「インストリーム広告」は、YouTube広告の代表的な動画広告形式です。動画本編中に動画広告を挟んでYouTubeユーザーへ訴求することで、認知度向上などが期待できます。

インストリーム広告で成功するには、動画構成などを工夫する必要があるので注意しましょう。自社でYouTubeへの広告出稿を考えている方の中には、動画の作り方や出稿方法にお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

この記事は、企業のデジタル広告を担当する方に向けて、YouTubeのインストリーム広告の概要や種類、課金方法やメリット・デメリットについて解説します。広告出稿時の注意点もご紹介するので、出稿を検討している方はぜひご覧ください。

インストリーム広告とは

インストリーム広告とは動画コンテンツの再生中に表示される動画広告で、YouTubeで再生中に流れる動画広告が代表的なものです。インストリーム広告は、SNSの動画広告形式としても広く採用されています。

広告は再生している途中でスキップできるものと、スキップできないものがあります。長さも数秒から数十秒とさまざまです。

YouTubeの利用者が世界中で増加する中、インストリーム広告はGoogle全体の収益に大きな影響を与えています。企業側はインストリーム広告を上手に設定して運用することで、YouTubeのユーザー層から上手くセグメントを行いながらアプローチを行えるようになるのもポイントです。

インストリーム広告の種類

インストリーム広告には、次のような種類があります。ここではそれぞれの特徴を解説します。

プレロール広告

プレロール広告は、YouTubeなどの動画サイトで、動画が再生される前に表示される動画広告です。スキップ不可、あるいはスキップ可能な形式で動画が再生され、再生が終了すると動画コンテンツを視聴できるようになっています。

プレロール広告を付けられる動画コンテンツの尺は特に決まっていません。そのため、2分程度の短い動画にも広告が表示される場合があります。ユーザーは動画コンテンツを視聴するためにまず広告を視聴しなければならないため、動画広告を見てもらいやすいのが特徴です。

ミッドロール広告

ミッドロール広告は、動画の再生途中に表示される動画広告です。長い動画だと、再生中に複数回動画広告が途中で再生される場合もあります。

以前のミッドロール広告は、「YouTubeで再生される動画コンテンツの時間が10分以上」でなければ付けられませんでした。しかし規制が緩和され、現在では8分以上尺のある動画であればミッドロール広告を挟めるようになっています。

動画にミッドロール広告を付けるため、無理に10分以上になるよう再生時間を調整しているケースが見受けられましたが、クリエイター側ではより簡単にミッドロール広告で収益を得られるようになりました。

企業側でも、広告主としてユーザーとのタッチポイントになる動画コンテンツが増加したのは追い風です。

ポストロール広告

ポストロール広告は、動画再生終了後に流れる動画広告です。プレロール広告と同じく、尺を特に気にすることなく挿入できる広告形式です。

ポストロール広告は視聴終了後のユーザーに対して広告を表示するため、視聴を邪魔しないのがメリットです。動画広告を下手に何度も見せるとユーザーの好感度が下がってしまう危険がありますが、ポストロール広告だと印象が悪くなりにくいでしょう。

ただ、視聴終了後のユーザーが広告を視聴せずにそのまま離脱してしまうというデメリットがあります。

インストリーム広告の課金方法

インストリーム型広告は、主に次の2種類の形式で課金されます。ここでは、それぞれの仕組みについて解説します。

スキッパブル広告

スキッパブル広告は、スキップ可能な広告のことです。動画広告が再生された後、5秒後にユーザーが視聴をスキップできる形式が一般的になっています。

スキッパブル広告の場合、「30秒以上視聴されるか、あるいは30秒未満の動画の場合はすべて視聴される」かで課金されます(CPV形式)。つまり、スキップされた場合は課金されないのが特徴です。

冒頭に伝えたい内容を上手く詰め込んでアピールできれば、たとえスキップされてもユーザーの認知度向上が狙えます。また、スキップされればお金が掛からないので、予算が限定されている企業に優しい広告タイプと言えるでしょう。

ノンスキッパブル広告

ノンスキッパブル広告は、ユーザーがスキップできない広告です。スキップできない広告には、つぎのようなものがあります。

・15秒未満の動画広告

・6秒未満の「バンパー広告」形式で再生される動画広告

課金形式は「CPM形式」、つまり1,000回動画が視聴されるごとに課金される仕組みになっています。

企業としては、ノンスキッパブル広告を通して、伝えたい内容を短い尺でユーザーに伝えられるメリットがあります。その反面、コンバージョンに結び付かなくても表示された時点で課金が行われる、短い尺で動画広告の内容を作りこむ必要がある、といった点がデメリットです。

