数年前から注目されている「グロースハック(Growth Hack)」というマーケティング手法。

従来のマーケティングは完成した商品・サービスをどのようにしてたくさん売るかというものがメインでした。これに対してグロースハックはユーザー獲得にとどまらす、商品やサービスの改善から顧客の獲得・育成・管理などすべてのプロセスを包括したマーケティングをハイスピードで改善していくものです。今回は比較的新しいマーケティング手法であるグロースハックについてまとめてみました。

グロースハックとは

DropboxやFacebookなどのWEBサービスは、短期間で数億人のユーザーを獲得しています。このように急成長したサービスの背景には、グロースハックの手法によって行われたマーケティングがあるのです。

WEBサービスのユーザーを獲得するためには、そのサービスを知らない人をサイトに呼び込んだうえで会員登録してもらわなければなりません。さらに有料のサービスを購入してもらい収益を上げるまでの流れを作る必要があります。これらの一連の流れをすべて行うのがグロースハックです。

従来のマーケティングでは商品・サービス開発と販売促進は別なものとして扱われてきました。しかし、グロースハックでは商品・サービスを利用するユーザーの動向を分析して成長を阻害している原因を探り出し、商品・サービスの改善までを行います。これによって従来では考えられないスピードで数億人単位のユーザーを獲得し、企業を急成長させているのです。

グロースハックで得られるもの

従来は宣伝や広告などの販売促進がマーケティングとして捉えられてきました。実際ほとんどの企業において、商品・サービス開発を行う部門とマーケティングを行う部門は別でしょう。

しかし、それでは特に複雑化するWEBサービスのマーケティングプロセスには対応できなくなっているのです。グロースハックは商品・サービスの改善まで含むマーケティングプロセス全体を包括しており、どこを改善すればユーザー獲得や利益増に直結するかをあぶり出すことができます。例えば「ユーザーを集めるための仕組み」「会員登録したくなる施策」「リピートを促すための工夫」「友人にシェアしたくなる仕組み」「利益を高めるための施策」などをマーケティングプロセスに応じて立案するのです。

グロースハックによって、成長するためにはどの部分でどんな施策を行えば良いのかが明確になり、優先すべき施策がハッキリしてきます。商品・サービスそのものに成長する仕掛けを組み込むことができるため、膨大な広告費をかけなくても多くのユーザーを獲得し、サービスを急成長させることが可能になるのです。

グロースハックの3つの基本

グロースハックは従来のマーケティングの概念とは大きく異なるものです。グロースハックを理解するうえでの基本ポイントは次の3点になります。

1.商品・サービスの開発や改善も行う

完成した商品・サービスをどのように訴求して利益に結びつけるかというのが従来のマーケティングでしたが、グロースハックではユーザーの動向にあわせて商品・サービスの開発や改善も高速で行います。ユーザーのニーズが変わったらそれに合わせて商品やサービスも変えてしまうのです。

2.ユーザー獲得だけでなくサービス・企業の成長を目指す

ユーザーの獲得・育成・管理だけでなく、どうすればより紹介して拡散してもらえるか、どうすればもっと利益をあげられるかを考え、商品・サービスの成長を目指します。最終的に売上や利益を高め企業を成長することを目標としているのです。

3.ユーザー動向データに基づく仮説の検証や分析

グロースハックではユーザー動向データに基づく仮説の検証や分析が重要視されます。特にユーザーの声は商品・サービスや各施策にフィードバックされるため最も重要です。

グロースハックをすすめる手順

自社でグロースハックに取り組もうとした場合、どんな手順ですすめればよいのでしょうか。

グロースハックは現状分析から始まります。商品・サービスの利用状況を分析し、市場のニーズにマッチしているか検証することが重要です。次に現状分析から得られた情報を元に、商品・サービスを利用しているユーザーに対する理解を深め、より成果を高めるための施策を立案します。そして施策案の中から優先順位を決め、実際の商品・サービスに反映させるのです。施策を実践したら、効果検証・データ分析です。どのような効果があったかを検証し、次の施策につなげます。

以上のPDCAは従来のマーケティングでも行われてきたものですが、グロースハックではマーケティングプロセス全体を包括して行う点が大きく違っています。そのため、どのブロセスを改善すればより高い効果が得られるのかを、しっかりと見極める必要があります。最初に現状を正しく分析することがとても重要になるのです。

まとめ

特にマーケティングプロセスが複雑になっているWEBサービスにおいては、商品ありきのマーケティングでは高い効果を得ることが難しくなっています。そこで期待されるのが商品やサービスの改善まで行うグロースハックの手法です。サービスを開発・改善するうえでも、ユーザー心理を理解するマーケティング的な視点が重要なのです。

企業内組織の垣根を超えてプロダクト担当やデザイナー、マーケティング担当などが連携してグロースハックに取組むことが企業の成長につながるでしょう。