マーケティングオートメーション(Marketing Automation)という言葉は海外では2007年頃、日本では2014年頃から広まり始めました。今ではWebマーケティング・デジタルマーケティングに携わる人にとって、セミナーや展示会、ニュースなどでは常に話題となっています。

マーケティングオートメーションのツールや支援サービスは年々増加し市場は非常に活発であり、注目度も上がってきております。導入を検討している企業にとっては選択肢が増え、ベンダーはサービスや機能を拡充し洗練するフェーズとなってきています。

今回は、マーケティングオートメーションのトレンドと共に、営業担当者にとってどのような変化や影響があるのかをご紹介します。

マーケティングオートメーションから営業担当者に対して積極的に通知を行う

国内のベンダーではこのような動きはあまり見られませんが、海外のSFAやCRMを持っているベンダーを中心に、営業担当者が日々触れているPCやスマホといったデバイスに対して、マーケティングオートメーションから積極的に通知を行うような機能が開発・実装されています。

具体的には、営業担当者が利用しているGmailなどのブラウザメールサービスや、Outlookなどのメーラー(メールソフト)上で、顧客のメール開封状況やWebサイトの閲覧状況など、Web上での行動(オンラインアクティビティ)を確認することが可能になってきています。営業担当者がマーケティングオートメーションツールの管理画面にアクセスして必要な情報を確認するのではなく、営業担当者の行動を促すような形で、マーケティングオートメーションツールから積極的に通知をします。

これらの通知を参考にして、営業担当者は興味が高まっているクライアントに対して適切なタイミングで営業活動を行うことが可能になります。

また、これらの通知はPCであればブラウザのアドインを利用することで、スマートフォンであればアプリをインストールすることでPUSH通知が可能です。

このような機能は、次のような形で提供されています。

Sidekick by HubSpot

Sidekick(旧Signals)はHubspotの提供するメーラーのアドオンです。主な機能として、送信したメールの開封状況やクリック結果を通知するというものです。また、Hubspotと連携していることから、他の人がアプローチして取得・記録した情報やオンラインアクティビティの結果も通知することができます。

Salesforce IQ

SalesforceIQはSalesforceが買収したRelateIQをもとに開発したツールです。過去のメール履歴やコンタクト履歴等を分析し、営業担当者にとって必要な情報を通知するという機能を持っています。このツールも営業担当者が利用するメーラーで利用できるようになっており、Chromeのアドインで導入できます。営業担当者のメーラーに直接入り込むのみでなく、コンタクト履歴等を分析する機能により効率のよい営業活動が可能になります。

人工知能(AI)の活用による分析のオートメーション

人工知能(AI:artificial intelligence)の活用がさまざまな領域で注目を集めています。その市場は2030年までに86兆円になるという予測もあります。AIの発展は今まで人が行っていた業務を人工知能が代替していくことを意味しており、マーケティングにおいても例外ではありません。

特に、マーケティングではデータ分析が重要である一方で、どうしても分析に時間がかかってしまいます。これを人口知能で行うことができれば、効率良く効果的なマーケティングを行えるようになります。

営業担当者にとっては、AIにより今までは経験を元に改善していたことが、自動的にマーケティングオートメーションツール側で改善されていくようになります。

 参考:人工知能が経営にもたらす「創造」と「破壊」

人工知能(AI)の活用に取り組んでいるマーケティングオートメーションツールやトピックとしては次のようなものがあります。

B→Dash

B→dashは株式会社フロムスクラッチが提供する、AIによるデータ分析機能を持ったマーケティングオートメーションツールです。マーケティングオートメーションツールの多くが、広告配信からオポチュニティの発掘までを支援領域としているのに対して、B→dashは認知獲得から最終的な受注のフェーズまで一気通貫で管理することが可能であるという特徴もあります。支援領域が広いことから受注や成約を「正解」としてデータ分析ができ、この部分でAIが使われています。AIが「正解」に至るパターンを分析・学習していくことによって、適切なタイミングでのアプローチのPDCAが効率よく行われます。

IBM Watson 関連

AIというとIBMのWatsonが有名ですが、これをマーケティングデータに活用する取り組みもIBMが行っています。データ分析のBIツールは既に一般的で、AIを活用した分析ツールは多数発表されています。Watsonは分析するのみでなく、例えばIBM Watson Trendで商品に対しての評判をサマリ・予期することが可能です。また、画期的なのはWatson Analyticsはツールとして公開されていて、一般ユーザーにも比較的容易に触ることができる点です。

GoogleもAIのAPIを公開するというニュースがあり、今後AIは0から作るのではなく、複数のAPIを利用して構築していくものになるかもしれません。

まとめ

マーケティングオートメーションは現在、注目を集めており、マーケティングオートメーションを導入することで営業担当者の働き方は変わっていきます。

市場が広がるにつれてマーケティングオートメーションの機能が拡張されたり、AIの技術が進むにつれて自動で最適化される領域が広がっています。

営業担当者が独自の判断で行動するのではなく、AIによる提案がPUSH通知されて行動する時代は近い未来かもしれません。