運用型広告とは、自社でパフォーマンスを確認しながら設定と運用を行う広告です。代表例を出すと「Facebook広告」や「Google広告」などの広告が運用型広告です。

運用型広告を扱う際はノウハウやスキルが必要ですが、上手く運用できれば、広告費を適正化しながら効率よく認知度向上やコンバージョンなどを狙うことができるようになります。

この記事は、運用型広告の基礎を知りたいデジタル広告の担当者向けに、運用型広告の概要や種類、メリット・デメリットなどを解説します。自社の広告運用にお役立てください。

運用型広告とは

運用型広告とは、「リアルタイムで運用に必要な項目を変更しながら掲載のできる広告」です。

・入札額

・配信数

・配信地域

・配信期間

・配信ユーザー

といった表示の仕方に関係する項目を各広告サービスの画面から確認し、すぐに設定を変更できるのが特徴です。

従来の広告は「純広告」形式でした。これは、指定のメディアから固定の広告枠を買い取り、あらかじめ掲載する期間を決定した上で配信される広告です。

運用型広告は純広告に対して、柔軟性やコスト面などでメリットのある広告です。現在インターネット上で提供されている広告サービスの多くが、運用型広告タイプで運営されています。

運用型広告が注目される理由

広告サービス業大手の「電通」は、「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」として、広告に関する市場の詳細をまとめています。

この調査によれば、日本国内のインターネット広告費は2兆1,048億円、その内運用型広告が全体の約8割を占めているとされています。

このように運用型広告が注目されている理由として、出稿のしやすさがあります。マスメディアの場合、広告を出稿するにはどうしても多額のコストが必要です。スタートアップ企業や中小企業などは手を付けにくいのがデメリットになります。

運用型広告では予算に関係なく自社に合ったスケールで設定を柔軟に行い、ピンポイントにターゲットユーザーへ広告を出し分けられます。インターネット経由でのタッチポイントが増えている今、運用型広告は重要なアプローチ手法です。

運用型広告の種類

運用型広告には、以下のようにさまざまな種類があります。ここでは「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」の特徴について解説します。

リスティング広告

リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれます。GoogleやYahoo!などの検索エンジンに連動して検索結果の一覧に掲載される広告です。他の記事検索結果と同じ見た目で表示されますが「広告」という表記が付きます。

ユーザーが検索するキーワードに連動した広告を表示できるため、商品やサービスを購入したいと考えている顕在層のユーザーにアプローチできます。そのためコンバージョンにも至りやすく、効果が得られやすいのが特徴です。

ただし、自社の商品やサービスの存在を知らない潜在層のユーザーにはアプローチしづらいのがデメリットです。

リスティング広告はキーワードでターゲティングするのが特徴で、ユーザーの検索キーワードに応じて関連した広告が表示されます。「サードパーティークッキー」を使ったターゲティングが難い現在、注目されている広告でもあります。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は「バナー広告」とも呼ばれます。Webサイトやアプリなどのコンテンツの広告枠に、画像や動画、テキストなどを組み合わせた形で広告が表示されます。

ディスプレイ広告は、ユーザーのWebブラウザー閲覧履歴などを基に情報をターゲティングできるのが特徴です。まだ悩みが顕在化していない潜在層にもターゲティングができるのがメリットです。運用する際は、自社が求めるターゲットに合った広告を制作し、ターゲットにマッチする広告媒体を選ぶことが大切です。

ただ、ディスプレイ広告では現在規制を受け始めているサードパーティークッキーを使っている場合も多く、サービスによってはパフォーマンスが今後期待できない可能性がある点に注意しましょう。

SNS広告

SNS広告は、「Twitter」や「Facebook」などのSNSに掲載される広告です。通常の投稿と同じ見た目で、商品やサービスについての情報を流す「ネイティブ形式」の広告が主流です。

SNS広告は、テキストのみ・テキスト+画像・テキスト+動画・カルーセルなどの豊富な形式で広告掲載ができるのが強みです。最近ではEC機能も強化されており、スムーズに自社ECサイトへ流入を促すための導線をSNS上で構築しやすくなっています。

また、SNS広告はディスプレイ広告と違い、広告ブロックツールや無視(バナーブラインドネス)などの効果を受けないのもメリットです。

拡散力のあるデジタル広告であり、フォロワーによって一気に拡散されることも珍しくありません。商品やサービスの認知拡大からキャンペーンも実施できるなど、使い方もさまざまです。

