レスポンシブディスプレイ広告とは、デジタル広告のサイズや形をAIが自動的に調整してくれる広告システムを使った広告のことです。

このシステムを利用することで、数多くのパターンの広告を用意しなくても、PCにもスマホにも、Webサイトのデザインやターゲットにも、最適化された形で広告を配信することができるようになります。

この記事では、企業のWeb担当者に向けて、現在主流となっているレスポンシブディスプレイ広告の仕組みやメリットを分かりやすく解説します。

レスポンシブディスプレイ広告とは

レスポンシブディスプレイ広告は、Googleが2018年に、Yahoo!が2020年に提供を開始したデジタル広告の新しい出稿形式です。AIの機械学習モデルが、Webサイトのサイズやデザインに合った形を自動的に選択して広告を配信します。

広告を出稿する企業は、見出し、説明文、画像、動画、ロゴなどのアセット(広告の素材・要素)を組み合わせを気にせず出稿するだけで、掲載されるWebサイトのデザインや閲覧者層に最適化された広告を配信することができます。

レスポンシブディスプレイ広告の仕組み

PCやスマホなど機器によって違和感のない広告サイズが違うのはもちろん、同じ商品(サービス)の広告でも、ターゲットによって、もっとも効果が高い見出しや画像は異なります。

例えばペット用品の広告では、犬の画像を使うのがよいか猫の画像を使うのがよいかはWebサイトによって異なります。レスポンシブディスプレイ広告は、複数の見出し、説明文、画像を出稿することで、AIが最適の組み合わせを選択します。

Googleのレスポンシブディスプレイ広告を利用するときは、次のようなアセットを用意して出稿します。

・画像(最大15個)

・短い広告見出し-15文字以内(最大5個)

・長い広告見出し-45文字以内(1個)

・説明文-45文字以内(最大5個)

・ロゴ(任意)

・動画(任意)

これらの組み合わせパターンは、非常に大きな数になります。例えば、短い見出し5個と説明文5個の組み合わせが25通りで、画像が10個とするとパターン数は250通りです。

レスポンシブディスプレイ広告は、多くの広告パターンを制作する必要がなく、組み合わせを指定する必要もありません。どの端末やWebサイトでどのパターンがもっとも見やすく、ユーザーの反応が良いかをAIが判断して、自動的に組み合わせて配信してくれるのです。

レスポンシブ検索広告との違い

レスポンシブディスプレイ広告とレスポンシブ検索広告ではWebサイト上で掲載される場所が違い、アセットの種類も異なります。

掲載される場所が違う

検索広告(リスティング広告)は、GoogleやYahoo! でキーワード検索したときの検索結果画面(目次ページ)に掲載される広告で、ディスプレイ広告はWebサイトやアプリ内の広告枠に掲載される広告です。

レスポンシブ検索広告とレスポンシブディスプレイ広告も、掲載場所に同様の違いがあります。

アセットの種類が違う

レスポンシブ検索広告のアセットは「見出し・説明文・URL」の文字のみです。Googleのレスポンシブ検索広告は、15個の見出しと4個の説明文を登録すると、AIが検索キーワードに合う見出しと説明文の組み合わせを自動的に選択してくれます。

レスポンシブディスプレイ広告のアセットは、見出しや説明文の他に、画像や動画などのビジュアルが加わります。

ターゲティングが違う

レスポンシブ検索広告は、AIが検索キーワードに最適化した見出しと説明文を選択します。

例えば、同じクレンジングクリームでも、キーワードが「クレンジングクリーム 敏感肌」なら見出しは「敏感肌に優しいクレンジングクリーム」を、「クレンジングクリーム 毛穴」で検索されたときでは「毛穴の中まできれいに落ちるクレンジングクリーム」という見出しが掲載されます。

レスポンシブディスプレイ広告は、サイト閲覧者の年齢層や行動パターンなどをAIが判断して、配信するサイトを選び、アセットを組み合わせます。

レスポンシブディスプレイ広告のメリット

レスポンシブディスプレイ広告のメリットは、広告制作や管理の手間を最少にしながら、広告効果の最大化、CTR(クリック率)の上昇を図れることです。

AIが広告を最適化する

レスポンシブディスプレイ広告では、広告主が出稿した画像や見出しなどのアセットを、Webサイトのサイズやターゲットに合わせてAIの機械学習モデルが予測した最適の組み合わせで配信します。

AIは広告の最終成果(コンバージョン)を見ながら、アセットの最適な組み合わせを学習していきます。

広告主は、よりターゲットに刺さるものになるようにそれぞれのアセットの質を上げることや十分な数を揃えることに配慮すればよく、組み合わせを考える必要はありません。

配信可能なサイトが増える

レスポンシブディスプレイ広告はWebサイトの広告枠に合わせて、アセットの選択、画像のリサイズを自動的に行なうので、「ターゲットは合っているが、広告フォーマットが適合しない」という事態が生じません。

