インターネット広告の需要は年々高まっています。ただ、広告を作成するためにはある程度のノウハウが必要であり、広告を作成して出稿すること自体も手間がかかります。

効果的な広告を早急に作成したい、自社に人材やリソースを確保する余裕がないとの思いから、広告代理店に依頼することを検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際によい代理店はどのように選べばいいのでしょうか。この記事では、企業のデジタル広告を担当する方に向けて、インターネット広告代理店の役割や費用相場について解説します。広告代理店を選ぶときのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

インターネット広告代理店の役割とは

インターネット広告代理店とは、リスティング広告やディスプレイ広告など、インターネット広告の代理業務を行う会社などのことです。新聞広告や雑誌広告、チラシ、紙のダイレクトメールではなく、デジタルで運用する広告を取り扱っています。また、出稿だけでなく、広告のコンサルティングを行う会社などもあります。

インターネット広告代理店の多くは、次のような手順で広告の効率化を進めています。

・広告誌の目的、予算などの条件確認

・掲載場所やプラン立案と見積作成

・投稿する広告の作成、投稿条件の設定

・広告掲載後のデータをもとに運営の最適化

・広告主への改善提案

代理店ごとに違いがありますが、広告主の要望を確認し、実際の運営を通じて適宜改善していくことが、インターネット広告代理店の大きな役割です。

広告主(クライアント)との関係

インターネット広告代理店と広告主との関係は、広告主がどのようなプロモーションを希望するかによって変化します。

まずはインターネット広告に次の2つの種類があることを理解しておきましょう。

・予約型:特定のサイトに用意されている広告枠を購入する広告

・運営型:リアルタイムで入札額や素材を変更し、常に最適な状態への変更を繰り返す広告

予約型の場合、広告主が広告枠の手配を依頼し、インターネット広告代理店が手配します。運営型の場合は広告主が代理店にニーズを伝え、それを最適化することが代理店の役割です。

インターネット広告代理店の費用相場

インターネット広告代理店の費用相場は、広告の内容や代理店の規模など、さまざまな要因によって変動しますが、概ね20万円以上を想定しておくとよいでしょう。具体的には、次の4つの費用の内訳によって総予算が大きく変動します。

・初期設定費

・運営代行費

・広告費

・クリエイティブ費

費用1 初期設定費

初期設定費とは、使用する広告媒体の最初の設定をおこなう費用であり、おおよそ2万円ほどの金額に設定されています。

広告をGoogleで始める場合でも、Facebookで始める場合でも、キャンペーンの目的や課金設定などの初期設定が結果に直結するため、多くのインターネット広告代理店が代行しています。

費用2 運営代行費

運営代行費が、インターネット広告代理店に運営依頼をする際に必要になる2つ目の費用です。

広告主は広告を代行しておこなうことを名目に、広告費の20~30%ほどの金額を運営代行費として支払う必要があります。いわば、インターネット広告代理店の知識やノウハウに支払う金額と言えるでしょう。

初期費用と異なり、運営代行費は継続的に発生するランニングコストです。

費用3 広告費

インターネット広告代理店に支払う、3つ目の費用が広告費です。自分でインターネット広告をした場合に発生する広告費も、代理店を利用するケースでは代理店に支払います。

ただし、広告主が設定した予算を支払うため、自分で広告を運営する場合との違いはありません。

費用4 クリエイティブ費

インターネット広告代理店に支払う、4つ目の費用がクリエイティブ費です。

クリエイティブ費とは、ユーザーを取り込むために必要と考えられる画像や映像、バナーなどを作成する費用であり、作成する素材によって金額が異なります。広告代理店に依頼せず自作するケースや、クリエイティブを切り分けて他の会社などに依頼するケースなども見られます。

ただし、クリエイティブ費をオプションとして扱う企業も多く、この費用を支払わなければ依頼できないわけではありません。

インターネット広告代理店の選び方

達成したい目的についてインターネット代理店と広告主が共通認識にすることが重要なので、代理店とは気兼ねなく話し合える関係性が望ましいといえます。

インターネット代理店を選ぶときには、次の5つのポイントから、本当に信頼することができるかを検討しましょう。

・担当者のコミュニケーション能力

・代理店の体制と役割分担

・途中解約に関する条件

・運営状況の報告頻度

・広告主のニーズを満たす事例

担当者のコミュニケーションの能力

コミュニケーション能力とは、ユーザーの疑問点や不安に感じている箇所を先回りして解消するスキルを指します。特にこれからインターネット広告のノウハウを身につける場合には、気軽に聞きたいことを聞ける担当者かどうか確認しましょう。

