マーケティングオートメーション(MA)とは?

マーケティングオートメーションとは、マーケティング活動のアクションや管理を自動化する仕組みを指します。自動化といっても設定作業は発生するので、完全自動化という意味ではなく、より効率的・効果的におこなうという意味が適切です。

マスマーケティングではなく、興味・関心・行動が異なる個別の顧客それぞれに対して適切なコミュニケーションをとるOne to Oneマーケティングにおいて、100人の顧客に本当に個別に100の施策を打っていたら日が暮れてしまいます。その煩雑な業務のうち、自動化できる部分を自動化して業務効率を高めるためのツールがマーケティングオートメーションツールです。

マーケティング施策における名刺管理やメール配信等のツールはこれまでにすでにありましたが、マーケティングオートメーションツールならそれら全てを1つのソフトウェアに統合できます。またマーケティング部門のみが利用するのではなく営業部門とデータを共有し活用できることが、マーケティングオートメーションツールの大きな特徴です。

マーケティングオートメーションツールの機能について

マーケティングオートメーションツールの代表的な機能としては、メール配信、フォーム制作、ランディングページ制作・最適化(LPO)、広告キャンペーンの管理、各マーケティングデータの集計・解析などがあります。

BtoBマーケティングでは一般的に、「リード獲得→リードナーチャリング(育成)→営業活動」というフェーズを経て受注となります。受注後のリレーションやアップセル、クロスセルのフェーズもありますが、ここでは説明をシンプルにするために省略します。

この流れをマーケティングオートメーションツールの機能に落とし込むと、次のようになります。

リード獲得

・アクセス解析

自社サイトに来訪した見込み顧客の行動を分析できます。ツールによっては企業解析までできるものもあり、どのような業種の企業が自社のどの製品ページに興味を持っているのか等、マーケティング戦略に役立つ情報が得られます。

・ランディングページ制作

広告など各種プロモーション施策から流入してきた見込み顧客に見せる専用のページが、ランディングページです。魅力的なランディングページを簡単に作成・設置・管理できる機能が搭載されています。

・フォーム制作

リード獲得のためには、ランディングページと同じく情報を登録してもらうフォームも重要です。マウス操作で短時間で簡単にフォームを作成できる機能が、多くのツールに付いています。

・セミナー管理

セミナーを開催する際に、案内ページと申し込みフォームを制作して、集客およびリマインドのためにメールを配信します。セミナー開催前は参加者リストを管理し、開催後はリードとしてデータベースで管理します。これらの作業を一元管理できる機能です。

リードナーチャリング

・メール配信

メールの作成と配信をおこなう機能です。文面テンプレートが用意されているツールも多いです。

リードのデータベース管理機能と連携し、見込み顧客の興味の度合いやサイト内の行動履歴に応じて、メール文面を変えるなどの調整ができるものもあります。

さらに、シナリオを設計して最適なタイミングで最適な内容のメールを自動配信できるツールもあります。これをステップメール機能と呼びます。

・コンテンツマーケティング

見込み顧客ごとの購買プロセスを考え効果的なコンテンツを作り、届けることが、コンテンツマーケティングです。マーケティング施策のキャンペーンを管理したり、ページを制作したり、配信するコンテンツへの反応をA/Bテストしたりできる機能が、コンテンツマーケティング機能と言えます。

営業活動

・リードスコアリング

リードスコアリングとは、サービスサイトの閲覧やメルマガ開封などのアクションから点数(スコア)を付け、各リードの受注確度の高さを可視化する機能です。この点数が高いリードに優先的にアプローチすることで、営業活動を効率化するのです。

点数が設定した基準値に達した場合に自動通知することもできます。

マーケティングオートメーションツール選定のポイント

ツール選定の最大のポイントは、自社のマーケティング活動のレベル感がそのツールの機能や強みとマッチしているかどうかです。

例えば、広告を1種類しか実施していないのにも関わらず広告効果測定機能が充実したツールを導入しても、宝の持ち腐れになってしまいます。自社の状況に合っていないツールを導入して費用がマーケティング予算を圧迫し、「これが無ければ広告がもう1チャンネル増やせたのに」となってしまうのは本末転倒です。

自社の現状のマーケティング活動の問題点を洗い出し、キーになる部分を押さえてツールを選定してきましょう。

料金は従量課金の場合がほとんどです。サイトのアクセス数や登録する顧客データ件数、使用するログインユーザー数などを軸に価格テーブルが設定されているので、自社が保有するリード数やどこまでの施策を実施したいかを把握して、各サービス提供会社に見積もりを依頼するようにしましょう。