サイトによってはテキストのみで配信されたり、コンテンツの内容に違和感がないネイティブ広告として配信されることもあり、広告のインプレッション(露出)やリーチが拡大します。

コストパフォーマンスが上昇する

アセットを組み合わせた広告パターを多数制作する必要がなく、個々のアセットをアップロードするだけなので、広告制作にかける時間と費用を大幅に軽減することができます。

軽減された時間と費用を、広告管理の強化やキャンペーン運営などに回せるので、広告部門のパフォーマンス向上が可能です。

動的リマーケティングを併用してピンポイントのアプローチができる

あるユーザーが過去にWebサイトで閲覧した商品やサービスを広告に取り入れることを「動的リマーケティング」といいます。動的リマーケティングを行なうには、新規あるいは既存のキャンペーンに詳細な商品情報(フィード)をアップロードする必要があります。

レスポンシブディスプレイ広告は動的リマーケティングを併用することで、個々のユーザーのWebサイト閲覧履歴に合わせてピンポイントにカスタマイズされた広告を配信することができます。

レスポンシブディスプレイ広告のデメリット

レスポンシブディスプレイ広告は、ディスプレイ広告の最新システムであり、デフォルト(標準設定)です。上記のようにメリットは数多くありますが、デメリットはとくになく、しいて言えば次の1点です。

画像や見出しの組み合わせ毎の効果を確認できない

レスポンシブディスプレイ広告は、画像や見出しなどのアセットの組み合わせ毎の掲載結果を確認することができません。そのため、どの組み合わせが効果的だったかを知ることはできません。

管理画面から確認することができるのは、画像や見出しなど各アセット単独の掲載結果だけで、それも具体的なクリック数などの数字ではなく、「最良」「良」「低」の3段階での評価だけです。

レスポンシブディスプレイ広告を利用する際の注意点

レスポンシブディスプレイ広告のデメリットというより「注意点」としては、クリエイティブの質はあくまで広告制作側の責任だということです。

広告の要素である画像、見出し、説明文などがターゲットに刺さるかどうかは、人間の創造性にかかっており、AIはアップロードされた要素の組み合わせを考えるだけです。

最適の組み合わせが高いパフォーマンスを達成するためには、ユーザーのペルソナにマッチする良質のアセットをアップロードする必要があります。

また、レスポンシブディスプレイ広告は、Webサイトによっては、画像なしのテキストだけで掲載されることがあるので、テキストだけでも意味が通じる文面にするように配慮しましょう。

レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定

Googleのレスポンシブディスプレイ広告(GDA)とYahoo!のレスポンシブディスプレイ広告(YDA)の入稿規定をご紹介します。

GDAの入稿規定

Googleのレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は、下記のように定められています。

【広告見出し】

・短い広告見出し(全角 15 文字、半角 30 文字以下)1~5個

・長い広告見出し(全角 45 文字、半角 90 文字以下)1個

【説明文】

全角 45 文字、半角 90 文字以下 1~5個

【画像】最大15個

・横長の画像 横縦比1.91:1 600×314以上(推奨は1200×628)上限ファイルサイズ 5120 KB 

・スクエア画像 横縦比1:1 300×300以上(推奨は1200×1200)上限ファイルサイズ  120KB以下

・画像の中の文字の部分が画像全体の20%を超えないこと

・画像の両端がトリミングされる場合がある(各辺最大5%)

【ロゴ】省略可 最大5個

・横長のロゴ 縦横比4:1 512×128以上(推奨は1200×300)5120KB以下  

・スクエアロゴ 縦横比1:1 128×128以上(推奨は1200×1200)5120KB以下

【動画】省略可 最大5個

・YouTube 動画のリンクのみ

・動画の長さ30 秒以下

【会社名またはブランド名】

・全角15文字以下

Yahoo!広告(YDA)の入稿規定

Yahoo!のレスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は、下記のように定められています。

【タイトル】20文字以内

【説明文】90文字以内。省略される場合あり

【画像】1200ピクセル ×628ピクセル、300ピクセル×300ピクセルの2パターン

【主体者表記】20も次以内。会社名、ブランド名、商品名、サービス名のいずれか

【ロゴ】省略可。画像の枠線禁止、透過背景禁止、角丸禁止

【ボタン】「詳しくはこちら」「もっとみる 」など17種類の文言から選択。スペースによって表示されない場合あり。

【表示URL】29文字以内

まとめ

デジタル広告の主流となったレスポンシブディスプレイ広告の仕組みやメリットをご紹介しました。

企業のデジタル広告担当者にとって、レスポンシブディスプレイ広告は従来広告制作にかけていた時間や費用を省けるとともに、広告の最適化によってコンバージョンを上げることが期待できる広告システムです。利用を検討する際に、この記事が役立つことを願っています。