運用型広告のメリット・デメリット

運用型広告には、次のようなメリット・デメリットがあります。運用によってどのような効果得られるのか参考にしてください。

運用型広告のメリット

運用型広告は、その都度配信内容を調整できる点に強みがあります。

たとえば「AとBの地域両方に配信したが、Bの地域ではいまいち広告の効果が得られていない」という場合、Aの地域だけに広告を配信するという変更が即座に可能です。また「広告効果が出ているようなので予算を2倍にして配信数を上げたい」などの希望にもすぐ対応が可能です。

細かいターゲティング設定ができるのもポイントで、世帯構成や年収といった属性でセグメントできるサービスもあります。

課金方法も目的に応じて柔軟に選べます。コンバージョン重視であればクリック課金型(CPC)、認知度向上重視であればインプレッション課金型(CPM)を選ぶとよいでしょう。アプリインストール課金型や(CPI)やフォロー課金型(CPF)といったタイプもあります。

運用型広告のデメリット

運用型広告は自社の予算感や目的などに応じた広告を出稿できる反面、運用に知識やスキルが必要です。広告サービスでは最適な入札額を自動設定してくれたり、さまざまなサポートをしてくれますが、最終的には自社の経験や現状に合わせて設定を行えるように経験を積んでいく必要があります。

また広告は種類によって特性が違うので、目的に応じて複数の広告を運用していく体制を構築しなければなりません。リソースが自社で不足している場合は、代理店などの力を借りて運用を行う必要性も出てきます。

運用型広告において、分析スキルは必須です。認知度向上やコンバージョン促進などの目的が達成されているか、ターゲットユーザーを集客できているかといった点を分析ツール上から確認して、改善を行いましょう。

運用型広告を成功させるコツ

ここからは、運用型広告を成功させるためのポイントを紹介していきます。実際に運用する際の参考にしてください。

ターゲットユーザーに合わせて種類や出稿先を選ぶ

ターゲットユーザーが顕在層であればリスティング広告、潜在層であればディスプレイ広告などが適しています。また、広告を掲載できる媒体によってもリーチできるターゲットユーザーが異なってくるのもポイントです。

たとえばSNSごとに次のような特徴があります。運用型広告を運用する際は、自社のターゲットユーザーの性質を考えて、適切な種類や出稿先を選んで配信を行っていく必要があります。

・Twitter:若年層が多い、日本やアメリカなどメインで使われている国は限られる

・Facebook:高齢層も多い、世界中で使われている

・Instagram:女性層が多い、世界中で使われており成長率も高い

・LINE:老若男女に使われている、日本中心で使われている

目的に合わせてクリエイティブや設定を工夫する

運用型広告のパフォーマンスを最大化するためには、目的に合わせてクリエイティブや設定を工夫する必要があります。

たとえば認知目的の広告であれば、自社の商品サービス提供概念やブランドストーリーなどを魅力的に伝えられるように、文章や画像などのクリエイティブを構築していく必要があります。

ECへのコンバージョン目的であれば、広告のEC機能を使いながら離脱が発生しない導線をクリエイティブを通して作っていく必要があるでしょう。

また、「ターゲットユーザーは地域が限定されているのかいないのか」といった観点から項目を設定して、ターゲットユーザーと関係ないユーザーに間違って広告を配信しないこともポイントです。

数値を基に改善を行い配信テストも行う

運用型広告では、目標の設定も重要です。「KGI」や「KPI」といった指標を用いて、目標を数値化して測定できるようにしておきましょう。

例えば「広告経由の売上を20%増やしたい」というKGIを立てた場合は、「リスティング広告からの流入率を30%増やす」などのKPIをいくつか設定します。そして、数値を達成しているかどうかをツールで確認し、問題がある場合は具体的な改善策を数値を意識しながら立ててみてください。

また、分析を行う上で、広告の「ABテスト」を行う視点も重要です。条件を合わせて複数のテストクリエイティブを作成して実際に配信を行うことで、ユーザーからの反応を見ながら最適なクリエイティブを判断して広告配信に活かせるようになるからです。

まとめ

今回は、運用型広告の概要や種類、メリット・デメリットなどを解説してきました。

自社のターゲットユーザーに応じて柔軟に設定を変更できる運用型広告は、予算規模に関係なくあらゆる企業が参入しやすい広告手法として人気があります。ただ、運用に関してはクリエイティブ制作や分析にかかわる知識やスキルが必要です。

もし自社でリソースを確保するのが難しい場合は、代理店などの力も借りながら運用型広告を軌道に乗せていきましょう。