スマートフォンで動画を観るユーザーが増え続けている中、最近注目を集めているのが「縦型動画」です。かつてはほとんどの動画が横型で、スマートフォンを横向きにして動画を閲覧するのが普通でしたが、動画を縦向きに見られるよう最適化されたプラットフォームが充実してきたことから、縦型動画が急速に増えてきました。「lyrical school」(通称リリスク)のように、縦型動画でMVをリリースするグループも登場しているほどです。今回の記事では、縦型動画流行の背景や、人気アプリ、活用事例などをご紹介します。

なぜ今「縦型動画」が熱いのか

スマートフォンで動画を閲覧するユーザーが急増している理由はさまざまですが、一番大きな要因はインターネット環境の向上といえるでしょう。LTEの普及、スマートフォン自体の性能アップにより、短いロード時間で高画質の動画を再生できるようになったため、外出先でも気軽に動画を楽しめるようになりました。

モバーシャル株式会社が2016年に発表した「スマートフォンの動画視聴実態調査」によると、動画の閲覧場所の1位は「ベッド・ふとんの中」、2位は「テレビ視聴中」、3位は「電車内」。ここからわかるのは、多くのユーザーが「ちょっとした隙間時間を利用して動画を観ていること」です。そこで、より気軽に楽しめる縦型動画に人気が集まっているのだと考えられます。

こうしたニーズに応えるため、縦型動画に対応したアプリも続々リリースされています。では、具体的にどんなアプリがあり、それぞれにどんな特徴があるのか、見ていきましょう。

縦型動画に対応したアプリ(1)Snapchat

毎日100億回以上の動画再生回数を記録しているメッセンジャーアプリ、Snapchat。縦型動画ブームの先鞭をつけたアプリともいわれています。特にアメリカでは10~20代の若者に人気があり、写真や短い縦型動画を加工して相手に送るといった使われ方をしています。原則、一度閲覧された動画は自動的に消えるという特徴があります。

縦型動画に対応したアプリ(2)Periscope

カメラで撮影された映像をリアルタイムに配信するライブストリーミングアプリです。

・ドローンを使った動画が多い

・リアルタイムで視聴者がコメントを載せられる

・配信主と会話ができる

・視聴者数・配信時間の制限がない

・配信後24時間はアーカイブを残せる

などの特徴があります。

縦型動画に対応したアプリ(3)Meerkat

Periscopeと同様、ライブ動画を誰でも配信できるライブストリーミングアプリです。

縦型動画に対応したアプリ(4)C Channel

C Channelは、かわいいものに敏感な女性のための動画ファッションマガジン。ヘアスタイル、メイク、ネイル、料理、ファッションなどの動画が毎日投稿されています。

このように、最近は多くの縦型動画アプリが登場しており、専門的な知識を持たない一般のユーザーが友人と動画を送受信して楽しむことが当たり前のこととなりつつあります。

一方、縦型動画をビジネスに活用した事例も増えつつあります。どのような事例があるのか、いくつかご紹介します。

縦型動画の活用事例(1)「lyrical school」(リリスク)

lyrical schoolとは日本の女性5人組ヒップホップアイドルユニットで、「リリスク」という通称で知られています。このリリスクが縦型動画によるMVを発表しました。縦型動画というフォーマットを巧みに活かした作品として話題になり、今後も縦型動画でMVを発表するミュージシャンやアイドルは増えるのではないかと考えられています。

縦型動画の活用事例(2)EARTH MUSIC&ECOLOGY

先ほど紹介したC Channelを利用して自社商品のPRをしているファッションブランドが急速に増えている中、映像にこだわりを見せているブランドのひとつが人気レディースアパレルショップEARTH MUSIC&ECOLOGY(親会社:ストライプインターナショナル社)です。縦型動画というと「スマートフォンで閲覧するため無理やり縦向きにした」というイメージを持つ人もいますが、商品を着用したモデルの全身を映すには実は縦型のほうが適しています。トップスからボトムスまでを一度に動画で観ることで、トータルコーディネートのイメージがつきやすく、ユーザーの購買意欲を高めやすいのではといわれています。

縦型動画の活用事例(3)LOWSON

C Channelを利用しているのはファッションブランドだけではありません。若い女性向けの商材を扱っている企業でさえあれば利用する価値はあります。たとえばコンビニ大手のLOWSONもそのひとつ。女性向け商品や店舗サービスの縦型動画を活用することで、スマートフォンによる効果的なPRに成功しています。

縦型動画の活用事例(4)Audi

ドイツの自動車メーカー・Audi(アウディ)も、縦型動画によるPR動画を配信しています。

こうした事例からわかることは、業界や商品・サービスの種類、ターゲット層にかかわらずスマートフォン動画によるPRは有効であるという事実。中でもスマートフォンの特性に即した縦型動画はますます高まるに違いありません。

まとめ

縦型動画の特長を、事例を通してご紹介しました。最近ではメッセージアプリを使って縦型動画を撮影・送受信する若者も増えており、縦型動画はますますユーザーにとって「当たり前のもの」となりつつあります。ある調査ではユーザーの98%がスマートフォンを縦にしたまま動画を視聴するというデータも出ています。今後も縦型動画がどのように活用されていくのか、チェックが欠かせませんね。