マーケティングオートメーションツール比較

Web解析

フォーム制作

ランディングページ制作

メール配信

リードスコアリング

金額

Marketing Bank 掲載

Pardot

A/Bテスト

A/Bテスト

月額費用:120,000円~

List Finder

IP解析

セミナー管理

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:30,000円~

HIRAMEKI management

サイト価値算出

A/Bテスト

月額費用:50,000円~

Synergy!360

×

初期費用:150,000円

月額費用:25,000円~

Kairos3

×

ステップメール

初期費用:10,000円

月額費用:5,000円~

Marketo

×

トリガー設定

月額費用:128,700円~

Oracle Marketing Cloud

月額費用:約220,000円

HubSpot

月額費用:24,000円~

×

SATORI

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:100,000円~

×

アプリ解析

要相談

SHANON MARKETING PLATFORM

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:25,000円~

×

Web解析

フォーム制作

ランディングページ制作

メール配信

リードスコアリング

Marketing Bank掲載

Pardot

A/Bテスト

A/Bテスト

月額費用:120,000円~

IP解析

セミナー管理

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:30,000円~

HIRAMEKI management

サイト価値算出

A/Bテスト

月額費用:50,000円~

Synergy!360

×

初期費用:150,000円

月額費用:25,000円~

×

ステップメール

初期費用:10,000円

月額費用:5,000円~

Marketo

×

×

トリガー設定

月額費用:128,700円~

Oracle Marketing Cloud

月額費用:約220,000円~

HubSpot

月額費用:24,000円~

×

SATORI

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:100,000円~

×

B→Dash

アプリ解析

要相談

SHANON MARKETING PLATFORM

ステップメール

初期費用:100,000円

月額費用:25,000円~

×

Pardot(パードット)

セールスフォース社の製品です。すでに営業部門で顧客管理・営業支援ツールとして「Salesforce」本体を導入している企業であれば、マーケティング部門でこのツールを追加導入するメリットは大きいです。

価格は利用できる機能の数に応じて分かれていて、一番下のエディションで月額120,000円からとなっています。

マーケティング部門がホットな見込み顧客を増やして、売込みタイミングで営業部門に供給するシームレスな連動で、売上拡大につながります。

株式会社セールスフォース・ドットコム

List Finder(リストファインダー)

最大の特徴は、自社サイトにアクセスしてきた企業名が分かる解析機能です。IPアドレスを使って企業を判別し、紐づけられた企業データベースを閲覧できます。PV数から興味の度合いも分かります。どのページを見たかも分かるので、分析すればOne to Oneの営業アプローチができます。

これまでテレアポを闇雲におこなっていた企業は、自社サイトに来訪した見込み顧客にアプローチすることで効率化を図れます。

価格は、初期費用が100,000円で、月額費用はサイトのPV数と登録顧客データ数によって変動する形で30,000円からとなっています。

株式会社イノベーション

HIRAMEKI management

アクセス解析に加え、サイトの価値を金額で可視化する機能やカスタマージャーニー分析機能まで付いているので、マーケティング業務にすでに携わっている方であれば、見込み顧客の動きを明確に”見える化”できます。

その他ベーシックな機能も全て備わっており、分析と施策のPDCAサイクルをスピーディーに回すことができます。PDCAの実施で無駄を無くして効果を最大化できるツールです。

初期費用は0円、月額基本料50,000円からの従量課金制です。

トライベック・ストラテジー株式会社

Synergy!360

機能のベースは顧客データベースの構築です。料金体系も顧客データ件数に応じた従量課金になっています。ミニマムは5,000件以内で月額25,000円。別途、初期費用150,000円がかかります。

顧客データベースを基に、メール配信機能やアンケート/フォーム作成機能を用いて、顧客ごとに最適なコミュニケーションを図れます。

リード育成の強化に関心が高い方におすすめのツールです。

シナジーマーティング株式会社

Kairos3

初期費用10,000円、月額料金5,000円〜というのは圧倒的な低価格です。部門の予算でも導入できるコスト感です。

スコアリング機能まで付いているので、新規顧客開拓のみならず休眠顧客リストを活用して最適なアプローチで成約に結びつけることも可能です。

熟知した専任者がいる必要がないほどにすぐに簡単に使い始められるので、売上アップに直結する営業ツールとも言えます。

カイロスマーケティング株式会社

Marketo(マルケト)

