ターゲティング広告とは、特定の消費者をターゲットとして配信することができる広告のことです。

消費者が閲覧しているWebサイトに合わせて広告を配信するオーディエンスターゲティング、関連性が高いコンテンツを配信するコンテンツターゲティング、位置情報に基づく位置情報ターゲティングなど、ターゲティング広告にはさまざまな種類が存在します。

高い効果が期待できるターゲティング広告について、この記事ではターゲティング広告が利用される理由、仕組み、4つの種類、メリットとデメリットなどを解説します。

ターゲティング広告(ターゲット広告)とは?

ターゲティング広告とは、特定の消費者をターゲットとして配信する広告のことです。広告主が設定した特定の条件に従って広告を出稿できるため、高い効果が期待できます。

例えば、サラリーマンでスーツをネットで買う機会が多い人に対しては、スーツに関する広告を表示すれば購買につながる可能性が高いと考えられます。ターゲティング広告を使えば、スーツについて検索している人を対象として、スーツに関する広告を発信することができるのです。

ターゲティング広告が活用される理由

ターゲティング広告は広く活用されていますが、その理由としては、広告効果が高いこと、費用対効果が高いことなどが考えられます。

消費者の興味・関心や使用端末(スマートフォン・パソコンなど)、位置情報などに基づき、コンバージョンが期待できる消費者を狙って広告を配信するため、高い広告効果が期待できるのです。

また、ターゲットを絞って広告を配信するため、広告を配信してもコンバージョンが期待できない消費者に対する広告な無駄な露出を減らすことで、結果として高い費用対効果が期待できます。

年齢や性別などの属性によって広告を配信する静的な広告配信と比較すると、ターゲティング広告

の方が、直近の消費者の行動に沿ったダイナミックな広告の表示が可能です。

ターゲティング広告の仕組み

ターゲティング広告では、消費者の興味・関心や行動データに基づいて広告を発信します。では、どのように広告配信会社は消費者の興味・関心や行動データを集めているのでしょうか?

仕組みは、この後に紹介するターゲティング広告の種類や広告配信会社によって異なります。ここでは、代表的なターゲティング広告の仕組みを紹介します。

Cookieを利用した仕組み

一般的なしくみが、Cookieを利用した仕組みです。Cookieとは、Webサイトからユーザーのパソコンなどに保存される情報のことで、訪問したECサイトで商品を購入する時に入力した個人情報などが保存されるため、ユーザーが後日同じサイトを開いたときに、情報入力の手間が省けるなどのメリットがあります。

また、閲覧したページに広告が配信されている場合、広告をクリックしていなくても、サードパーティCookieが発行され、Webブラウザーに保存されることもあります。

Cookieがあれば、広告配信会社は消費者のWebサイトの訪問情報やECサイトでの商品購入情報から消費者の興味や関心を把握でき、ターゲティング広告が可能になります。

サイト内での行動データを利用した仕組み

サイト内での行動データを集め、分析を行い、ターゲティング広告を行う方法も一般的です。会員制のECサイトなどでは、会員ごとの購買履歴やログイン中に閲覧された商品の履歴などを集めることが可能です。

また、会員制でないWebサイトにおいても、Cookieを利用して閲覧者を識別するIDを発行し、訪問者の閲覧履歴を取得することが可能です。会員制のWebサイトにログインせずにアクセスしている閲覧者に対しても、同様の方法で閲覧履歴を取得することができます。

さらに大規模なポータルサイトなどでは、サイト内でのアクセス履歴から行動分析することが可能です。Yahoo!は2007年にターゲティング広告の配信を開始しましたが、2007年時点で、利用者を興味・関心別の約800のグループに分類できると発表しました。

GPSの位置情報を利用した仕組み

位置情報ターゲティング(ジオターゲティング)は、GPSなどを利用して取得した位置情報を利用する仕組みです。

アプリや検索エンジンでの検索時に「“〇〇(URLやアプリケーション名など)”が現在の位置情報を利用します。よろしいですか?」と表示されるのを見たことはありませんか?ここで「OK」を押すと、GoogleやYahoo!、アプリの運営会社に位置情報が共有されます。

その位置情報に基づいてターゲティング広告が配信されます。なおGPSに限らず、IPアドレスやビーコンなどでも位置情報を読み取ることが可能です。

ターゲティング広告の種類

ターゲティング広告には、主に4つの種類が存在します。

オーディエンスターゲティング

オーディエンスターゲティングは最も種類が豊富で、利用が多いターゲティングです。オーディエンス(Audience)とは、聴衆や視聴者(=特定の消費者)を指します。

消費者をターゲットとして広告を配信するため、消費者が閲覧しているWebサイトのコンテンツに関わらず、消費者が興味を持っている商品やサービスに関する広告が表示されます。

