックし、その広告がどのくらい効果があって、最終的に利益がどのくらい出たのかをしっかり把握しておくことが大切です。

Amazon広告は、上手く使えば、知名度も上げつつ商品を大きく売ることが可能です。キーワードや広告の内容などを常に改善しながら運用していきましょう。