しかし、あまりカスタマーサポートにばかり時間やコストがかかっていたのでは、新規客を獲得することができません。

今回は、顧客対応に手間やコストがかかりがちなECビジネスを改善するためのポイントをご紹介します。

問い合わせの対応で販促のための時間が作れない

ECビジネスでは、注文件数が増えてくるとそれに比例して問い合わせの数も増えてきます。また、納品後にクレームがあれば、それに対応するためには問い合わせの何倍もの時間とエネルギーが必要になるでしょう。

特にECビジネスを立ち上げたばかりの時期であれば、専門のオペレーターではなく社長やそれに準ずる人が、ほかの業務も行ないながら顧客対応しているのが実状です。そのため、問い合わせに対応する時間が増えてくると、どうしても販促のための時間が作れなくなってきます。

例えば、毎日行なっていたリスティング広告のチェックなどのマーケティング活動が、おざなりになることも多いのです。これが、多くのECサイトが一定以上の売上を上げられない原因のひとつでもあります。

これを改善するために社員やアルバイトを採用することになるのですが、それに合わせたマニュアル化や業務改善ができないと、かえって社長の手間を増やすことになりかねないので注意が必要です。

顧客対応が抱える問題点

売上を伸ばすために、丁寧な顧客対応は欠かせません。特にリピーターのお客様であれば、対応が売上に直結するといえるでしょう。しかし、丁寧に答えようとすればするほど、生産性が下がるというジレンマがあります。

単純にスタッフを増やしただけで問題を解決できるわけではありません。逆にスタッフが増えたことによって「○○さんが対応してくれたと思った」のように、問い合わせへの返信漏れが起こったり、逆に二重に返信してしまったりすることもあるのです。このようなことがあれば、大きなトラブルにもつながりかねません。

また、採用後間もないスタッフであれば、商品知識や対応の教育などの時間も必要になります。これらの問題は、スタッフが増えるごとに大きくなってくるでしょう。

この問題点を解決するためには、「顧客情報の共有」と「メール情報の共有」が重要になってきます。

顧客対応の効率化ポイント1:顧客情報の共有

効率良く顧客対応するためには、顧客情報の共有化は欠かせません。「誰が、どのお客様に、どんな対応をしたのか」を共有することが、顧客対応を効率化するために最も重要なポイントです。そのため、全員で顧客情報を共有できるように顧客データベースを構築することが必要になります。

お客様の年齢や性別などの属性はもちろんですが、そのお客様から「いつ、どんな問い合わせがあって、誰が、どんな対応をしたのか、それはメールなのか電話なのか」などの履歴を記録することが大切です。これを一目で分かるようにできれば、返信漏れや二重配信のようなミスも起こらなくなります。

また、この顧客情報はマーケティングにも活用できますので、「3カ月前に購入のお客様」「今月誕生日を迎えるお客様」のように、セグメントしてアプローチすることで売上増につなげることも可能です。

顧客対応の効率化ポイント2:メール情報の共有

顧客対応を効率化するためには、メール情報を共有することも大切です。対応するスタッフが増えれば、「誰が、どんなメール内容で送信したのか」を確認するのが難しくなります。同じような返信メールであっても、メールの文面が違えば受ける印象も大きく違ってきます。

例えば、時候の挨拶、お客様への気配り、心遣いなどは個人のコミュニケーション能力に頼っている部分が多いでしょう。メールのたった1行の文章が売上に影響することもあるのです。それだけに、どんな内容のメールを送信しているのかを共有して、全体のメール対応の質を上げることが重要です。

メール情報を共有するためには、GmailなどのWEBメールのアカウントを共有がもっとも簡単な方法でしょう。また最近では、各スタッフの対応状況が一目で分かるメール共有システムを提供しているサービスもありますので、これを利用するのもおすすめです。

カスタマーサポートの質がリピート売上を決める

ここまで、顧客対応を効率化させるためのポイントをご紹介しました。

顧客対応を上手く効率化させることができれば、社長は社長本来の仕事ができるようになりますし、販促やマーケティングの時間を不用意に削られることもありません。ただし、効率化によって質が低下してしまっては本末転倒。カスタマーサポートの質を上げる仕組みを意識することが重要です。

特に、リピート売上はカスタマーサポートの質にかかっています。カスタマーサポートの質を上げるために、メール文面のテンプレートや電話対応のマニュアルを作成しても、なぜか売れるスタッフと売れないスタッフが出てくるでしょう。メール情報を共有すれば、その違いがどこにあるのかも見えてきます。

「顧客情報の共有」と「メール情報の共有」でカスタマーサポートの質を上げ、売上増につなげていきましょう。