自社のネットショップの利益を高めるためにはさまざまな改善施策を行う必要がありますが、ただやみくもに自分たちのやり方で施策をしていては効果を出すのは難しいもの。「市場分析」と「競合分析」から自社をとりまく環境の変化をいち早く察知し、それに対応した策を講じる。これがマーケティングの重要な考え方となります。今回の記事では、この中でも特に「競合分析」をどのような考え方、やり方で実施すればよいのかについてお伝えします。

なぜ「競合分析」が必要か

競合分析のやり方についてお伝えする前に、まずは競合分析がなぜ必要か考えてみましょう。ネットショップ運営者の多くは、自社の利益を高めるため日々さまざまな努力をしています。想定した通りの効果が出ることもあれば、「思ったほどの成果が出ない」という場合もあります。こうした施策の結果は運営者の努力によるものもありますが、それとは別に、市場の変化が影響を及ぼしていることも少なくありません。運営者は自社の施策の内容と結果を精査するだけでなく、市場の変化を読み取る必要があるのです。その際、参考になるのが「競合ネットショップの動向」。同業他社の成功例・失敗例を参考にすれば、今後行う施策の方向性が見えやすくなるのはいうまでもありません。

ネットショップの競合分析は2つのポイントに沿って行う

では、競合分析とは具体的に何を分析するのでしょうか。大まかにいうと、競合分析とは(1)競合が何を行っているか、(2)その結果競合の数字がどう動いているか、を知ることです。この2点のポイントを意識して分析を進めることにより、業界のトレンドや、業界においてどんな施策が有効なのかといった情報を手に入れることができます。

まずは「競合が何を行っているか」を知る

次に、上記の2つのポイントをどのように実行すればよいのか考えてみます。まず「競合が何を行っているか」というポイントについて。これは要するにネットショップにおける実施策を観察することですので、それほど難しいことではありません。「広告にどれだけ予算を使ったか」といった細かい施策まではわかりませんが、少なくともショップ上でどんな改善を行ったか、どんな広告を配信しているか、はネットを使えばわかります。競合の改善施策をチェックする際には、たとえば以下のような点に注目してみてください。

・新商品の追加など、ラインナップの変動

・商品の在庫数の変動(売れ筋商品の在庫増加など)

・商品ページの写真の撮り方の変更

・トレンドを意識したキャンペーン企画

・ネットショップ自体のデザイン・構成の変更

・どのような広告をどれくらい出稿しているか

上記のようなポイントを見れば、競合ショップがどんな改善施策を実施しているか大まかに把握することができるでしょう。こうした情報を集めることで、業界のトレンドの変化をとらえることができます。

競合の数字はどう動いているのか

続いて、競合分析の2つ目のポイント「競合の数字はどう動いているか」についてです。これがわかれば、「競合がどのような施策を実施し、その結果どの程度の成果が出たか」を知ることができるため、自社の施策の参考にもしやすくなります。

ところが困ったことに、競合の数字の動きを読むのは簡単なことではありません。これが実店舗における競合分析と、ネットショップにおける競合分析の最も違う点といえるでしょう。

実店舗の場合、「競合が何を行っているか」「競合の数字はどう動いているか」の2点とも比較的簡単に知ることができます。まず「競合が何を行っているか」については、実際に店に行けば店内のレイアウトや陳列を見ることができますし、店員のサービスの質、販売方針といったものもある程度つかめます。

また「競合の数字はどう動いているのか」についても、実店舗なら少し手間をかければ知ることは可能です。たとえば実店舗の前で終日観察していれば来店者数は数えられますし、レジを通っている顧客の数をカウントすれば販売数もわかる。同系統の店舗であれば大まかな客単価もわかるため、1日の店舗の売上も計算することが可能です。

ネットショップにおける競合の数字は見えにくい

一方、ネットショップにおける競合ショップの「数字」はなかなかクリアに見えないものです。実店舗のように、ショップを訪れるユーザーの動きを見ることができないからです。受注数、1日の売上といったデータを知る糸口は、なかなかつかむことができません。これはネットショッピングならではのもどかしさといえるでしょう。

まとめ

以上、今回はネットショップにおける競合分析の考え方とやり方についてご紹介しました。ネットショップの世界において競合分析を正確に行うことは、残念ながら決して簡単なことではありません。ただし、少なくとも忘れてはいけないのは(1)競合が何を行っているか、(2)その結果競合の数字がどう動いているか、という2点の両方を踏まえて分析を行わなければ情報としては不十分である、ということです。「競合ショップがこんな施策をしている」という理由だけで、「うちも同じ施策をやってみよう」と判断するのは早すぎるわけです。慎重に情報を集め、「どんな施策を実施すれば、どんな効果が出るか」を知り、それに沿った施策を実施する。それが、施策で効果を出す最も確実な方法なのです。