インストリーム広告のメリット・デメリット

インストリーム広告には、どのような効果や注意点があるのでしょう。ここでは、インストリーム広告の、メリットとデメリットを解説します。

インストリーム広告のメリット

インストリーム広告の動画タイプは、

・プレロール広告の場合複数のユーザーに見てもらいやすい

・ミッドロール広告の場合ユーザーに認識されやすい

・ポストロール広告の場合視聴を邪魔しない

といったように、それぞれ特性が違います。企業は運用の中でそれぞれのタイプのパフォーマンスを調べ、出し分けられれば広告効果を最大化できるのがメリットです。

特にスキッパブル広告は動画広告初心者でも出しやすく、最初のYouTube広告の触りとして優秀です。運用型広告なので、興味関心や年齢といった属性で細かくターゲティングを行いつつタッチポイントを持てる点もメリットです。

インストリーム広告のデメリット

インストリーム広告は、5秒でスキップされる事態を想定して、5秒間で無理にならない程度に伝えたい情報をまとめて訴求できるように動画を制作することがポイントです。

制作にはノウハウやスキルが必要で、自社で人員を用意できず外部の制作会社へ依頼するパターンも多いものです。ただ、依頼を行うと費用がかさむ原因になるので注意しましょう。

また、動画中に自動で挟まれてユーザーに視聴される形式上、ディスプレイ広告と同じように、コンバージョン促進には向いていないというデメリットもあります。

表示回数が多いとユーザーにうるさがられる可能性が高まる点にも注意です。コンバージョン促進には、YouTube検索結果などにサムネイルで動画広告を出せる「ディスカバリー広告」が向いているので覚えておきましょう。

運用型広告であるため、継続的に広告効果の問題点を洗い出して改善につなげる視点も欠かせません。

インストリーム広告出稿の注意点

ここからは、インストリーム広告における出稿の注意点をまとめていきます。実際に運用する際の参考にしてください。

Google広告の登録を済ませておく必要がある

厳密には、YouTube広告というサービスは存在しません。YouTube広告とはYouTubeで流せる広告の総称であり、YouTube公式では「TrueView広告」と呼ばれています。そしてTrueView広告は「Google広告」のサービスの一部です。

つまり、ディスプレイ広告といった広告の配信予定がなくても、YouTube広告を配信したい場合は必ずGoogleアカウントでGoogle広告へ登録する必要があります。

Google広告へ登録すると、SEO対策でも使える「キーワードプランナー」などさまざまなサービスを利用可能です。登録自体は無料なのでYouTube広告を配信するために手早く登録を行ってみてください。

審査期間によっては配信が遅れる可能性もある

YouTube広告には審査があり、問題があれば配信されません。審査期間が延びてしまうと配信が遅れて効果が薄れる危険があるので、問題があった場合は速やかに訂正を行いましょう。

ステータスは、Google広告の管理画面で調査可能です。問題があった部分を確認した後、内容に沿って動画広告を訂正してみてください。広告を編集して訂正すると自動的に審査ステータスへ移行する点も覚えておきましょう。

ストーリー性を意識するなど、最後まで見てもらえる工夫を忘れない

YouTube広告の効果を最大限まで高めたい場合は、最後まで動画を見てもらえる工夫を行っていく必要があります。5秒以内に伝えたい内容をまとめるのは基本テクニックです。

基本的に、長過ぎる動画は避けた方が無難です。最後まで視聴するのに骨が折れる動画は、途中で離脱される可能性が高いからです。再生時間は、分析ツールで平均視聴時間という指標を見ながら調整してみましょう。

また「これからどんな風に話が展開されていくのだろう」という気持ちをユーザーへ持ってもらうため、ストーリー性を工夫する必要もあります。動画を制作する際はストーリー構成がしっかりした動画作りを意識してみてください。

まとめ

今回はYouTubeのインストリーム広告とは何か、そして掲載タイプや課金形式、メリットやデメリットなどを解説してきました。

インストリーム広告は認知度向上などに向いている広告形式であり、プレロール広告やミッドロール広告、ポストロール広告などの表示方法があります。運用しながら適切な再生を心掛けることで、費用対効果は改善していくでしょう。

5秒以内で上手く内容を伝える、ストーリー性を工夫するなどのポイントを踏まえながら広告の制作を行ってみてください。