2006年にアメリカで創業したマルケト社の製品です。マルケト社はマーケティング専業ベンダーで、全世界で4,600社以上の導入実績があります。このツールなどが上陸したことで、日本でもマーケティングオートメーションが活発になったと言われているほどです。

料金は月128,700円から。

ランディングページとフォームを作ってメールを配信し、それらでA/Bテストも可能です。細かくリードナーチャリングをおこなっていけるマーケティング上級者なら、効果を一段上げられるツールです

機能が豊富なのはもちろん、使いやすいインターフェイスであることも評判です。

株式会社サンブリッジ

Oracle Marketing Cloud

リードのスコアリングが16象限のマトリックスでなされるという精密さが特長です。

それを基にナーチャリングのシナリオを細かく設計することができます。施策/結果の画面はホワイトキャンパス調の直感的なUIになっており、営業部門でもこれまでの動向を細かく把握した上でアプローチ可能になります。

マーケティング部門から営業部門に渡すあいだに連携の溝を感じている企業は、このツールの導入で再度マーケティングの見直しが図れます。

料金は月額約22万円から。

日本オラクル株式会社

HubSpot(ハブスポット)

“インバウンドマーケティング”という言葉を作った、その手法を初めて提唱したアメリカの企業です。導入企業は全世界で18,000社以上と圧倒的な実績があります。

価格は顧客数に応じてで月額24,000円~、年間契約となっています。

基本的な機能が網羅されているのはもちろん、他のツールと異なる特長はブログの構築機能が優れている点です。

自社ブログを利用してマーケティングをおこなうようなレベル感の方におすすめできるツールです。

HubSpot Japan株式会社

SATORI

DSPと連携ができるので、広告配信からメール配信までを繋げてのシナリオ設計が可能です。また、外部データを利用した集客もできるので、実名ユーザーだけでなく匿名ユーザーにもマーケティングが可能となっています。

料金は、初期費用100,000円、月額100,000円から。上述の各種データ提供のオプションは追加料金となっています。

国産ベンダーにつき直で相談に乗ってもらえるので、サポートを重視する方からは高評価です。

SATORI株式会社

B→Dash

マーケティングプラットホームという枕詞が付いている通り、マーケティングの各プロセスにおいて必要とされる機能が全て網羅されています。

マーケティングに熟知している専任者がいる企業向けのツールと言えます。

集客施策においては、どの広告が本当に効果があるのか効果測定の機能が充実しています。販売促進のフェーズでは、効果的にコミュニケーションを取る機能を活用することで、見込み顧客を収益へと変えることができます。さらには人工知能の機能も搭載しており、データを基にした機械学習で業務の自動化を加速してくれます。

料金は要件に応じて応相談となっています。

株式会社フロムスクラッチ

SHANON MARKETING PLATFORM

展示会・セミナーの顧客管理において、メール集客から来場受付、その後のリード育成までを一元管理できます。オンラインのみならずオフラインでのキャンペーンプロセスも統合管理でき、その作業時間を大幅削減できるのが強みです。

価格は、マーケティングに継続利用する場合は初期費用100,000円の月額費用25,000円からとなっているわけですが、展示会などで単発利用したい場合のプランも用意されています。

大きなイベントをマーケティング活動の軸に据えている企業には絶好のツールとなっています。

株式会社シャノン

マーケティングオートメーション成功の鍵

マーケティングオートメーションツールを導入して成功するかどうかの鍵は人的リソースです。

ツールを導入することで得られるデータからカスタマージャーニーを分析してシナリオ設計をおこない、初めて”オートメーション”されます。自動化したコミュニケーションパターンを生むことができます。

一度設定した後も、データを分析してコミュニケーションメニューを更新するのは人になります。PDCAサイクルを回していければ、ツールは最高のパフォーマンスを発揮します。

少なくとも1人はツール全般を統括するマーケティング専門担当者を置く必要があります。

ツール比較の側面から分かることもあります。どのツールにもメール配信機能は付いています。このことから、マーケティングオートメーションにおける手始めの施策はメールマーケティングによってリードナーチャリングをおこなうことが定石と言えます。

自社に適したマーケティングオートメーションツールを導入すれば、どのような部門体制の企業でも、どのような方でも、簡単にマーケティング活動を強化できます。ツールを導入してPDCAサイクルを回していくことで、売上の拡大を目指しましょう。