紙もWebも、文章と画像を組み合わせてコンテンツを作成するという点では違いがありません。それゆえ、従来紙媒体で使っていた記事をそのままインターネットに掲載する、という考え方でWebマーケティングを実行している会社は今も多く見られます。しかし、実際にはWebと紙には決定的な違いがあり、それを踏まえてマーケティングを行わなければ、十分な効果を引き出すことができません。

前編では紙とWebの4つの違いのうち3点目までを解説しましたが、後編でお話しするのは最後の4点目「読者の反応を詳細なデータとして確認できる」について。この特性はマーケティング担当者の仕事に大きく影響を与える重要なポイントとなりますので、後編のスペースを丸ごと使ってじっくり解説したいと思います。

Webが紙と異なる点(4) 読者の反応を詳細なデータとして確認できる

まず、「読者の反応を詳細なデータとして確認できる」とはどういう意味か、説明したいと思います。

もちろん紙媒体でも読者の反応を知ることはできます。しかし、たとえば「発行した雑誌の中の、どの記事がどれぐらい読者に読まれたか」というデータを、正確にとることはできません。雑誌の場合、通常は読者の評価は「部数」に集約されてしまいますし、その「部数」が正確にわかるのも発行してから数か月後となります。そのため、リアルタイムで読者の反応を知り、その反応に応じて新しい記事の編集方針を立てるということが難しいわけです。

一方、インターネット上のコンテンツであれば、アップした記事のPVやユニークユーザー数、さらにはどの時間帯に何回アクセスがあったかといった詳細のデータを簡単にとることができます。この「データ化された読者の反応」をもとに、次回サイトにアップする記事の内容を決めていく。そうした合理的な編集ができることが、Webマーケティングの大きな利点といえます。

では、具体的にどのような流れでサイトの編集を行えばよいのでしょうか。

①仮説を立てる

コンテンツを立ち上げる際には、編集会議で「読者や顧客はどのような情報を欲しがっているか」という仮説を立て、企画を固めていきます。この状態ではまだ反応がデータとして集まっていないので、紙媒体であってもインターネットであっても、特に変わりはありません。

②仮説に基づきコンテンツを作成する

①の編集会議で仮説を立て、企画が固まったら、その方針に基づいて実際のコンテンツを作成します。この部分も、紙と大きな違いはありません。大きな違いが現れるのは、次の工程からです。

③データを分析する

先ほども申し上げたとおり、Webサイトではユーザーの「反応」をアクセス数などのデータによって分析することができます。この分析作業によって、掲載したどの情報が人気なのかがわかります。たとえばある企業のWebサイトで業界の最新情報などをアップしていた中で、特定ジャンルのニュース記事がダントツのアクセス数を稼いでいたとします。マーケティング担当者はその事実を踏まえ、次回以降どのようなテーマのコンテンツを作るか、よりユーザーの反応を得るための編集会議を行うわけです。

④新しい記事の編集方針を立てる

「どの情報に人気が集まっているか」がわかれば、その後の方針を立てるのはさほど難しくはありません。情報の人気度合いが書き手に依存しているのであれば、その人がコンテンツを作る機会を増やすように調整する、ジャンルやカテゴリに依存しているのであれば、関連するコンテンツを増やす、というようなイメージです。

読者が好んでいるのが「書き手」なのか「記事の内容自体」なのかによって、どちらの選択肢がベターかは変わってきますが、さらにその反応をもとに改善を繰り返していけば、どのような情報が好まれるのかがだんだん明らかになってくるはずです。

このように、(1)仮説を立てる→(2)コンテンツを発信する→(3)データを検証する→(4)検証に基づいた仮説を立てるというPDCAサイクルを回していくことによって、サイトのクオリティを高めていくのがWebマーケティングの基本的な考え方となります。

まとめ

前編・後編にわたり、紙とWebにおけるマーケティング・編集の違いについて解説してきました。現在すでにWebサイトを持っている企業はたくさんあります。しかし、Webだからこそ集めることができる詳細なデータを活かしきれている企業は、まだまだ少ないのではないでしょうか。データに基づいた編集とマーケティングによって読者の心をつかみ、それを利益拡大につなげていく。今回の記事が、その一助になれば幸いです。