近年注目を集めているソーシャルコマースとは、従来のECにソーシャルな要素を取り入れたECです。スマートフォンがパソコンを凌駕する勢いで世界各地に普及している今、次なるeコマースの主流として注目を集めつつあります。

今回の記事では、さまざまな種類のソーシャルコマースとその特徴を、具体的な海外での事例も含めて解説します。

ソーシャルコマースとは何か?

インターネットショッピング(eコマース)が急激な成長を遂げ、現代のショッピングにおいて大きな位置を占めていることは周知のとおり。しかし、従来型のインターネットショッピングにおいては、社会的要素が欠けていることが指摘されていました。

たとえば、リアルなショッピングモールやデパートで買い物をする場合、「家族や友人と一緒に行く」「店員と相談しながら商品を買う」という「ソーシャルな(=社会的な)要素」が含まれており、これが買い物の楽しさを増加させているといえます。こうしたソーシャルな要素を補完した点が、ソーシャルコマースの画期的な点です。

ソーシャルコマースは、Facebookなどの既存のソーシャルメディアと連動したものもあれば、新たな専用サイトを使うものもあります。ソーシャルコマースを種類別に分類すると、以下の7つに分けることができます。

1.C2Cタイプ

C2C(Consumer to Consumer)の名の通り、個人同士が直接コミュニケーションを取り売買するマーケットサイトです。

例:eBay, Amazon Market Place等

2.ソーシャルメディアタイプ

既存のソーシャルメディア上で、他ユーザーのシェア等に基づき、取引を行うサイトです。<br>

例:Facebook, Pinterest, Twitter等

3.グループタイプ

企業側が指定した希望人数などの条件に対し、ほかのユーザーが協力して購入申し込みを行い、達成されれば商品やサービスの割引を受けることができるサイトです。<br>

例:Groupon, LivingSocial等

4.レコメンドタイプ

「ユーザーと似た趣向を持つ別のユーザー(またはサイト)によるレコメンド」をもとに取引を行うサイト。たとえばAmazonにおける「レコメンデーション機能」や「購入者レビュー」がその代表例です。

例:Amazon,Yelp等

5.ユーザーキュレーションタイプ

各自のユーザーが「ショッピングリスト」を作成し、サイト上でシェア。このショッピングリストをもとに取引を行うサイトです。いわばユーザー自身がキュレーター(情報を整理し提供する人)となるわけです。

例:The Fancy, Lyst等

6.ユーザー参加タイプ

消費者が「投票」や「ファンディング」を行うことで、実際に商品の制作に携われるサイトです。<br>

例:Threadless,Kickstarter等

7.O2Oタイプ

「O2O(Online to Offline)」の名の通り、リアル店舗における買い物とオンラインショッピングを結びつけるサイトのこと。実店舗で買い物をする際に、サイトを通して友人や他ユーザーのアドバイスや意見を交換できるというものです。

例:Motilo,Fashism等

では次に、ソーシャルコマースの実例をご紹介しましょう。

ソーシャルコマースの実例

実例1:Facebook(F-commerce)

既存のソーシャルメディアを活用したソーシャルコマースの代表例といえば、まずFacebookが挙げられます。企業はFacebook上でショッピングページを開設し、商品広告を掲載したり、カタログを配信できる上、メッセンジャーでユーザーと直接連絡をとり、取引を行うことも可能です。ユーザーが事前にFacebookに支払情報を登録しておけば、Facebook上でワンクリック決済ができる点が、ソーシャルコマースらしい利便性を高めています。(日本では、この機能は未実装)

アメリカの時計販売会社MVMT Watchesは、Facebookのソーシャルコマースページを活用することで、「90日間で6万人以上のアクセス」「5%のコンバージョン率」「1万5000ドルの利益」を記録したと発表しました。注目すべき事例といえるでしょう。

実例2:Pinterest

ピンボード風のオシャレな写真共有サイトとして人気を博しているPinterestも、2015年からアプリ上から商品を直接購入できる「Buyable Pins」をスタート。登録企業は6,000万社にのぼり、女性ユーザーが7割以上を占めています。

代表的な事例を一つ紹介しましょう。ファッションサイトPolyvoreはPinterestのサービスを利用開始してから、「シェアされるアイテム数が1,000%増加」「サイトへの際法律が30%増加」「Pinterest経由の購入者が35%増加」という目覚ましい成果を叩きだしています。

実例3:Instagram

写真共有サイトとして隆盛を誇るInstagramもまた、アプリ上の写真から商品を購入できるシステムを導入。広告運用にも力を入れており、今後の成長が見込まれています。

東南アジアで、ソーシャルコマースが熱い理由とは

東南アジアでは個人でパソコンを所有する割合が少なく、スマートフォンユーザーが多いという事情があります。そのためにスマホ経由の商品購入が盛んで、「東南アジアにおけるオンライン販売のうち、30%がソーシャルメディアを通じたものである」というデータが出ています。

また、東南アジアの消費者のおよそ80%がソーシャルメディアを使って商品のリサーチを行っているという情報もあります。これは、アメリカのネットユーザー中、ソーシャルメディアによる買い物をしたユーザーがわずか7%にとどまっていることと比較して、飛躍的に大きな割合といえるでしょう。

もちろん、今後Instagram等の画像共有アプリがソーシャルコマースを充実させていくことにより、東南アジアのみならず、欧米や日本におけるソーシャルコマース市場は成長すると見られています。

まとめ

ご紹介した通り、ソーシャルコマースと一言でいってもサイトの特性はさまざま。これから参入を検討する方は、自社の商品やターゲット層と相性のよいサービスをしっかり選ぶ必要があると思います。これからも拡大が見込まれるソーシャルコマース市場。今後も動向をチェックしていきたいところです。