運営型の広告は、その目的によって手法を変えることも珍しくないため、依頼後も代理店と広告主とのスムーズなコミュニケーションが求められます。

代理店の体制と役割分担

代理店の体制と役割分担も、依頼する前に確認しておきたいポイントです。

インターネット広告代理店の規模や運営方針にもよりますが、基本的にはプロモーションを全体の管理をおこなうディレクターや素材を作るクリエーター、データの管理をおこなうアナリストなどが1つのチームを構成することで、広告運営がおこなわれます。

1人の担当者が複数の職務をおこなっているインターネット代理店よりも、1つの仕事に集中できる環境を与えている代理店を選ぶことが、コストパフォーマンスの向上につながります。

途中解約に関する条件

信頼できると判断して依頼したとしても、結果が伴わない場合には、ほかの代理店に依頼したほうがよいこともあります。そのためには契約を途中解約することもあるかもしれません。そのため、契約前に途中解約に関する条件を確認しておくことが重要です。

基本的に1~2か月前に解約を申し出れば問題ありませんが、インターネット代理店ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

運営状況の報告頻度

運営状況の報告頻度も、インターネット広告代理店を選ぶ際の重要なポイントです。

報告頻度を月に1度としているインターネット代理店も多くありますが、広告主の要望にあわせ、「安定するまでは月2回にしてほしい」などの要望に応えてくれるか確認しておきましょう。

また、どのような報告がなされているかも確認しておきたいポイントです。

広告主のニーズを満たす事例

さまざまなノウハウをもつインターネット広告代理店ですが、企業ごとに得意不得意があります。そのため、商談時には類似している事例を持っているか、似たようなサービスや商材のノウハウがあるかなどを確認しておきましょう。

インターネット広告代理店を利用するメリット・デメリット

インターネット広告代理店の利用を検討している方は、これから紹介するメリットとデメリットを比較してみましょう。

メリット

インターネット広告代理店を利用するメリットは、広告運用を自動化できることです。

プロモーションの初期設定や実際の運営、状況の報告といった業務のすべてを代理店がおこなってくれます。このようなメリットは、「対面での営業に集中したい」「広告を運用する部署がない」という企業には大きな価値をもたらすでしょう。

ただし、代理店を活用する理由を常に明確にしておきましょう。特に、インターネット広告代理店との付き合いが長くなるとなかなか契約を解除しにくくなるからです。

広告の目的が変われば対策も変わります。広告主が主導権を握って代理店を利用するという意識が大切です。

また、デジタル広告の最新情報がわかりやすいのもメリットです。自社にリソースや知識が不足している場合、最新の広告運用について情報が集めにくいです。インターネットの世界は、ルールや規定が変わるサイクルが早いのが特徴です。

広告はそのサイクルにあわせて変化していきます。媒体もさまざまなタイプが新しく生まれるため、常にアンテナを張って情報をキャッチしていくことはかなりの労力が必要です。

しかし、広告代理店に依頼すれば、そういった最新情報の収集や対応は、代理店に任せられます。

デメリット

インターネット代理店に依頼することにより、企業の広告運営が代理店頼みになってしまう点はデメリットといえます。自社にノウハウが貯まらないため、インハウス化が難しくなってしまうのです。

広告主がどれだけの知識をもっているかにもよりますが、知識のある代理店の立場が優位になり、言われるがままの運営になってしまうケースも少なからず存在しています。

冒頭でも解説したように、本来広告代理店の役割はインターネットを用いた広告の最適化です。すべてを代理店に委ねるのではなく、広告主も社内で広告に関する知識を蓄積するなどの工夫をすることも大切です。

また、代理店へのコストがかかる点もデメリットです。自社内で運用できれば手数料などの費用はかかりませんが、外注すればその分のコストがかかります。

ノウハウを蓄積すること、予算のバランスをとること、このあたりを考慮しつつ代理店を利用するとよいでしょう。

まとめ

今回は、インターネット広告代理店についてご紹介しました。

インターネットによる広告を使用する企業の増加に伴い、代理店への依頼を検討する企業も増えてきました。インターネット代理店に依頼するメリットは、広告を自動化できることです。代理店は、インターネット広告代理店のノウハウを活用し、プロモーションをおこなう目的を形にする手伝いをしてくれます。

ただし、代理店に依頼している間は継続して費用が発生します。そのため、代理店に依存しすぎないという意識を持ち続けることも重要です。運営を依頼しつつ、広告主が知識をつけていくことが、インターネット広告代理店との関係を健全にし、効果を見込めるポイントと言えるでしょう。