オーディエンスターゲティングを使えば、例えばスーツに関して検索を行うことが多いユーザーに対し、そのユーザーがスーツとは全く関係のない料理のレシピサイトや好きな芸能人のブログなどを閲覧しているときにも、スーツに関する広告を表示させることができます。

コンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングとは、コンテンツをターゲットとして広告を配信するターゲティング広告のことです。コンテンツターゲティングでは、Webサイトなどのコンテンツの内容に関連性が高く、より高いコンバージョン率が期待できる広告が配信されます。

例えば、スーツに関するWebサイトを閲覧している消費者は、他の消費者と比較するとネクタイやハンカチーフ、Yシャツ、革靴に興味を持っている可能性が高いといえるでしょう。そこでコンテンツターゲティングを使うと、スーツに関するWebサイト上にネクタイやハンカチーフの広告を表示することができます。

コンテンツターゲティングには主に2種類のターゲティングがあります。

・ プレイスメントターゲティング:特定のサイトを自ら指定して広告を配信する

・サイトカテゴリーターゲティング:特定のカテゴリーを指定して広告を配信する

デバイスターゲティング

デバイスターゲティングとは、デバイスをターゲットとして配信する広告です。

デバイスターゲティングはデバイスを「パソコン」「スマートフォン」「タブレット」といったように指定することができるほか、OS(AndroidやiOSなど)やバージョンなどの細かい指定が可能なケースもあります。これは広告配信業者によって異なるため、利用している業者の指定条件を確認してみてください。

利用デバイスが重要になるケースではデバイスターゲティングが有効です。例えば、iOSのみに対応しているアプリについてAndroid端末の利用者に向けて広告配信を行なっても意味がありません。

また最新バージョンのiOSのみに対応しているアプリを、古いバージョンの利用者に向けて広告配信しても同じく意味がありません。デバイスターゲティングを行うことで、このような無駄を省くことができるのです。

位置情報ターゲティング(ジオターゲティング)

位置情報ターゲティングとは、位置情報をターゲットとして配信する広告です。インターネット広告を通じてオフラインの場に送客できるという強力なメリットを持ち、注目度が高まりつつあります。

例えば、東京都の新宿区にしかない店舗が、沖縄に住んでいる消費者に広告を配信しても意味がありません。しかし位置情報ターゲティングを利用することで、「現在新宿にいる消費者」や「定期的に新宿に来る消費者」に対して広告を配信することが可能となります。

なお、位置情報には端末のGPSや店舗に設置されたビーコンが利用されます。ビーコンとは、特定の条件を満たす端末が来店情報を受信できる装置のことです。

ターゲティング広告のメリット・デメリット

ターゲティング広告のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

ターゲティング広告のメリット

ターゲティング広告には、主に3つのメリットがあります。

・高いコンバージョン率

・ 広告コストの抑制

・リターゲティングが可能

ターゲティング広告は、商品やサービスに興味を持つ、コンバージョンが期待できる消費者を対象に広告を配信します。売りたい商品やサービスに合わせた適切なターゲティングを行えば、コンバージョン率の向上が期待できます。

また、商品やサービスに興味がない消費者には広告を配信しないため、無駄な広告コストがかかりません。

さらに、特定のWebサイトを訪問したことがある消費者に対して広告を再度配信するリターゲティング広告を行うことで、顧客の取りこぼしを防ぐことができます。

なお、消費者にとってもターゲティング広告は、興味関心のある広告に接触する機会が増え、興味の薄い広告を目にする機会が減るというメリットがあります。

ターゲティング広告のデメリット

ターゲティング広告には主に2つのデメリットがあります。

・ユーザーに不信感を持たせることがある

・配信方法の数が多く、知識や経験が必要

特定の消費者に対して類似の広告が集中的に表示されるため、繰り返し表示される広告を不快に感じる消費者もいるでしょう。ターゲティング広告に対して、「自分の情報を調べられているようで気持ち悪い」と感じる方もいるようです。

またターゲティング広告には配信方法の数が多く、媒体によりターゲティングが可能なユーザー層が異なることがあります。そのため、ターゲティング広告の知識や経験が浅い段階ではなかなか適切なターゲティング広告の運用ができず、損失が発生する可能性があります。

まとめ

ターゲティング広告について紹介しました。ターゲティング広告を利用することで、売りたい商品やサービスに興味・関心を持ち、高いCV率が期待できる消費者を狙って広告を配信することが可能です。
ターゲティング広告には、インハウス運用といって社内で専任の担当者を設けて運用を行う方法と、広告代理店に運用を代行してもらう方法があります。他の広告を運用しており、望ましい効果が得られない方は、ターゲティング広告の運用を検討してもいいかもしれません。